発言通告に従って質問してまいります。

 私は

 今...私共、自由民主党県会議員団が愛知県議会における最大の野党の立場にあることを認識し、以下率直に大村知事に質問してまいります。

 

 尚、質問に際しては、事前の内容の打合せのない「ガチンコ質問」です。

 大村知事におかれてはその内容を詳細にメモされてのしっかりとした回答をお願いしておきます。

地域政党である日本一愛知の会を率いる大村秀章新知事に、県政の運営とその進め方について率直にお尋ねします。

 

 私たち自民党に所属する議員は、神田前知事の「四選」出馬辞退の表明を受け、ただちに新知事の候補者選考を始めました。その過程で、色々と開かれた議論と協議を重ねました。その自民党県連における協議の場に、当時衆議院議員であった大村秀章氏の秘書も平然と何食わぬ顔で参加されておられました。もし、この時あなたが秘書を通じて、否、ご本人のあなた自身が知事に立候補の意思あり、と表明すれば良かったのに、なぜその機会があったのにもかかわらず黙り込んでおられたのですか。

 

 長年にわたり自由民主党の党員としてお互いに県政・国政に共に取り組んで来た者の1人として、大村秀章氏が新しい愛知県政を築くためにここを改善して行きたいという熱い想いを仲間に伝え、これまでの同志としてそれに共感するものがあれば、皆さんが支援することにやぶさかではなかったはずです。

(この想いは、議場におられる自民党県議員のほぼ全員の人が思っておられる率直な気持ちです。)

 

 しかし、河村名古屋市長とはすでに密約が出来た上で劇的な効果を考えられてのもので、まるで今NHKで放送中の大河ドラマ「お江」でも登場する明智光秀同様の自民党への裏切りでした。こうまでして演技・演出されなければいけなかったのか、未だに私には理解が出来ません。

 もっと堂々と、長年お世話になった自民党と離れることが出来なかったのでしょうか?

 

 

(本論に入ります...。)

 

 私たち議員の多くは、なぜ今、政治家・大村秀章氏が突然に県民税の10パーセント減税を主張するようになったのかが未だに分かりません。当時の自民党県連会長時代の大村秀章氏から、一度たりとも愛知県は10パーセントの県民税の削減を考えて、これからは県政に取り組んでいただきたいという話は、誰一人として聞いてはおりません。また、あなたの国会議員時代においても、大村秀章氏が10パーセントの国税の減税を主張したという国会議事録はどこにも見当たりません。

 

そこで、お尋ねします。大村秀章さんはいつから10パーセント県民税の減税論者になったのですか。(大村知事の所見を求めます。)

 

次に、あなたは、前回行われた衆議院議員選挙の時、民主党のマニフェストは予算の裏付けがないばら撒き公約で、高速道路料金の無料化・ガソリン税の廃止・子供手当等は大衆に媚びるものだと断言した自民党衆議院議員選挙立候補者の一人でありました。

 

今、その民主党マニフェストが破綻し、民主党政権(菅内閣)は支持率急落です。今では、日本の国民の多くが超少子高齢化社会の現状を理解するようになりました。この2月11日と2月12日の共同通信社の世論調査でも明らかのように、安定した「医療・福祉」社会を築くには消費税の引き上げもやむを得ないとの考え方が確立してきています。

 

さらに、愛知県の産業構造を考えた時、国に円高対策の決め手がない中では、地方の県市が県市民税の10パーセント減税をしたところで、ほとんど効果もないことは明らかです。大村知事は国が円高に対して無策の中でも県民税の10パーセント減税が愛知県では景気対策になるとする根拠を述べてください。はっきりとした見通しや裏付けもない説明をいつも通り県議会の代表質問に答弁したような早口でまくしたてるのではなく、私たち及び県民がもっと納得できるようなかくかくしかじかの理由でこれ程10%の県民税減税による効果があると、丁寧にご説明ください。 

(知事の所見を求めます。)

 

 

又、222日に与謝野馨経済財政担当大臣は記者会見で減税を旗印に地域政党「減税日本」を率いる河村たかし市長に対して、減税日本なんて言ってはしゃいでいるよりは、巨額の市の地方債残高を減らすことに使うべきだと批判されました。

 

それは、そっくりそのまま、日本一愛知の会を率いる大村知事への言葉です。先ずは次世代を見つめて施策として県債残高を減らす、というこの考え方に私は共鳴する一人です。

(大村知事は与謝野大臣の見解をどのように考えますか?)

