〜“薬草園基本構想について”〜

 

【筒井タカヤ:質問】

 

 あいち健康の森基本構想や基本計画に基づいて、平成5年に薬草園の基本構想が策定された。今から17年ほども昔に策定された基本構想を平成20年に改訂したと聞くが、その間、日本は経済不況の嵐に突入したこともあって、愛知県では薬草園が実現に至らなかった。また、当初の計画は江戸時代の終わりの御薬園をイメージしたもので、総工費は176,000万円の計画だったようである。

 

昨年、東京都薬用植物園を視察し、経営状況を聞いたときに、委員全員が大変なことだと認識した。率直に思うことは、まず平成5年当時に、急いで薬草園をあいち健康の森の中に造らなくてよかったということである。今から思えば、経済の右肩上がりに乗り、温室ハウスを含む箱物整備を中心とした計画で、その費用と維持管理のことを考えていたのか、我々も含めて、皆さんも疑問に思わなかったのかと、本当に叱責されても仕方がないような薬草園基本構想だった。

 

そして今回の計画であるが、今度は半分以下の6億2,000万円の予算で5年計画の2期工事だから、良しとせよという単純な考え方には、とても賛成できない。具体的な必要性や時期など、話を少し整理してほしい。今回の計画案なるものをじっくり検証し、今の時点でも慎重に考え、変更していくべきだと考える。

 

あいち健康の森には、健康プラザ西の大芝生公園前の大きな池、いわゆるいのちの池の周辺や、子供の森近くのいきもの達の谷周辺のジョギングコース、散策路が整備され、多くの人たちが集まっている。なぜ、このように誰が見ても最適な場所、広く県民が親しめ、いつでも生育状況も見守ることができるような場所に、薬草園の配置をしようとしないのか、疑問に思えてならない。17年も前に作られた構想を平成20年に改訂しているが、整備する場所が従来のままという考え方には、どうしても納得できない。

 

春を思わせる陽気の平日、土曜日、日曜日と3度にわたって、あいち健康の森に出向いて、丸一日じっくりと施設を見て回り、子供連れ、老夫婦、若いカップル等から意見を聞き、県民の各層の率直な声を聞いた。

私が会った人のほとんど全員が薬草園について関心を示し、ぜひ県で実現してほしいということであった。しかし、声を掛けた人たちからは、一体どこにできるのかという問いがあった。手に持っていたあいち健康の森のチラシを見せて、昔からこの場所に予定計画されていると説明すると、ほとんどの人がどうしてあのような隅の西北の場所に造るのかと逆に問うことが多くて、私も答えることができなかった。

 

薬草園予定地は、第一駐車場やあいち健康の森でも最も中心的な施設である健康プラザからもはるか遠く、また、第二駐車場や子どもの森からも遠く、一般の人はほとんど行かないような、健康の森を利用する道の動線からまったく外れた場所に、薬草園を造ろうとしていることは事実だと思う。ある特定の人やある時期に薬草に関心を示した人だけが行くような場所であると言っても、過言ではないような気がする。私の地元の名古屋市名東区の猪高緑地の例を挙げると、名古屋市に合併する前まで、当時の猪高町が所有する財産と周辺住民が所有する雑木林であった。

 

昭和48年に、名古屋市は猪高緑地と指定し、分散する土地所有者から用地を買収し、基本計画を作った。以来、何回も住民の声によって、緑地計画を変更してきた。当初の計画では、緑地公園内には、大芝生公園、野球場、テニスコート等もあった。まさに、今のあいち健康の森とそっくりなものであった。15年後の平成5年には、この緑地計画は変更され、どこの公園にもあるような大芝生公園は消え、大遊園地、レストハウス、日本庭園、バレーコートも消え、自然環境を保全した里山緑地として変更した。この間、名古屋市の役人と名東区の住民が激論に激論を重ねた経緯がある。今では名古屋市内で唯一、自然環境を有した里山公園として市民、県民から親しまれ、愛されている。

 

