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平成22年5月に、新手「寝たきりアパート」。訪問看護で不正請求か。医師が「指示書」乱発という記事が掲載されました。

 

 

○ その内容は、口から食事を摂れない“経管栄養”の要介護者のみを限定(対象)に入居者を募り、アパート形式で「寝たきり専用賃貸住宅」が急増しているというものです。

  そもそも、アパート形式でこのような寝たきり専用住宅とした根本的な理由は、医療・福祉を担当する自治体の監督・指導を免れるものであることはもはや明白です。

 

 

○ この寝たきり専用賃貸住宅の入居者にかかる一人の費用は、毎月平均(約百万円)とのことです。

  その費用の月百万円の80%以上が介護保険と医療保険でもって賄われ、訪問看護の医療保険が不正請求されている疑いがある、という内容であります。

 

 

○ この春、私の地元(名古屋市名東区)にもこの寝たきり専用住宅(経管栄養の人のみを限定)が出現しました。

 私自身が県庁に出向く道沿いの場所であるだけに、建物の建築着工から完成に至るまでの詳細な経過を毎日見ていたこともあり、承知しています。

 

 

○ 建物の構造から見ると、どう見ても資材倉庫としか考えられない造りです。

 

 

○ 一般のアパート建物ならば必ず一室ごとにある大きな窓やベランダもなく、2階からは消防用の避難階段が造られている構造です。窓と思われる場所には開閉が出来ない小さな採光用のものしかないことを見ても、倉庫そのものといっても過言ではない建物です。

 

 

○ それが、ある日に「けやきハイツ」との看板が入口付近に取り付けられ、これが一般のアパート建築物であることを知りました。

  それにしても、11台分の駐車場が確保されているのに、いつも車は1台か2台しか駐車されることもなく、実におかしな理解不能なアパートが出現したと疑問に思っていました。

 

 

○ 地元の住民からは、アパートなのに...町内会の自治会費をお願いに行ったら拒否された。災害用に必要な調査を求めに行ったが、氏名・男女別・年齢・家族世帯の情報提供も、アパート入口の1階管理人のような人に拒否されたという話が聞こえてまいりました。

 

 

○ ひょっとすると新聞報道に見られた寝たきり専用アパートかもしれないと、現場に出向いて調査しました。そして、まさに疑惑の建物が出現したことを初めて知りました。

 

 

○ 先ず、詳しい情報を得ることが必要だと考え、名古屋市名東区役所の福祉担当責任者に連絡をしたところ、寝たきり専用住宅の出現したことをまったく承知していませんでした。

 

 

○ 調査に出向くと、1階で外部からの侵入者の出入をチェックして、あらかじめ定められている看護・介護を担当する業者及び寝たきり経管栄養を受けている患者とも思える入居者の家族以外は、一切立入り禁止と拒否されました。

 

 

 インターネットの情報によれば、1階には寝たきり入居者用の療養介護用の特殊な機械による入浴施設があります。

 

 

○ 通常のアパートに見られるような、(ガス・水道)台所もなければトイレもない、単なる空き部屋に別途料金を支払う専用ベッドが置かれているだけのものです。これが、4050室用意されています。

 

 

○ 看護師・介護士が各室に業務として訪問する為の控え室がありました。

 

 

 ここで思うのは、建物の外部に突き出た非常用の避難階段は、一体、何のために作られているのかと思うと悲しさすら覚えます。

 普通のアパートにあるべランダもなく、避難階段を見ても、一旦火事でも起きたら避難誘導は誰がするのでしょうか?

 尊い人の命を預ける施設としては適切な建物だとは思えません。

 

 

(そこでお尋ね致します。)

 

 

民間の一般のアパートとして造られた施設ですから、県は何も言えないと思われますが、入居者が負担する費用については、新聞報道にありますように、通常であればご本人が負担すべきところを、医療保険の訪問看護を適用して賄うといったことであれば、これはいささか問題があると思っています。

 

 

今後、こういう施設が増えても困ると思っていますが、医療サービスが必要な方には、適切に医療保険を適用し、対応していく必要があると考えますが、所見を求めます。

 

 

(答弁要旨)

 

 訪問看護で不正請求の記事についてのご質問であります。

 

 委員ご指摘の新聞記事につきましては、県としても承知しておりますが、訪問看護で医師が発行する「特別指示書」は、患者の様態の急変等の場合に発行するものとされており、これにより、医療保険が適用され、診療報酬が支払われることになります。今回、この「特別指示書」が、医療保険の適用を受けるために、定期的な発行がされていたとすれば、診療報酬の算定上疑義があるものと思っております。

 

 

 こういう施設は、県への届出義務が無く、実態の把握が難しいところがありますが、寄せられた情報については、医療保険での対応が適切であったのかどうかなど、実態をしっかり把握する必要がありまして、県としましては、国の機関と連携の上対応してまいりたいと考えております。

 

 

 

(要望事項)

 

 この件について、一言、要望をしておきたい。

 高齢者の方の介護については、県民の皆さんの関心も大変高く、県民生活プラザなどへも相談があると思います。

 

 特に、今回のケースのような問題が起きないようにするためには、費用についても、医療保険や介護保険の適用がある内容と、そうでない自己負担が出る内容とがあることをきちんと説明する必要があると思います。

 

 最後に、こういった内容について、県民生活プラザから連絡があった場合には、適切に対応していただきたいと思いますが、如何でしょうか。

 

 

(答弁要旨)

 

県民生活プラザとは日頃から連携を図っておりますが、医療保険や介護保険などの費用負担についての連絡があれば、関係課で十分に説明を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。