【筒井タカヤ委員】
まず最初に、障害者のバリアフリーについてでございます。
本県では、これまで公共交通、公共空間のバリアフリー化に取り組んできておりますが、平成18年12月の「高齢者、身体障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」、いわゆるバリアフリー法の施行によりまして、一層のバリアフリー化が進む中で、視覚障害者の方の安全な移動に欠かせない歩道、駅、建物等への点字ブロックや音声誘導システムの設置は促進をされております。
しかしながら、意外なことに、車が行き交い、非常に危険な横断歩道の安全対策は余り講じられておらず、横断歩道は視覚障害者の方にとって、依然として危険な状況にあります。
確かに音響式信号機が設置された横断歩道も増えてはおりますが、横断歩道上には移動方向を示す点字ブロックがないため、視覚障害者の方が短い時間で安全に道路を渡り終えるのは困難であります。このことが視覚障害者の方の自由な日常活動を妨げる一因となっております。
横断歩道での進行方向と位置の手がかりを提供する点字ブロック、いわゆる「エスコートゾーン」の設置について、鳥取市では鳥取駅周辺の大通り、さらには県庁に向かう大通りにエスコートゾーンが随所に設置されておりますし、また、岡山県では音響式信号機のある交差点等に設置するなど、視覚障害者のバリアフリーを積極的に進めております。
また、最近では広島県においても、設置されたと聞いております。県庁や市役所の周辺を中心に整備が進んでおります。
私が調べたところによりますと、本県でも、
【障害福祉課長】
視覚障害の方々のためのバリアフリーについてでございます。
障害のある方々が、地域で安心して暮らすことができる社会を実現するためには、安全で快適に暮らせますバリアフリー化されました歩行空間ネットワークの整備の推進が重要な課題であると考えております。昨年12月にバリアフリー法の施行によりまして、総合的なバリアフリー対策が一層促進されるものと考えております。
お尋ねのございました横断歩道用点字ブロック、いわゆるエスコートゾーンの設置促進についてでございますが、委員ご指摘のとおり、エスコートゾーンは現在県内で約150か所設置をされておりまして、内訳で申し上げますと、地区別ですが、名古屋地区70か所、尾張地区に40か所、三河地区に47か所となっております。主な設置場所でありますが、
視覚障害の方々の社会参加を促進するために効果的な取組みであると考えておりまして、障害福祉課といたしましても、視覚障害のある方々のご意見をお聞きいたしまして、より一層の設置の推進につきまして、設置を所管いたします県警本部や道路を所管いたします建設部などとの連携を図りながら、考えてまいりたいと存じます。
【筒井タカヤ委員】
次に病院の耐震化について4点ほどお尋ねしてまいります。
「愛知県建築物耐震改修促進計画−あいち建築耐震プラン2015」では、平成27年までの9年間に多数の者が利用する建築物の耐震化の目標を少なくとも90%にするとしています。とりわけ病院は、地震が起きたときにも、入院患者などの治療の維持はもちろんのこと、被災者の治療にあたることが想定され、建物の耐震化が必要であります。
今年の7月には新潟県中越沖地震が、3月には石川県の能登半島で震度6強の大きな地震があったことは記憶に新しいところであります。幸い、いずれも病院の被害はなかったようでありますが、愛知県においても東海・東南海地震に備えて病院の耐震化を急ぐ必要があります。
そこで、県内の病院建物の耐震化が、どのような状況になっているのかお尋ねいたします。
【医務国保課主幹】
病院の耐震化の状況についてのお尋ねでございます。平成17年の3月に病院建物の耐震化調査を実施いたしました。調査結果ですが、県内に348病院がございまして、棟の数ですと1,048棟あります。その中で、耐震化済みの棟が640棟、全体の61.1%でありました。また、昭和56年以前の建物ですが、耐震化が図られていない棟は、残りの408棟、38.9%であります。