私は、あいち健康の森の基本構想も、その時代が求めるものに変わって当然だと考えている。あいち健康の森にある、どこにでもある球技場、今ある野球場を、それこそ薬草園ならぬ薬木の森としたりする変化があっていいはずだと考える。また、薬草園を従来どおりの考えのように薬草栽培畑として公開するのではなく、あいち健康の森で大勢の人々が集ういのちの池、いきもの達の谷に配置すればいいが、なぜそれができないのか。

 

この場所は、あいち健康の森の地域であっても、公園を管理するのが建設部だからできないという考えなのか。あいち健康の森の公園敷地の施設全体のあり方を再度見直して、薬草園の配置場所を大勢の人々が集う場所に変える考えはないのか。また、現計画をそのまま推進するとして、将来において、もっと県民に愛されるものとするため、場所を増やすような計画の拡充をしてもらいたいと思うがどうか。

 

 

 

【医薬安全課主幹(監視・生産):答弁】

 薬草園整備は、あいち健康の森の予定地において、造成工事、排水工事、外周植栽を行ったが、中断したまま現在に至っている。そのため、これまで積み上げきた投資を最大限に有効活用することは必要不可欠なことと考えている。

 

また、有識者で構成する薬草園構想会議において、社会環境の変化に対応することを始め、さまざまな検討を行い、平成20年3月に薬草園基本構想を改訂した。この改訂内容を踏まえ、栽培畑を公開するという従来の見学型から、参加型・体験型への見直しを図ったところである。

 

具体的には、県民の皆さんに栽培や園内ガイドのボランティアとして参加してもらったり、体験薬草農園で薬草栽培を体験してもらうことを予定している。このような経過を踏まえると、あいち健康の森の予定地に薬草園を整備することが最適と考えている。なお、あいち健康の森内のいのちの池やいきもの達の谷の周辺に植栽することは、今後の課題として研究させてほしい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

薬草園の予定地には、駐車場や交流センター兼薬草展示の施設を造る予定である。新たに造る駐車場予定地は、あいち健康の森に一番近い県道沿いのすぐ手前となる。ここでは、すぐに満車となり、薬草園に来る人が利用できないような駐車場となってしまう。

 

特に、あいち健康の森で親子連れに一番人気のある子どもの森の第2駐車場は土曜日、日曜日はすぐに満車になることもあって、とても歓迎されることになると思う。それは実に、あいち健康の森の第3駐車場で、子どもの森の補完的な駐車場として大変便利でありがたいということだけになると思う。つまり、薬草園のための駐車場にはならないと思う。

 

更に、薬草園内の交流センターも、議論を深めなければいけない。巨額の費用を投入して完成したガラス張りの殿堂とも言われる健康プラザの施設は、プラザホールを例にとっても、年間4万人あまりの人々が利用しているが、まだ利用の余地は残されている。今一度、健康プラザ内の利用方法を見直せば、薬草園の交流センターを造る必要はない。交流センターとはどういうものか、詳細に教えてほしい。

 

 

 

 

【医薬安全課主幹(監視・生産):答弁】

 薬草園の運営管理は、県内大学、関係団体、民間企業との産学行政の連携に加え、県民の皆さんや地域社会に園内案内ガイド、栽培ボランティアとしてご活躍、ご協力してもらうことを考えている。ボランティア交流センターにおいては、ボランティアの人たちが栽培に必要な苗等を初期段階で育てたり、収穫した薬草の乾燥や薬用部分の選定などを行う作業場所として使用することに加え、ボランティアの人たちが作業前後に着替えをしたり、打ち合わせをしたり、情報交換や交流の場として使用することを想定している。

 

したがって、ボランティア交流センターは、薬草や薬木の栽培場所に欠くことのできない施設であり、薬草園の効率的・効果的な運営に欠くことのできない施設であって、あいち健康の森の予定地に整備することが最適と考えている。なお、薬草料理教室等の催し物を行う際には、そのようなスペースはボランティア交流センターに予定していないので、既存施設の利活用を検討していきたい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