(大村知事の所見を求めます。)

 

私も納得できる話であれば、大村知事の支持者の一人として加わることもやぶさかではない謙虚な心は持っています。

しかし、今の私には大村さんは、知事選挙に出馬し勝つ為には河村たかし名古屋市長の支援を求める交換条件で、急に選挙向けで10%県民税の減税を言い出したとしか理解が出来ません。現在の私の気持ちを正直に端的に表明するなら、大ボラ吹きの大衆迎合主義、ご都合主義の変節者、大村秀章だと本当に思っています。あくまでも、これは私個人の感想です。

 

大村知事が提唱される中京都構想は、大阪の橋下知事の大阪都構想の「愛知版」コピーのようで、大村知事の詳細な説明もないこともあり、ほとんどの県民が理解出来ていないのが事実です。

 中京都構想への理想を求めて片山総務大臣にお会いになるのに、マスコミを引き連れて東京に出向きテレビカメラに向かって派手にパフォーマンスをされておられましたが、その前に先ずやらなければいけないことがあります。

 

すぐお隣の、岐阜・三重・静岡県は地形的位置からも、愛知県はこれまで運命共同体として水利用・港湾・防災・道路等々長年に渡って色々と協議を重ね交流してまいりました。

それだけに、これら岐阜・三重・静岡県に出向いて、中京都構想の中身をじっくりとお話され、理解を求めることの方が最重要ですよ。知事に就任なさって以来これら3県に出向いて、知事・議会・経済界の方々と意見交換を何回なされましたか。

(あったとしたら何回ですか。)

 

 

又、相手側の反応はどのようなものであったか述べてください!          

(大村知事の答弁を求めます。)

 

次に、大村知事の道州制についてのお考えをお尋ね致します。

あなたも自民党所属の国会議員として長く取り組まれました。 国会では、日本の地方自治の分権を推し進める必要があると次の世代を見据えた議論をされ、その一つとして道州制による地方自治の再編成が最善なものではないかと評されて、当時の自公政権下において政府が後援のもと日本の各地で道州制への公聴会・講演会が開催され議論が真剣になされました。

あなたも十分にご承知のはずです。

 

大村さんは自民党国会議員当時に、自分は道州制に異論があり、これからは東京都のような、「都政を参考」にした行政を推し進めるような手法である中京都構想を述べられたことは一度としてありませんでした。大村さんの国会議員としての活動の中には明確に中京都構想は全くなかったのです。

道州制はダメで、中京都構想でなければいけないという理由を述べてください。

 

更に、現在、愛知県議会には地方分権・道州制調査特別委員会があり活動してまいりました。

今後は、議会と中京都構想を理解する為に要請するなどして、何らか議会側にも大村知事が提唱する中京都構想を検証する特別委員会等の設立を求めるような謙虚な姿勢はありますか?

 

今の大村知事の姿勢はご自身がお気に入りの人を選んだ中京都独立戦略会議なる人物だけの意見を集約して、その後に議会側に提示、即ち突きつける手法としか思えません。

大阪の橋下知事の人気に便乗して、知事選挙向けに思い付きで中京都構想を作り、強引に押し込もうとする姿勢だと、ここにおられる議員の皆さんの多くが思っておられるかと存じます。

(大村知事の所見を求めます。)

 

 

大村さんと河村さんが当選の折に、共同で出演されたテレビ番組でもって語っておられた光景を未だに忘れられません。テレビ記者の、中京都になったときはどなたが代表になるのですか、との質問に対し、勝利に酔いしれたヘラヘラ顔の河村さんは、大村さんに向かって、「1年おきにかわりばんこで代表になればいい、まずは先輩の自分がやる、その次は大村さんで・・・それでいいよな?」とたずねると、大村さんは卑屈にも思えるような顔で、「いいですよ。」と笑って答えておられました。

