547yBZ平成25年(2月議会)健康福祉常任委員会

                       (H25.3.14)質問  筒井 タカヤ

 

がんセンター中央病院の外来駐車場について

 

(質問)筒井 タカヤ議員

 がんセンター中央病院では、外来化学療法センター棟が、この夏にオープンを迎えます。 治療ベッドが30床から60床に倍増され、診療時間を延長して対応し、患者さんに迷惑をかけていた状況が改善されます。

しかし、これ以外にも患者への迷惑の点で改善が望まれることがあります。

がんセンターの患者さんには、通院に車を利用される方が多数いらっしゃいます。 ところが、駐車場がいっぱいで、なかなか駐車できない場面を目にしたことがあります。  

また、外来化学療法センター棟がオープンしますと、患者さんが増え、駐車場を増やす必要があると思います。

 

 そこで伺います。  

 

現在、中央病院には、何台分、患者さんの駐車場があるのでしょうか。

 また、増加する患者さんのため、駐車場を増やすことはできないのでしょうか。 例えば、病院内には職員用の駐車スペースもありますが、これを、患者さん用に転用することも一つの方法と思います。

今後の外来駐車場の確保について、どうお考えかお伺いします。

 

 

(答弁)県病院事業庁

 

 現在、がんセンター中央病院の外来者の駐車場確保台数は365台です。

1日あたりの患者数は約600人であり、すべての外来患者さんが自家用車での来院ではありませんが、月に4日から8日程度、午前中を中心に一時的に駐車場が満車となりますので、安全を確認の上、研究所の前などの空きスペース等に駐車をお願いしている状況です。

 

 現在、外来化学療法センターの拡充整備を行っており、今後、患者数の増加も見込まれますし、経営改善を進める中で患者のさらなる確保が必要ですので、駐車場の増加が今後必要になるのではないかと思われますが、限られた敷地内での駐車場の確保はなかなか難しい状況でもありますので、いろいろな手法での確保策を今後研究してまいりたいと考えております。

 

尚、職員用駐車場の外来者用への転用につきましては、職員の自家用車通勤を極力抑えるために制限を設けて許可しておりますが、それでも不足しているため、城山病院等に駐車しており、現在のところは職員用の削減も厳しい状況でございますので、ご理解よろしくお願いします。

 

 

(質問)筒井 タカヤ議員

 

 がんセンターの敷地内にあるPET-CT検査診療所に関してお尋ねします。

がんセンターへ伺うたびに、この検査診療所の建物が身に入るわけですが、せっかく県がPET-CTを有効活用するために土地を貸し付け、誘致した施設であるのでも関わらず、看板などの広告が少なく、何をやっている施設であるのか、外側からは分かりにいと感じます。

 

直接、県とは関係ないとは思いますが、ここで、がんの早期発見・再発診断に優れた機能を発揮するPET−CTの検査をやってますよ、ということをもっとPRしていくべきではないかと思います。

 そこで、お伺いします。

PET-CTを整備した検査診療所が、貸し付けを受けている敷地の中で、屋外広告を増やそうとした場合、敷地を貸し付けている病院事業庁として、何か制限をするようなものがあるのでしょうか。

 

 

(答弁)県病院事業庁

 

 事業用借地の賃貸契約では、PET-CT検査診療所の用途に供する建物あるいは構造物以外のものの建築を禁ずるとともに、土地の適正な使用に関する規定を設け、騒音、振動などによって近隣に迷惑となるような行為を行わないこと、関係法規、関係条例を尊守することを求めております。

 

また、整備運営業者の選定に当たってお示しした募集要項では、整備の際は、周辺建物との景観上の調和に配慮したものとするようにも求めております。

 このようなことから、お尋ねの県が貸し付けている土地での当該PET-CT検査診療所の屋外広告につきましては、用途制限に触れず、医療法など関係法規等の規定を満たした上で、周辺建物との景観上の調和に配慮し、近隣への迷惑とならない範囲であれば、可能であると考えております。