 交流センターの規模については、しっかりと検討してほしい。

 名古屋市の東山植物園にある薬草の道を調査した。平成10年に名古屋市が薬草の道を整備して、維持管理は全面的に名古屋市植物園が行っているが、今や悲しいほど寂しいものであった。名古屋市植物園には、ボランティアガイドが数名いたが、薬草の案内や説明ができるのはごく限られた人であった。それでも、1人の女性ボランティアガイドが薬草について少し知っているということで案内してもらったが、このガイドさんは「薬草園をもっと整備すべきで、ここ数年、整備も含めて何もかも放り出している」という不満を述べていた。

 

名古屋市が管理している薬草の名称や効能が書いてある看板の説明や写真も、今や日光にさらされ、長年の時の経過で読み取れるものは限られており、消えているものが数多くあった。たぶん10年前に名古屋市植物園の薬草の道を造った当時は、薬草に関心のある人も集い、ボランティア活動に尽力されたことだと思うが、もう、当時の活気あるボランティアの姿もなく、応援も感じることはできなかった。

 

今は、あいち健康の森に薬草園を造り、有識者なる人々や薬草に関心のある人、近所も集って、ボランティア奉仕、ガイド案内もされると聞いた。しかし、いつの日か、10年、20年の時の経過の中で、今の名古屋市の薬草の道と同じ道になるのではないかと危ぐしている。

まして、あいち健康の森の中にあって、最も利用しにくい場所の西北角の一隅にある薬草園なる畑があるとなれば、名古屋市植物園内の薬草の道以上に一般の人たちからは見向きもされず、いつの日か飽きられ、存在そのものがお荷物となり、忘れ去られることを危ぐする。

薬草そのものは、あいち健康の森の中にあるショウブの田というように、ある時期に見事なまでに美しい花を咲かせるものでもなく、見方を変えれば、悲しいほどただの雑草である。私たちも東京都の薬用植物園を視察して痛感してきた。だからこそ、薬草園はあいち健康の森の中の人々が集う中央に植栽すべきと主張する。薬草園の建設について、整備場所を修正、再検討する余地があるか。

 

 

 

 

【医薬安全課長:答弁】

 薬草栽培に関しては、自然環境にありながらも強い生命力を発揮して、雑草のように生え、管理にそれほど手間のかからない薬草もごく一部はある。しかし、薬草の多くは、天候不順、本来の生育地とは違う環境ということから、栽培途中で枯れてしまうものや生育期間の短い一年草、二年草である。各地の薬草園の薬草栽培の前例をみると、ある程度の面積を要して薬草をバックヤードで育て、ストックしておくほ場を設けて、年月をかけて栽培管理に当たることが必要である。

 

本県においても、県民の皆さんに少しでもよい状態で薬草に接することができるようにほ場を設けて、栽培管理を行うこととしている。また、子どもから高齢者まで幅広い県民の皆さんが、直接、薬草に触れる機会として、体験薬草農園を設けて、薬草栽培の専門家の指導のもと、薬草栽培に参画してもらう予定である。このような薬草園としての拠点が必要であることから、あいち健康の森内の予定地がふさわしい場所であると考えている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

 薬草園を維持するに当たっては、土地の管理を含めたいろいろな維持管理費が必要であるわけだが、私の知る限りでは、県牧野ヶ池緑地の薬草の道や名古屋市植物園の薬草は放置されたような自然環境下にありながらも、強い生命力を発揮して生きていた。お金がかかることばかり主張する話には、どうしても納得がいかない。もともと薬草は、自然の野にあるものだということを忘れてはいけない。

 

薬草の力は大自然の力である。決して人間が手を加えなければ育たないものではないことを、今一度、認識してほしい。薬草園に関する維持管理、ボランティア等の活動について、名古屋市植物園にある薬草の道を見すえた所見を伺う。

 

 

 

 

【医薬安全課長:答弁】

 名古屋市東山植物園にある薬草の道の薬草は、平成10年に名古屋市が植栽し、現在まで栽培ボランティアを活用することなく、名古屋市の直営で維持管理を行っている。また、園内ガイドやボランティアも薬草の道の専任ではなく、植物園全体のガイドとして協力してもらっていると聞く。一方、今回県が整備を予定する薬草園の維持管理については、県が責任を持ちながら、日々の管理を委託することにしている。加えて、県民の皆さんを始めとする多様な主体の参画と役割分担により運営を行うこととしている。