この中で、全て耐震化済みの棟だけである病院は143病院で、これは全体の41.1%にあたります。逆に、全ての棟の耐震化が図られていない病院は60病院ありまして、全体の17.2%であります。
【筒井委員】
全ての棟の耐震化が図られていない60の病院は、特に耐震化の工事を急ぐ必要があると思います。これらの病院は、平成17年の調査以後も状況に変化はないのか。また、病院の規模、設置者、再編で問題となっている療養病床があるのかどうか伺います。
さらに、このような病院を含め、耐震化していない建物をもつ病院に対し、指導が必要でありますが、どのように指導しているのか伺います。
【医務国保課主幹】
まず、状況でございますが、平成17年の調査以降で、耐震化した病棟のない病院は60病院でしたが、それ以後、改築や廃止した病院がございまして、また現在、工事中の病院を含めまして10病院ありまして、現状では50病院になっております。
この、耐震化された建物がない50病院のうち、病床50床以下が22病院、100床以下が16病院と、比較的小規模な病院が8割弱を占めております。設置者は医療法人が37病院、個人が9病院と、2つで9割強を占めております。また、療養病床を含む病院は、6割を超える31病院であります。
次に、指導でございますが、県内の全病院に対しまして、毎年1回、保健所が立ち入り検査を実施しております。その際、耐震化していない病院に対しましては、耐震化を図るよう指導しております。
【筒井タカヤ委員】
病院の設置者は、医療を取り巻く状況が非常に厳しくなる中、将来の病院経営に非常に頭を悩ませておられます。先ほどの耐震化されていない病院の中には、療養病床を持つ病院も多く含まれていますが、これらの病院は、療養病床の再編で、介護施設への転換も検討されていると聞いております。
療養病床が介護施設に転換する場合、改築費等の助成も行われるようですが、これらの転換支援策がどのような内容なのか、主なものをお伺いいたします。
【医務国保課主幹】
支援策についてのお尋ねでございます。病院が療養病床を介護施設等に転換する場合には、国において多くの支援策が打ち出されましたので、療養病床を持つ病院に周知を図りました。
このうちの主なものですが、まず、転換に要する費用の助成であります。国も来年度予算で要求中でありますので、決定したものではございませんが、平成20年度からの5年間、介護老人保健施設等へ転換する場合、1床あたり改築の場合は120万円、改修の場合は50万円を上限に補助が行われる予定であります。
その他、病院の財政負担軽減策としては、法人税の軽減や市中銀行より有利に建設資金等を融資しています福祉医療機構の融資率をさらに引き上げるなど、融資条件の優遇措置を講ずることとしております。
【筒井タカヤ委員】
最後に、耐震化の調査についてであります。説明いただいた前回の耐震化調査からは、すでに2年以上経過しております。新たに耐震化への取組みや計画を聞くなど、耐震化への啓発も含めて、再度、調査を実施することは有益であると考えますが、新たに調査を実施する予定があるかどうか伺います。
【医務国保課主幹】
耐震化の調査についてであります。病院からは、耐震化の相談や改築等の計画も医務国保課でお聞きしておりますが、全部を把握しているわけではございません。次年度からは、療養病床の再編が始まりますし、4月からは医療費の改定も行われます。次年度に調査する方向で検討してまいりたいと考えております。
また、その際には、ご指摘のありましたような耐震化促進の啓発も行うよう考えております。
【筒井タカヤ委員】
次の質問は、高齢者の住宅問題についてであります。
高齢者の方々の中には、身体的な問題や家族間の問題など様々の事情によりまして、それまでの住居を離れ、単身や老夫婦で賃貸のアパートに入居を希望する方がおみえになります。高齢者の数が増えるに従い、こうした方々の数も増えてきている状況ではないかと感じております。ところが、高齢者が賃貸住宅へ入居しようとされる際には、家賃の保全のための保証人を求められることが多いと聞いております。