 

 

県立病院における電子カルテの導入について

 

 

(質問)筒井 タカヤ議員

 

 次に、県立病院における電子カルテの導入についてお伺いします。

 最近は、病院やクリニックで診察を受ける際に、医師が紙のカルテに手書きで書きこんでいる姿を見ることが少なくなってきたように思う。

電子カルテの導入は、年々進んできているようである。

 

 電子カルテは、複数の診療科での投薬の重複や転記ミスによる誤った投薬もチェックすることができるなど、より安全な医療の提供が図られるほか、患者情報などの情報検索の省力化や情報の共有化が図られるなど多くのメリットがあると考えられている。

 

 そこで、私は、以前から、県立病院にも早く電子カルテを導入するようお願いをしてきたところであるが、多額の費用が必要となることから、これまで、なかなか良い返事がいただけなかった。

がんセンター中央病院は、都道府県がん診療拠点病院として、本県のがん診療の中心となる病院であり、病床も500床あるが、その中央病院においても未だ電子カルテの導入がされていない。

 

 他の都道府県立のがんセンターをみれば、そのほとんどが電子カルテを導入済みであり、また、県内の500床以上の公立病院でも、9割以上の病院が電子カルテを導入していると聞いているが、がんセンター中央病院には、いつごろ電子カルテを導入するつもりなのか。

 

 

(答弁)病院事業庁

 

 がんセンター中央病院の電子カルテの導入についてお答えします。

 電子カルテにつきましては、導入している病院も徐々に増えてきており、現場からの導入要望も大きな声となっていることも承知しており、できれば早期に整備してまいりたいとは考えております。

 平成21年度に、がんセンター中央病院、愛知病院、小児センターの3病院において、オーダリングシステムを更新いたしました際には、院内のLANシステムの改修も行い、将来の電子カルテ導入にも耐えられる規格のものにしておりますが、電子カルテに必要な機器やシステムを一時期に全病院に導入すると税制負担が非常に大きくなります。

 

 そこで、まずは、がんセンター中央病院において、25年4月から本格的に導入することとし、今年度はその準備を進めてまいりまして、この1月から試行的にシステムを稼働しております。

 なお、電子カルテ導入の費用としましては、1億3千万円余を25年度当初予算においてお願いしております。

 

 

(質問)筒井 タカヤ議員

 

 がんセンター中央病院において、来年度から電子カルテが導入される予定であると聞いて安心した。

ぜひとも、しっかりとしたシステムを導入していただきたい。

では、今後、改築が予定されている愛知病院及び城山病院や小児センターなど他の県立病院への導入はどう考えているのか。

 

 

(答弁)県病院事業庁

 

 他の県立病院への電子カルテの導入についてお答えします。

委員からのご質問の中にもありましたとおり、電子カルテ導入には多額な費用が必要となることから、収支の状況などを勘案しながら検討を進めることが必要であると考えております。

 したがいまして、がんセンター中央病院での電子カルテ稼働状況を踏まえながら、来年度以降の各県立病院の収支状況を十分に勘案したうえで改築や増築が予定されております。

 

城山病院と小児センターにつきましては、工事が完了しオープンする時期、また、愛知病院につきましては、例えば、現在のオーダリングシステムの契約の満了時期である27年度をひとつの目安として、電子カルテの導入を検討してまいりたいと考えております。

 

 

(要望)筒井 タカヤ

 

 経営という観点からすると、多額の費用が必要となる電子カルテの導入は、簡単なことではないということは理解している。

しかし、良質な医療を提供する為には、経営のことばかり言っていないで、機器やシステムの整備のために計画的に投資を行っていく必要がある。

 是非とも、そのような取り組みの中で、全ての県立病院に電子カルテを導入することを実現してもらいたい。

 

 

(質問 1)筒井 タカヤ議員

 

