平成25年:(六月県議会)

 健康福祉常任委員会の質疑(議事録)

                         県会議員 筒井 タカヤ

(主な質疑)

 

《一般質問》


 

【筒井タカヤ委員】

 ピアサポート活動について伺う。今や2人に1人ががんにかかるという時代になり、私たちの誰もががんを自分のこととして考える時代になった。私は、日頃からがん患者の支援活動を行っている方々と話をしているが、近年、最も感銘を受けているのが、がんにかかられた方自らが、支援者としてがん患者や家族の方の相談に親身になって乗っていることである。

 

 このピアサポートについては、これまで認知度は低かったが、昨年6月に閣議決定されたがん対策推進基本計画で、ピアサポートの推進が盛り込まれ、国の施策上、初めて位置づけがなされたことから、今後取組が広がっていくものと思っている。

 

 私がたびたび話をさせてもらうピアサポーターの中には、自らのがんによる死期が迫っていて、いつ亡くなられてもおかしくないのに、それでも日々活動を続けている方がいる。この方の生き方に私は強く心を打たれ、勇気づけられている。

 

 そこでお伺いする。このように心ある一部の方々により行われてきたピアサポート活動の普及に関して、県はこれまでどのような対応をしてきたのか伺う。また、こうしたピアサポートによる相談会が行われている病院を全て示してほしい。

 


【健康対策課主幹(健康長寿)】

 がん治療経験者等の方々が、自らの経験を活かして、がん患者や家族の方々の相談支援を行うピアサポート活動は、がん患者の悩みや不安を軽減し、前向きな気持ちでがんと向きあうための大きな支えとなるものと考えている。


県としても、がん診療連携拠点病院の会議の場で、拠点病院の関係者にピアサポート活動を紹介するとともに、各病院で受入れをするよう働きかけを行ってきたところである。

 

 その結果、拠点病院を中心とするピアサポート活動は徐々に広がっており、現在では、愛知県がんセンター中央病院、名古屋医療センター、名古屋掖済会病院、名古屋記念病院、公立陶生病院、藤田保健衛生大学病院、一宮市立市民病院、小牧市民病院、春日井市民病院、安城更生病院、刈谷豊田総合病院の合計11か所の病院で毎月1回以上、ピアサポートの相談会が開催されている。

 


【筒井タカヤ委員】

 愛知県がんセンター愛知病院は、この中には入っていないのか。


 

【健康対策課主幹(健康長寿)】

 愛知県がんセンター愛知病院は、この中には入っていない。

 


【筒井タカヤ委員】

 がんセンターは中央病院と愛知病院がある。この件に関しては、できるだけ偏らないでピアサポート活動がきちんとできる体制をとってもらうよう要望する。

 次の質問に移る。


これまで民間ベースで草の根の活動として、地道に行われてきたピアサポートであるが、先に申し上げたように、国としてがん対策推進基本計画に位置づけがなされ、本県でも、昨年10月に私ども県議会の議員提案で制定された愛知県がん対策推進条例の中にピアサポートを県として推進していくことが盛り込まれたことから、県として具体的に取り組んでいくことが求められることとなった。

 

 今年度の県の当初予算では、新規事業としてがん患者・家族相談支援事業が予算化されている。予算額は795,000円で、尾張と三河で月1回ずつという小規模なものではあるが、県財政がひっ迫し、新規事業など到底認められない状況下にあって、ピアサポート活動に県が県費を投じていくことになったわけで、これは大きな一歩だと思っている。熱心に活動をしてこられた患者団体の方々も、ようやく我々の活動が認められたと勇気づけられたことと思う。

 

 しかしながら、私としては、この事業について、次の点で課題があると思う。この事業は、尾張部と三河部でそれぞれ毎月1回相談会を行うというものであるが、尾張部にしても三河部にしても範囲が広く、県境近くの方などが相談会場へ行くのに非常に時間がかかるケースも多々あると思う。


また、月に1回では利用者には非常に不便であり、常時相談できるピアサポートセンターの設置や電話相談のような形も検討すべきだと思う。

 

 また、島根や山梨、愛媛などでは、県がピアサポーターの養成事業に着手していると聞いている。また、ピアサポーターの方々の人数は、まだ少なく現在活動を行っている方々には、大きな負担がかかっているので、もっと多くのサポーターの方が必要である。


ピアサポート活動が、草の根のレベルで広がっていくためにも、県としてピアサポーターの養成に取り組んでいくことも検討してほしいと思う。そこで、県として、これらの点についてどう考えるか伺う。

 