 

更に、ボランティア活動については、体験薬草農園に参画した人たちに対して、ボランティアの参画を呼びかけて、栽培ボランティアや園内のガイドボランティアとして活躍してもらうことを予定している。このことから、県内外でボランティアの人たちが活躍している薬草園を始め、さまざまな事例を参考にしながら、薬草栽培の専門家による研修、指導を含めて、ボランティアからボランティアへの技術伝達などを通じて、栽培、園内ガイドのボランティアの継続的な育成に努めていきたい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

 名古屋市の植物園内にある薬草の道の二の舞いにならないよう、ボランティア協定書を結んでほしい。世代から世代へと、人がどんどん変わっていくので、継続的に応援していくという大切な心だけは失ってもらいたくない。きちんとした協定書を作れば、作る過程から含めて、いろいろな人たちに活躍してもらえると思うがどうか。

 

 

 

 

【健康担当局長:答弁】

 薬草園はいかに安価、低廉で長く続けていくかという維持の面が非常に大きい。今回の薬草園には、ボランティアの人たちに参加してもらうことが一つの目玉である。岐阜県に薬草園があって、そこを訪れる人の半分が愛知県民で、そこにいる100名ほどの薬草栽培ボランティアの約3分の2が愛知県民である。管理している人にボランティアの育成、継続について聞くと、体験できる場所を与えることによってボランティアが育つとのことである。したがって、体験型の薬草園は非常に意味があると考えている。

 

体験薬草農園を提供することができたら、種からずっと育てていき、例えば、アマチャの葉を乾燥させて薬草茶を作り、ノンカロリーのほのかに甘いお茶を実際に飲んで楽しんでもらうこともできるのではないかと考えている。ボランティアを継続的に確保して、一般の人たちにボランティアとしてお願いできるかということを最大の課題として、しっかりと取り組んでいきたい。また、提案されたことは丹念に研究していきたい。

 

 

 

 

 

 

〜“城山病院の改築に伴う土地活用”〜

 

【筒井タカヤ:質問】

 現在、精神科医療体制の中核でもある城山病院の全面改築及びがんセンター中央病院においては、外来の化学療法センター等の拡充など、大いに期待するものであり、財政状況が大変厳しい中で、県民の安心・安全を守る上で県立病院の診療機能を充実することは、大変喜ばしいことであり、一県民としても大いに期待する。

 

土地利用の考え方で、県の城山病院の改築における敷地の活用については、特殊な病院であるだけに、病院建設時には、ほとんど周辺に人家がなかったが、今では人口が密集する環境にあって、今回の全面的な改築に当たっては、大変苦労されたと聞いている。そのようなことが、次の世代にも理解されることが必要であると思うが、敷地活用はどのように考えているか。

 

 

 

 

【経営課長:答弁】

 現在の城山病院は、4つの病棟と、診療管理棟、厨房棟、デイケアセンターなど8つの建物で構成されており、敷地のほぼ全体を使った形で配置されている。改築については、入院患者さんの診療を継続したまま進めるという制約の中で、現在の病棟を最大限に活用しながらの移行を進めることとしている。新病院は、診療管理棟、病棟、新たに造る医療観察法病棟、若干遅れてできる体育館とデイケアセンターと、主に4つの建物が集約される形でできることとなる。

結果的に新病院の建物は、敷地のほぼ中央部分に集約される形となり、その分、土地が広く確保できるので、屋外のグランドや作業療法用の畑なども広げることができる状態となる。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

 現在の場所における改築や基本的な内容は分かったが、土地利用の考え方には、将来の見通しをどの程度考慮しているかを含んでおり、先々の建替え等にも応じられるような配置をしているかが知りたい。施設を造ろうとすれば、限られた土地にいろいろと取り込んで、30年後、50年後を考えずに進めてしまいがちであり、次世代への配慮が欠けるのではないかと懸念している。次に建て替え等をしようとした時に、土地に余裕がなければ行えなくなってしまうわけであるが、敷地の一角をきちんと残しておくような配慮をしているか。