二次医療圏と基準病床数について、お尋ねします。

名古屋市内の病院では、老朽化が進んで対応に困っているところが幾つかあります。

 

 中には、周辺に空いている土地がないため、病院を建て替えることが出来ず、古くなった病室で、入院している患者さんがとても居心地の悪い思いをされているという話も聞きます。

 医療においては、通院による医療を一次医療、入院によるものを二次医療と位置づけているとの事ですが、私は、これまで二次医療を担ってきたこのような病院が、今後さらに古くなって、経営が立ち行かなくなり、病院そのものがなくなってしまうことを、とても心配しております。

 

  そこで、こうした病院は、必ずしも名古屋市内での移転にこだわるのではなく、隣接する市や町に目を向けると良いのではないかと考えます。  例えば、私の住んでいる名古屋市名東区は長久手市と隣接しております。

 

 先日の本会議でも質問いたしましたが、長久手市のリニモ沿線を開発して、そこに名古屋市内から二次医療を支える中堅の老朽化した医療機関を呼び寄せ、集中させることも一つの有力なアイデアではないかと私は思います。

 

 古くなった名古屋市内の病院が、近い場所にある市、例えば長久手市へまとまって移転する。

 これは、別に新しく病院が増えるわけではなく、場所がすぐ隣接地に移るだけのことです。

 

 そして、新しい施設と設備で充実した医療を提供できれば、医療を受けられる患者さんにとっては、非常に望ましいことであります。

 素人考えかもしれませんが、医療の再生にもつながる大変すばらしいプランではないでしょうか。

 

 ただし、老朽化した病院は経営的に苦しく、新たな土地を買うことは難しいので、リニモ沿線の土地を安い金額で賃貸することが前提条件となりますが、それ以前に大きな問題となりますのが、二次医療圏と病床に関する規制の問題であります。

 

二次医療圏は、県の策定する医療計画の中で、名古屋医療圏を始め、12の医療圏が定められており。先ほど触れた長久手市は名古屋医療圏とは異なる尾張東部医療圏に位置づけられております。

 また、医療計画では、二次医療圏ごとの「基準病床数」というものが定められており、尾張東部医療圏の基準病床数は3558床と定められております。

 

 それに対し、この医療圏に今ある病床数、いわゆる既存病床数は4541床となっており、既存病床数の方が基準病床数よりも多くなっています。

 既存病床数が基準病床数を上回っている医療圏では、もはやベッドを増やすことはできないと聞いており、そうなりますと、長久手市への病院移転も、現在の制度上ではできないということになります。

 そもそも、この二次医療圏と基準病床数というのは、一体何のために設けられているものなのか、その点をまず、お尋ねします。

 

 

(答弁 1)

 

二次医療圏と基準病床数に関するお尋ねですが、まず、二次医療圏につきましては、地理的な条件や交通事情、患者の受療動向などを考慮して、一次医療である通院医療から二次医療である入院医療までを包括的に提供することが相当な区域のことであり、これを単位として、医療提供体制の確保を図ることとされております。

 

 また、基準病床数につきましては、入院が必要な医療の需要を踏まえ、患者の身近な医療圏という単位で医療が完結するように、国が示した全国統一の算定式に基づいて算出した病床数であります。

 委員ご指摘のとおり、この基準病床数を超えた病床の新規開設や増床は、原則として認められておりません。

 

 この基準病床数制度の目的は、病床の整備について、病床の過剰地域から非過剰地域へと誘導することを通じまして、病床の地域的な偏在を是正し、全国的に一定水準以上の医療を確保することにあるとされているところでございます。

 

 

(質問 2)筒井 タカヤ議員

 

二次医療圏の中で、病院が移転するとき、移転前と移転後でベッド数に変わりがないような場合には、たとえ既存病床数が基準病床数を上回っている医療圏であっても、病床規制に関する問題は生じないのか、お尋ねします。

 

 

(答弁 2)

 

