○がんセンター中央病院におけるがん専門薬剤師について

 

(質 問)

 

 がんセンター中央病院の新しい外来化学療法センターについては、昨年度、建物の基本設計を行い、今年度には実施設計を実施し、来年度着工し、平成24年度中のオープンを目指していると聞いております。

 この新しい外来化学療法センターについては、大幅な増床を行い、現行の治療ベッド30床を60床にすることから、当然、抗がん剤のミキシング業務が更に増加することが予想されますので、薬剤師の増員が必要だと考えております。

 

 この薬剤師についてですが、現在、がんセンター中央病院には、がん薬物療法を専門とする、がん専門薬剤師が1人しかいないと聞いておりますが、今後、がんセンター中央病院が、外来化学療法に力を注いでいくためには、ハードの整備だけでなく、ソフトについても整備していく必要があると考えます。

 このため、新しい外来化学療法センターに対応するためにも、現状の1人では不十分であると考えられることから、複数のがん専門薬剤師の配置が必須だと考えますが、この点について病院事業庁の考えをお伺いしたい。

 

 

(回 答)管理課主幹

 

 がんセンター中央病院において、がん専門薬剤師を育成し、増やしていく必要があるのではないかというお尋ねです。

 

 がん専門薬剤師は、がん領域における薬物療法等についての高度な知識と技術を用いて、医療機関において質の高いがん薬物療法を実践する者の認定資格であります。

 今後も増加していく外来化学療法の需要に対応するためには、がん専門薬剤師を複数配置することも必要だと認識しております。

 

 がんセンター中央病院においては、がん専門薬剤師が増えるように、職員にがん専門薬剤師の認定資格を取得するよう働きかけているところです。

 しかし、受験資格要件も厳しく、試験も難しいため、短期間で複数の有資格者を確保することは難しい状況ですが、病院事業庁としましては、今後とも認定資格取得のために、積極的にサポートしていくこととしております。

 

 

 

(質 問)

 

 昨年度の当委員会の視察で南東北病院へ行きましたが、そこの放射線部門の責任者は、かつて、がんセンター中央病院で放射線部門の責任者を務めていた医師でありました。素晴らしい待遇で迎え入れられたようで、権限もあり給与もいいようであります。このように、優秀な人物ほど、他の病院などにスカウトされやすいのです。

 

 たった一人しかいない、がん専門薬剤師もスカウトされたり、事故や病気になったりしたらと思うと心配です。どうやって養成していくのかを真剣に考えていただきたい。人材を確保するには、給与面も含めた待遇面の改善も必要です。外来化学療法センターオープン時には、複数のがん専門薬剤師が確保できるようにしていただきたい。このことについて庁長の考えはどうかお尋ねします。

 

 

(回 答)病院事業庁長

 

 薬剤師の数を確保するのが大変で、ギリギリの人員で頑張っている実態があり、ようやく薬剤師だけで抗がん剤のミキシングができるようになった。採用の募集をしても、給与など待遇面の問題があって、なかなか応募がない。民間の薬局等の給与体系の方が良いので、公立の病院では十分な薬剤師を確保することが難しい。委員ご指摘の点は本当に大切なことであるので、今後も人材確保とレベルアップに努めてまいりたい。