 

 

 

 

【経営課長:答弁】

 例えば30年後に城山病院がどのような状況を迎えているか、医療ニーズの変化等もあって、拡張や建替えが必要になっているか、現時点で予測することは難しい。しかし、建物が敷地のほぼ中央に集約されて、グランドや畑などを広く取ることができることから、将来に向けて、土地に余力があるものと考えている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ】

 将来の拡張の可能性についても対応できていることが確認できて安心した。限られた資源を有効に活用する上で、今の世代が造りすぎてしまい、次の世代に負担をかけることを避ける配慮も重要だと思うので、こういった観点を持って、事業に取り組んでほしい。

 

 

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

委員会の県外視察でいろいろな施設に行く。その施設で質疑応答を行い、その情報をもとに県民の負託に応えるため委員会で発言をする。理事者の皆さんは県内視察には同行するが、県外視察には同行しない。県外視察には議会事務局職員が同行し、資料、視察の内容、委員の発言をまとめているので、今後はそれを収集して把握してほしい。

 

あいち健康プラザの施設は、愛知県が県民の健康づくりの殿堂として、約300億円の巨費を投じて造ったものである。平成10年に全館オープンしたもので、栄の芸術文化センターと並んで、財政力が良かったころの愛知県の象徴的な施設であった。あいち健康プラザは、高いガラスの天井を持つアトリウムを有し、高い評価を得ている建物であるが、久しぶりに見学した際、玄関周りからアトリウム周りの壁面が、かつてはきれいなダークブラウンであったのが、相当黒ずんで、しみだらけであった。

 

汚れではなくても、こけ類、カビ類、菌類が表面に出てきたものではないかと思う。視察した時は、学会の全国大会が行われており、その参加者も、建物の中に噴水施設や小川が流れる豪華なものを造るから、かびが発生していると言っていた。確かに当たり前であると感じただが、せっかく美しい県有施設であるので、それは黒ずみかしみであるのか。またそういうものなら除去する必要があるが、分析するようお願いしていたので説明してほしい。

 

 

 

 

【健康対策課主幹(健康長寿あいち推進):答弁】

あいち健康プラザのアトリウム周りの壁面の黒ずみは、一見すると汚れかかびのように見えるが、調査を行った結果、汚れやかびといったものではない。その調査によると、壁面の材質はオーストラリア産の砂岩であり、そこに含まれるマンガンが空気中の酸素と結合し、酸化マンガンとなって黒色したものであり、いわゆる経年変化によるものである。しかしながら、汚れと思う利用者もいると思うので、館内の数か所に説明プレートを表示するなど、来館された皆さんが気持ちよく施設を利用できるよう努めたい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

菌類やこけ、かびではなく、また、誤解されることのないよう、きちんと壁面に明示をして、今後、全国大会など医療関係者が来ても一目にして、しみではなくて素晴らしい作品だ理解できるようにするという認識でいいか。

 

 

 

 

【健康対策課主幹(健康長寿あいち推進):答弁】

誤解が生じないようプレートを表示する。

 

 

 

 

 

 

 

〜“コロニー中央病院について”〜

 

【筒井タカヤ:質問】

関係各所でいろいろ討議を重ねて、また懸命な努力もされて、コロニー中央病院から脳神経外科が不在になることへの対応が本格的に開始されたようで、うれしく思う。懸案であった、既に成長し小児ではない障害を抱えた患者の扱いに関しても、その受け入れについて、小児センターの了承を得ているということも含めた内容が、患者とその家族に徐々に伝えられつつあることが分かってきた。これまでどおり、担当の主治医本人による診療が受けられるのであれば、少し遠いが大府市にある小児センターまで通院することもいとわないという意見も耳にするので、ぜひともこの期待を裏切らないようにしてほしい。

コロニーでは、脳神経外科が不在となる中で、これまでコロニーの脳神経外科を受診されてきた患者さんへの対応を具体的にどうするのか。

 

 