 

 ある記録映画が私の脳裏に浮かびました。ナチスドイツのヒトラー総統が、イタリアのムッソリーニと会談する光景と重なりました。もちろん、ここでのヒトラーは河村さん、子分のムッソリーニは大村さんです。今をときめく権力者の力によって押し上げられた人物の像があなた方と重なったのです。これは、あくまで私個人の想いです。

 

 この4月の県議員選挙に際して、今回の勝利を見てあなたのもとに擦り寄って推薦を求めに来ている議員及び立候補予定者もいると思います。しかし日本一愛知の会の勢いがなくなれば、すぐ平気で笑って離れる連中です。世の常、特に権力や勢いになびく節操のかけらもない即席ラーメン的な政治家願望の者はいつもこの世にはいっぱいいます。

 

政治家・大村秀章氏も十分ご存知のはずです。「中京都」を作るには、国の法律地方自治法が変わらなければ、大村知事の夢は実現できないばかりか、近未来的に見れば適当な大ボラ御題目を並べた人が、知事になったこともあったという昔話で終わります。

 

 

 ここで大村知事に、率直に提言します。

 

 

今回の全ての県議会選挙区で日本一愛知の会公認候補者を擁立すべきです。河村市長の減税日本は、このたびの名古屋市会議員選挙に際し既存の政党の公認・推薦を受けたるものは、きっぱりと拒否しています。もし、あなた自身に河村市長のような信念がおありなら是非そうしてください。

 また、もう1つ理解できないことがありますので率直にお尋ねいたします。まもなく始まる4月の愛知県議会議員選挙で、名古屋市内の全選挙区の内で、大村知事が率いる日本一愛知の会は公認立候補者は港区・南区の2区だけだと聞いておりますが、それは本当なのですか。

 

 名古屋市内は河村市長が率いる減税日本に港・南の2区を除いては譲るそうですが、河村さんが親分で、あなたが子分だから遠慮されるということでしょうか。

 大村知事が、自分は河村氏の子分じゃないと言っても、県民の多く、特に名古屋市民の多くは皆そう思っています。

 

 あなたが地域政党「日本一愛知の会」のリーダーなら、堂々と県会議員選挙については、減税日本の河村さんのグループは私が率いる日本一愛知の会に加わってくださいと言えないところに、河村市長に対する大村知事の卑屈さを覚えます。何故あなたが率いる日本一愛知の会は名古屋市内の全選挙区(16区)擁立が出来ないのですか?

 

 地元の新聞の記事では名古屋市名東区では、「減税日本」か「日本一愛知の会」で出馬するか迷っているとの内容でした。

 せめて、私の名古屋市名東区では堂々と大村さんが率いる日本一愛知の会の立候補者を擁立されるよう求めます。その人物は、自転車で走り回って、愛嬌を振りまき、手を振るだけの減税日本のようなまったく中味のない候補者でなく、まともに大村知事の主張を理解出来て、きちんと主張が出来るような人物を選んで候補者として送ってください。

(大村さんにきちんとした信念がおありならお答えください。)

 

 

次に議員定数と歳費削減について質問いたします。

大村さんは知事選挙に際し、自らが率いる日本一愛知の会のマニフェストに議員定数と歳費の削減を検討すると発表しておられます。実に、今の時勢に乗じたものを取り入れられたと率直に評価いたします。

大村秀章さんの知事選挙に際して作られたマニフェストをここに持っています。 明確な間違いがありますので、ご指摘します。

 

議会改革の第1に議会の定数・歳費の削減との記載があります。

ここで、大村秀章さんご自身はたぶん字句の間違いだと答弁なさるでしょうが、本質的な間違いに気付いておられないと思います。

 

歳費とは、国語辞典では、国会議員の給与と示されています。

私共の県会議員は歳費ではありません。平成201014日に報酬と明記されました。同じ様なものと言われるかも知れないが、歳費と報酬は決定的に違います。

 