高齢者の方々の中には、社会とのつながりが弱くなっていることなどから、保証人がみつからない、立てることができない方が多数おみえになるようであります。
私のところにも、高齢者の方から、賃貸のアパートに入居を希望されておられるものの、「保証人を立てることができず、住宅紹介会社や大家さんから入居を断られた。何とかならないものか」というような相談が、多数寄せられるようになってきております。皆さん、大変お困りのようであります。
このような相談を受け、私が調べたところによりますと、保証人を立てることができない高齢者に対して賃貸住宅に入居できるよう支援する制度があることを知り、この制度の紹介をしたところ、皆さんが、大変助かったと感謝されたということがあります。
しかし、このことは反面で、こうした支援制度について、高齢者はもとより、県民や貸主、住宅紹介会社等に十分承知されていないことが原因であると言えるのではないでしょうか。
そこで、伺いますが、保証人を立てることができない高齢者の方が、賃貸住宅に入居できるよう支援する制度について、高齢者の福祉を所管する健康福祉部として、どのようなものがあると承知されているか、伺います。
また、そうした制度について、周知が十分になされていないため、制度を利用できず、困っておられる方々が多数おみえです。制度そのものの所管は健康福祉部ではないかもしれませんが、私は、高齢者福祉を所管する部局として、健康福祉部からも広く周知を図ることが必要であると考えます。この点について、どのようにお考えか、伺います。
【高齢福祉課主幹】
お尋ねのうち、保証人を立てることが困難な高齢者の方への入居支援ということで承知している内容でありますが、まず、財団法人高齢者住宅財団の高齢者居住支援センターが行っている「家賃債務補償制度」がございます。
これは、「高齢者円滑入居賃貸住宅」の登録をされた民間住宅が対象でありますが、保証人を立てる代わりに、借主が高齢者居住支援センターに、月額家賃の35パーセントに相当する額を、2年間分の保証料として支払うことにより、このセンターが貸主に対して家賃債務保証を行います。このことで高齢者の入居の支援が図られる、という仕組みであります。
次に、NPO法人でありますが、平成13年9月に高齢者等の人権擁護活動を目的として県の認証を受けた、
また、一般の民間の賃貸住宅につきまして、民間の保証会社との間で、家賃が滞納された際には保証会社が立替払いをするなどの契約を締結されることにより、高齢者等の入居の支援が図られるといったシステムの例を聞いております。
次に、制度の周知についてですが、ご指摘のとおり、こうした制度については、高齢者ご自身や貸主、関係業界の関係者に広くご承知いただくことが肝要と考えております。
健康福祉部といたしましては、高齢者福祉推進の観点から、毎年発行しております「高齢者福祉ガイドブック」、県のホームページへの掲載や、市町村、市町村社会福祉協議会等への周知につきまして、また、宅建協会等の関係業界への周知につきましては建設部と連携の上で、前向きに検討してまいります。
【筒井タカヤ県議】
今の件ですけれども、こういった制度の周知について前向きに取り組んでいただくということをお話いただいたんですが、是非ですね、それが末端の普通の宅建業者、民間のアパート紹介者にも知らしめ、同時に大家さんらもこういった制度があったならば安心して貸せるということが、高齢者の賃貸住宅への入居拒否というものが改善されると思いますので、このことについて是非全力を挙げて浸透すべく取り組んでいただきたいと思います。
次に県立5病院における院内保育についてお尋ねいたします。最近、医師・看護師等医療従事者の不足に対応するため、多くの医療施設が院内保育に力を入れております。一例を申し上げれば、名古屋大学附属病院でも院内保育を設けておりますし、また、名市大では24時間保育も来年度から始め、附属病院の院内保育所との統合も検討していくとの報道がされております。