同じ二次医療圏の中での病院の移転で、病床数が変わらないのであれば、特段の規制はありません。

 

 

(質問 3)筒井 タカヤ議員

 

 ただいまの答弁を踏まえますと、名古屋医療圏と尾張東部医療圏を合わせて一つの医療圏にしてしまえば、私が冒頭で申し上げた老朽化した病院の改築がスムーズに進んでいくと考えますが、両医療圏を一つにすることについての県の考え方をお尋ねします。

 

 

(答弁 3)

 

医療圏は、先ほど答弁申し上げましたとおり、救急医療や災害医療、

がん対策などの医療提供体制の確保を図っていく地域的な単位となっております。

 

患者さんの身近なところで地域医療を完結させる体制を構築していくという観点からいたしまして、名古屋医療圏と尾張東部医療圏の統合は、地域の医療体制に及ぼす影響が非常に大きく、また、本県の医療圏全体の再編成につながることにもなりかねません。

そのような大変課題の多い問題でありますことから、慎重に検討すべきであると考えております。

 

 

(質問 4)

 

先ほどの答弁では、医療圏の既存病床数が基準病床数を上回っていても、同じ医療圏の中で、病院が病床数を変えなければ移転は可能とのことでありました。

 私は、医療圏が異なっていても、名東区と長久手市のように隣接していて、生活圏もかなり重なっているような地域であれば、同じように病床の移転を特例的に認めても、全く支障は生じないのではないかと思いますが、県の考えをお伺いします。

 

 

(答弁 4)

 

委員ご指摘のご趣旨はよく理解できますが、制度上どこかで明確な線を引いて、病床数というものを理解していかなければなりません。

 それは、医療圏ということになりますことから、病床が過剰な医療圏におきましては、医療圏を超えた病床の移転は認められておりません。

 

 

(質問 5)

 

 それでは、私が冒頭で申し上げたアイデア、あくまでも仮定ですが、長久手市のリニモ沿線に二次医療を担う医療機関で老朽化した施設を集合、呼び寄せるために、長久手市にも上下水道等の公共施設を充実した上で、その土地を安い金額で賃貸するとした場合に、どれだけの二次医療施設が移転することを希望、内容によっては検討したいかを知るため、名古屋市内の二次医療を運営されている病院にアンケートをしていただきたいと思いますが、県の考えを伺います。

 

 

(答弁 5)

 

健康担当局では、医療機関の移転や開設につきまして、個々の医療機関からの申請等に基づき、審査を行っているところでございます。

 特定の地域への医療機関の移転や開設の可能性につきまして、地域開発を担当する部署や当時者の方々が市場調査のため、医療機関へのアンケートを行うことはあり得るかもしれませんが、これは、健康担当局の職責ではないと考えておりますので、ご理解願います。

 

 

(要望)

 

 本日、何点か質問をさせていただきましたが、健康担当局からは、二次医療圏を一つにすることや、病床数について医療圏を超えた特例的な措置を講じること、また、意向を把握するためのアンケートについても、なかなか難しいとのお答えでありました。

 

 しかしながら、老朽化した病院の改築を進めていくことは、病院を利用されている患者さんにとって、ありがたいことであり、地域の医療を守ることにもつながると私は考えています。

 今回は、要望に留めておきますが、地域医療をまもるためには、医療圏と基準病床のあり方について、もっと柔軟に考えるなど、これまでの規制にとらわれることなく、時には、大胆な発想を取り入れながら、地域医療確保の取り組みを進めていっていただきたいと思います。

 

 このままでは、名古屋市内の老朽化した二次医療施設は、更に更に老朽化するだけです。

 次の超高齢化の時代に対応が出来るように私たちは、今から真剣に取り組む必要があります。

 

 県としては、決められた現状の医療行政を守り、推進するのがお仕事であることは十分に承知しています。

 それを、次の時代を予見して変えていくのが政治であることを強調して要望を終えます。