報酬とは、広辞苑では、労働・骨折りや物品の使用の対価として給与される金銭・物品と示されています。

知事は給与です。県会議員は給与ではないのです。ですから、知事や市長の言うことを素直に聞かないから報酬を削減すると言うような発想であってはならないのです。

知事が県会議員の報酬を削減するなどと言うのは、今の県会議員は、他人のために何か仕事をしたことに対して受けるお礼のお金を削ると言うことになるのです。

 

あなたは、今の県会議員は他人(即ち)県民の為に仕事をしていないから削るのだと言っているのと同じ意味です。

 

そこでお尋ねいたします。

 

愛知県議会の議員は仕事をしていないから報酬を削減すると言っているのですか。

(大村知事の所見を求めます。)

 また、あなたは国会議員を長く勤めておられていましたが、我々自民党の県市会議員に対してあなた方は県民や市民の意向を考えて定数の削減をされるべきだとお話されたことは、これまで一度たりともありません。

 これまで、あなたは国会議員時代に国会議員の数が外国と比較して人数が多すぎるから削減しなさい、と国会で発言された記録は私が調べた限りではありません。ましてや、あなたは数が多すぎると国民から批判がある衆議院議員選挙でも落選され、自民党の比例枠で復活して衆議院になられた人です。

 

はっきり申し上げて、あなたにだけは県会議員の数が多いなどとは言われたくはありませんでした。私が思うに、あなたにはそのようなことを言う資格はないと思います。

(これは、私個人の思いです。)

 

この度の知事選挙の結果は県民の民意です。

これまで県会議員の定数削減に余り積極的ではなかった民主党県議員団も公明党県議員団も20名の県会議員の定数削減を突然に表明されました。

 

県会議員選挙向けのパフォーマンスとは言え、あまりの変わり身の早さに驚きを隠せません。特に民主党は国会議員の定数削減を政権公約マニフェストに具体的な数を示しておきながら政権を獲っても国会議員削減の法案も提出もしていません。

 

実に、いざ実行するとなると自分達が約束したことですら守れないのです。真面目に県議会の議員定数削減の問題を提起なさるならば、大村知事におかれましても、きちんと第三者機関に県会議員定数の問題の検討を求められ、真に県民の声が反映された中で議員定数をお決めになるのが賢明な方法だと考えますが、いかがでしょうか。    (大村知事の答弁を求めます。)

 

 

 次に

大村さんは国会議員時代の平成22115日付の愛知県公報に大村秀章氏の政治資金規正法に基づく届出が出されています。そこには、前年繰越額を除く平成21年の収入額は126113211円と記されています。

内訳によれば、寄附金93629000円の内、個人分はわずか902000円だけで収入額の約0.7%です。国民の税金による自民党本部または支部から交付金は3030万円でした。

 

これとは別に、大村さんが自民党の国会議員であった時ですら、国会で議員の歳費削減に付いて削減すべきだと話された記録など、私が調査した限りではどこにもありません。それどころか、大村秀章さんは政治活動をするためのお金が足らない、お金が足らないと言って毎年大きなホテルで政治資金集めのパーティーを開く大天才でした。

 

そのあなたが、知事選に立候補するとなると、これまで歩んできた道をすっかり忘れ、突然に変身して県会議員の歳費を削減せよと何食わぬ顔で言われる。県議会の議員定数の削減と同様に、私はあなたには県会議員の報酬削減を言う資格などまったく無いと思っています。もともと河村さんは名古屋市の旗が丸八だから800万円と決めた経緯があります。 実に...情けない。

 

およそ、まともな議論もないままで議員報酬を決定すべきではないというのが私の率直な感想です。

ところで、大村さんは知事に就任された後も、企業献金や資金集めのパーティーを続けられるおつもりか...率直にお尋ねします。

(大村知事の答弁を求めます。)

 

 つまり、私が申し上げたいのは、県民が求める愛知県知事はもっと毅然とした品格が必要であるということをお話申し上げているのです。

 

 

最後に、大村知事に私から一つだけお礼を申し上げます。

 

それは、あなたが自民党愛知県連会長であった時は、自民党はいつも民主党に選挙で負け続けていましたが、今回、初めてあなたのお力もあって、自民党はおかげさまで久しぶりに民主党に勝つことができました。大村秀章さん、心からありがとうを申し上げて、私の質問を終わります。