子供を育てようと思う、また、子供を抱えながら働こうとする職員にとって、子供の保育の不安を軽減する方策を採ることは、今、医師不足や看護師不足に悩んでいる病院における緊急の課題であります。県内の主要な拠点病院といわれる病院では、更に一歩進め、変則勤務に対応した院内保育体制を充実させ、医療従事者が働きやすい職場環境づくりに積極的に取り組んでいる状況にあります。先の県議会の代表質問においても、病院事業庁長から「医療現場の職員が生き生きと働ける魅力ある職場づくりに一層重点を置いて行きたい」との発言がございました。
県立病院には、現在、院内保育所を設置しているところはないと承知しておりますが、魅力ある職場環境づくりのため、院内保育所の設置が必要と思います。医師・看護師等医療従事者の不足に対応するためにも是非必要と考えますが、病院事業庁としてはどのようにお考えかお尋ねします。
【管理課主幹】
県立の病院は、かつて直営の院内保育所を有しておりましたが、利用者の減少、周辺の保育施設の充実などといったものを理由として、平成11年度をもって院内保育所を廃止いたしました。しかしながら院内保育所を廃止した当時とは病院を取り巻く環境も大きく変化しております。今年度の看護師採用試験の受験者に対して実施したアンケート結果でも、大多数の者が院内保育施設の設置を必要と答えているなど、院内保育所設置の必要性が高まっていることは強く認識しているところでございます。
院内保育所のあり方については、直営、運営委託、あるいは、民間保育所優先利用契約、施設貸与による民間誘致といった設置方法の問題、24時間保育、病児保育といった運営方法、更には設置・運営に伴う経費の問題もございます。具体化に向けては多くの課題もございますが、医療現場の職員が生き生きと働ける魅力ある職場づくりに向けて、検討してまいりたいと考えております。
【筒井委員】
医療現場の職員が生き生きと働ける魅力ある職場づくりに向けて、検討してまいりたいということですから、その可能性が十分に出てきたといった認識をお持ちだということを理解をいたします。
続いて、ドクターバンクについて、4点ほどお尋ねをいたします。
医師不足、特に病院の勤務医不足は深刻な状況となっております。本会議の知事答弁でも、県内でも今年6月の調査では、県内全病院338病院のうち、全体の2割程度の62の病院が医師不足であるため、内科、産婦人科、小児科などの診療制限を行っているとのことでありました。医師不足の問題の根底には、新医師臨床研修制度など、国の制度に起因する部分が多く、その解決には国が責任を持って解決を図る必要があることは言うまでもございません。
しかしながら、県としても、地域医療を確保する立場から、県独自の医師確保対策に取り組まなければならないことは当然のことでございます。県も今までの議会で、平成18年4月以来、ドクターバンク事業を始めとする医師確保対策推進事業を実施しており、医師不足対策に取り組んでいるとの答弁をなされておられます。
そこでお伺いいたしますが、ドクターバンク事業はどのような内容の事業なのか、具体的な説明を求めます。
【医務国保課長】
ドクターバンクにつきましては、県内の医師不足問題を背景といたしまして、愛知県医師会のご協力を得まして、平成18年9月1日から愛知県医師会館内に開設しているものでございます。
事業の内容でございますが、まず、就職先を求めます医師と医師を求める病院をバンクに登録いたします。その際、医療に精通いたしました医師資格を有する県医師会のコーディネーターが、医師と病院双方にきめ細かい聞き取りを行いまして、その方が病院と職を求める医師の間に立ちまして、勤務条件などについて具体的な仲介、調整を行うものでございます。
なお、仲介や斡旋に必要な費用につきましては、医療機関や医師いずれに対しても徴収いたしておりません。無料で職業紹介を行っておりますので、医師、医療機関ともに利用しやすい制度と考えているところでございます。
【筒井タカヤ委員】
ドクターバンクは、実際に医師不足に悩んでいる医療機関にとっては、すぐに医師を確保できるという点で、即効性が期待できる施策と考えられます。スタートして1年あまり経過しましたが、今までに何人の医師を医療機関に紹介して採用に至った実績があるのでしょうか。