 

 

【障害福祉課主幹(地域移行推進・コロニー):答弁】

今年度途中からコロニー中央病院の脳神経外科の医師が移動する動きが出てきて、医師不足の中、補充のめどが立たないことから、4月より常勤の医師が不在となる。このため、患者さんへの影響をできる限り小さくするため、移動する医師本人や移動先などとの調整を進めてきた。その結果、外来の患者さんについて、移動先への転院を希望される人は移動先で受け入れてもらえることとなった。

また、コロニー中央病院でも受診することが可能となるよう、移動する医師に引き続き非常勤として外来診療を行ってもらうことになっている。手術が必要な入院患者さんは、移動先において移動する医師を中心に対応してもらうこととした。これらの対応は成人も含めてのものなので、患者さんへの伝達も既に始めており、理解をいただいているところである。引き続きコロニー中央病院の脳神経外科の患者さんへの影響を最小限にとどめるよう万全を期していく。

 

 

 

 

【筒井タカヤ:質問】

小児センターで始まる脳神経外科の治療が、今後もコロニーにおいて担ってきた機能を維持するとともに、ソフト面でもハード面においても現行機能が損なわれることがないよう努めてほしい。

コロニーという施設が現在岐路に立っていることは明らかである。障害者自立支援法に基づいた集約化から地域生活への移行の流れの中、対応が求められることもあると思う。その際、一番大切なことは、どのような患者がコロニーに残るべきであるか、また、どのような患者が他の医療機関に委ねられていくべきかについての十分な議論であると思う。

 

これには実際に医療を担っている医療従事者と、患者とその家族の意見が十分に考慮された上での議論がされないといけない。この点が欠けていたから、コロニーにおける混乱が生じた事案となった。もちろん今の所は表立った混乱があったわけではないので、県が万事滞りなく行ったように表現すれば、何の混迷もなかったように見えてしまうが、実際にはさまざまな困惑の声が聞こえてきた。

 

そのような事態を無視すると、実際に大きな問題に発展しうることは、県にとって周知の事実と考える。本年度に本格稼動が予定され、報道までしていたコロニーの周産期部門が十分機能していないことは県もよく知っていると思う。現場の声を集約すれば、産科の医師不足が深刻な中で、元々、かなり無理のある計画ではなかったかと聞く。これは私が実際に現場に出向いて数多くの職員から聞いた率直な声である。こうした現場の混乱は、県の計画と医療現場との想いがかい離していたことが何より大きな原因であると思う。率直に反省すべき課題があったことを真しに受け止め、所見を伺う。

 

 

 

 

【障害福祉課主幹(地域移行推進・コロニー):答弁】

コロニーは、施設福祉から地域福祉への流れを受け、平成19年3月に策定したコロニー再編計画において、障害のある人の地域生活を広域的、総合的に支援する拠点となる、仮称ではあるが、愛知県療育医療総合センターへ転換することとしている。

センターを構成する医療支援部門、地域療育支援部門、研究部門の3つの部門のうち、医療支援部門は、障害の早期発見・早期治療及び地域医療の充実の観点から、周産期医療を始めとする4つの分野について重点化することとし、具体化を進めてきたところである。この具体化の一つとして、周産期医療は、従来の新生児搬送に加えて、新生児の救命率の向上と障害の早期治療のため、必要に応じて母体搬送も可能となるよう、現場の意見も含めたさまざまな意見を組織的に集約した上で、平成20年度において、常勤の産科医師1名を確保し、分べん室等の整備を行ったところである。

しかしながら現状は、常勤産科医師が退職し、また、深刻な産科の医師不足の中、補充のめどが立たないことから、非常勤で対応しているところである。このため、当初の計画どおりの運用になっておらず、大変残念に思っている。

 

 

 

 

 

【筒井タカヤ】

医療現場の想いを反映しない計画の推進は、医療従事者の士気を低下させ、深刻な医師不足も相まって、医師の予期せぬ離職を招き、計画実行に深刻な問題を生じるわけである。今一度こうした点について、責任者は十分に心して、行政の運営に努めてほしい。