医師不足がいわれる中で、女性の医師の活用なども叫ばれていますが、紹介し採用に至った医師の性別や年齢はどのような構成であったのでしょうか。また、どのような医療機関に紹介されたのか、お伺いします。
【医務国保課長】
ドクターバンクにつきましては、昨年9月1日に開設して依頼、ほぼ1年を経過いたしまして、その間に10名の医師を医療機関に紹介し、採用をしていただいたところでございます。
ご紹介いたしました医師の年齢層につきましては、30代3名、40代2名、50代1名、60歳以上4名となっておりまして、男女別につきましては、男性7名、女性3名でございます。なお、女性3名はすべて30代の方々となっております。
また、紹介した医療機関といたしましては、病院4名、診療所2名、介護老人保健施設2名、その他2名という状況となっております。
【筒井タカヤ委員】
ドクターバンクで紹介をいただいたドクターが10名で、30代の女性が3名とのことでした。女性は出産や子育てで現場を離れる機会がどうしても男性より多いと思われます。医療の進歩は日進月歩で目覚ましいものがあり、現役の医師でも絶えず最新の医学を学ぶ必要があり、だからこそ患者の信頼も得られものと思っております。そうしたなか、やむを得ない事情で現場を離れたとはいえ、現場を離れた医師が復帰される場合、命をあずける患者の中には医師の技量などに一抹の不安を覚える方がいらっしゃるかも知れません。これは事実だと思います。
患者にとっては、医師にこうしたことを口に出していうことは、はばかられることが多いのですが、患者の不安を払拭するため、ドクターバンクで医師の掘り起こしを図る場合、現場を離れていた医師について、しかるべき研修がなされるべきと考えます。ドクターバンクを推進する県として、こうした現場を離れていた医師の研修について、どのように対応してみえるのか、お伺いいたします。
【医務国保課長】
ドクターバンクにつきましては、出産や育児など医療現場を離れていた医師が医療現場に復帰していただくこともねらいの一つとしているところでございます。医療現場を離れていた医師が現場復帰いたします際には、中には最新の医療技術を十分に把握していないとか、あるいは就職する病院の中のやり方等、雰囲気になじめるかなど不安を持ってみえる方があるかも知れません。また、受診されます患者の方々にとっても、医師が心おきなく医療に専念できませんと、医師に対する不安を感じる要素となってまいります。
従いまして、ドクターバンクを通じて紹介いたしました医師が、円滑に職場復帰を図ることができますように、紹介先の病院が医師に対する現場復帰研修を実施いたします際に、その費用に対する補助制度を設けておりまして、現在までに2名の方に対する補助を実施いたしたところでございます。
【筒井委員】
ドクターバンク事業で、今まで10名の医師が紹介されており、現場を離れていた医師には県が職場復帰研修などを支援しており、努力していることはいま理解ができました。
ドクターバンク事業だけでは、医師不足問題の根本的な解決にならないことは明らかではありますが、今後も、一人でも多くの医師を発掘し、医師不足で困っている医療機関に紹介することは重要なことだと思います。これからも、働きたい医師を一人でも多く登録してもらえるようなドクターバンクの充実として、どのようなことを考えているのか、お伺いいたします。
【医務国保課長】)
ドクターバンクを充実いたしますためには、バンクに登録していただく医師を増やすこと、特に出産や、育児、定年等の理由で医療現場を離れてみえる医師の掘り起こしが最大の課題であると存じます。
従いまして、ドクターバンクの開設をお願いしております県医師会の機関紙にドクターバンクの内容を掲載いたしまして、医療関係者に対する周知を図っておりますほか、県内の各病院にもお願いいたしまして、出産、育児などで病院の職場を離れる先生がみえる場合には、ドクターバンクについて情報提供していただくようお願いしております。
また、医療機関を定年などで退職されましたが、まだまだ現場で活躍できる医師の掘り起こしも重要と考えますので、病院を定年退職されました医師に対しましても、病院を通じてドクターバンクの情報提供をお願いしたいと考えております。今後とも、県内の病院を会員としております県病院協会の会合等にお邪魔させていただきまして、ドクターバンクの周知をお願いするなど、ドクターバンクの充実に努めてまいる所存でございます。
【筒井タカヤ委員】
最後に、がんセンター中央病院への電子カルテの導入について、お伺いします。
がんセンター中央病院は、本年1月に都道府県がん診療連携拠点病院に指定され、本県がん医療の中核を担うこととなりました。がん診療連携拠点病院は、他の病院との連携を図る中で、質の高いがん医療を受けることができる体制を確保するという観点から整備されるものでありますが、特に都道府県がん診療連携拠点病院は、県内2次医療圏ごとに概ね指定された地域がん診療連携拠点病院を支援することとされておりますので、がんセンター中央病院は、より重要な役割を担っていることとなります。
私は、がんセンター中央病院が、がん医療水準の均てん化の実現に向け、病病連携・病診連携を積極的に展開していくためには、がんセンター中央病院への電子カルテ導入は、ぜひとも必要であると考えております。
がんセンター敷地内に、来年1月にオープンする予定の民間画像診断施設PET−CT検査診療所、正式名称は東名古屋画像診断クリニックでは、電子カルテが使われると聞いておりますように、電子カルテは、多くの病院・診断施設で導入が進んでいます。今や患者の紹介や逆紹介の多くは、電子カルテの下に行われておりますので、がんセンター中央病院への導入は、後送りのできない課題であると考えております。
とは言っても、電子カルテの導入に当たっては、どの程度までシステム化するのか、他システムとの連携、資金面の問題、導入の時期、他の県立病院との関係など、解決せねばならない様々な課題がありますので、計画的に検討を進めていく必要がございます。
あいち健康の森隣接地に建設が予定されております民間重粒子線治療施設、それに、名古屋市が計画するクオリティライフ21城北の陽子線治療施設は、奇しくも、それぞれが平成22年度の開業を目指しています。本県が目指すがん撲滅先進県は、がんセンター中央病院と粒子線治療施設とが密接不可分に連携することで成就するものであり、遅くともこれら施設の開設時期までには、がんセンター中央病院へ電子カルテを導入すべきと私は考えております。
今後、電子カルテ導入という方向性を持って、これらの問題を検討していく必要があると思いますが、病院事業庁の考えを伺います。
【経営課長】
電子カルテは、委員ご指摘のとおり、医療施設間での情報連携で役立つのみならず、病院内部の情報共有、患者様への情報提供という点でも、大変有用なツールであると考えております。
がんセンター中央病院への電子カルテ導入につきましては、システムの仕様、資金面での問題など、様々な問題・課題が想定されますので、今後、十分に調査を行ってまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
この回答ではなかなかだとは思いますが、それぞれのご答弁の中の、含みの中に色々なものが含まれていると私は今の段階では考えます。ここでは、要望にとどめ、以下お話をさせていただきます。
先程も申し上げましたとおり、がんセンター中央病院は、都道府県がん診療連携拠点病院として、現在、県内に10あります地域がん診療連携拠点病院を支援していくこととなっております。
私は、支援を受ける立場の地域がん診療連携拠点病院のいくつかは、既に電子カルテを導入していることを承知いたしております。私ども委員会でも、先般視察いたしました名古屋掖済会病院もそうでした。支援する立場の都道府県がん診療連携拠点病院である、がんセンター中央病院に電子カルテがない状態ですと、支援するにも支障がでてくるのではないかと考えます。
答弁はなかなか難しいと思いますので、これ以上は求めませんが、電子カルテの早期導入に向けて、是非とも具体的な目標を立てて取り組んでいただくことを強く要望して、この件の質問については、また次回も行うことを表明して終わります。