【健康対策課長】

 愛知県がん対策推進条例におけるピアサポートの位置づけを踏まえて、昨年度、がん患者家族・相談支援事業の予算要求を行った結果、今年度795,000円の当初予算が認められた。限定された予算枠の中で、最大限努力して認められた事業計画と予算額であるので、まずは、この事業を的確に実施し、がん患者や家族の方々への支援が少しでも向上するよう努めていきたい。

 

委員からは、常時相談できるピアサポートセンターの設置や電話相談の実施といった貴重な提言があったが、この点については、今年度の事業実施状況を踏まえて、がん患者の方々にとって、より効果的な支援ができるよう、来年度の取組について検討していきたい。

 また、ピアサポーターの養成を県が実施することについては、他県の状況などを参考にしながら、検討していきたい。

 


【筒井タカヤ委員】

 がん患者や家族の方々の苦しみ、痛みは、当事者でなければ分からないものがあり、こうした方々の切実な声を行政に反映していくことは非常に大切であると思う。

 県では、がん対策の進め方等について、外部の有識者等の意見を聴取する会議として健康づくり推進協議会がん対策部会を設けているが、これまでこの会議でがん治療経験者などの患者や家族の方々意見を聴いてきたのか伺う。

 

【健康対策課主幹(健康長寿)】

 健康づくり推進協議会がん対策部会の構成員は、任期1年で毎年就任を依頼しているが、一昨年度までは、がん治療経験者など患者や家族の立場から意見を述べる方は入っていなかった。昨年度は、がん対策推進計画の策定に当たり、より幅広い立場の方から意見を伺うため、がん治療経験者の方々3名に委員に就任してもらい、患者や家族の立場からの意見を聴き、計画づくりを行ったところである。

 


【筒井タカヤ委員】

 私が全国の都道府県のがん対策に関する会議の委員の状況を調べたところでは、患者、家族の立場を代表する委員の数は最大5人で、静岡県と奈良県の2県であり、近県では、三重県が1人、岐阜県が2人であった。私は、県のがん対策について協議する会議の委員として、がん治療経験者などの患者や家族の立場から参画する方が、最低3人は必要ではないかと思っている。

 

 また、開催回数についても、がん患者の方々やピアサポーターの方々からは、毎年1回では少ないと聞いており、複数回の実施について検討してもらいたいと思う。これらの点に関して、県はどのように対応していこうとしているのか伺う。

 



【健康対策課長】

 がん治療経験者等の委員の人数については、がん対策部会に2名を予定している。また、今年度は、がん対策推進計画に位置づけた課題である女性特有のがん対策、働く世代のがん対策の分野に関連して、がん対策部会以外に、女性特有のがん対策専門会議とがん患者就労継続支援・がん検診促進検討会議という二つの新しい会議を開催する予定であり、これら会議にも1名ずつ、がん治療経験者等の方々に入ってもらうこととしている。

 

 このように、がん対策に関して主催する三つの会議全てにがん治療経験者等の方々に参画してもらい、本県のがん対策の進め方について患者や家族の方々の意見を取り入れていきたいと考えている。

 また、がん対策部会の回数の増加については、親会議である健康づくり推進協議会やその他の部会との関係を踏まえ、検討していきたいと考えている。

 



【筒井タカヤ委員】

 がんは、これからもっと身近なものになり、皆さんもいつかかるのか分からない。がん治療を経験した方が、がんにかかった家族や隣人を支えていくピアサポートへの支援は、今後一層必要になってくると思う。

 県におかれては、ピアサポートの活動が、徐々に県内各地に広がって、誰もが必要なときに支援を受けられるようになるよう、活動を支えている方々に対して、効果的な支援を行ってもらうことを要望する。

 

 次に、愛知県がんセンターの設立50周年について伺う。がんは、本県における死亡の最大原因であり、今後も、り患者の増加が見込まれている。がんは、高齢者だけでなく子どもから大人まで誰もがり患する可能性のある病気であり、県民の生命、健康を脅かす重大な問題であると認識している。

 

 こうした中、がんによる死亡者の減少やがん患者とその家族の苦痛の軽減、がん患者の生活の質の向上、更には、がんになっても安心して暮らせる社会の実現を目指して、平成24年9月議会において、私ども議員からの提案により、愛知県がん対策推進条例が平成2410月に施行された。


本条例では、県の責務、保健医療関係者や県民の役割等が規定されたほか、がんの本態解明やがんの予防方法、先進的ながん医療技術の開発等目指す研究を推進するため、本県におけるがん対策の中核的な役割を果たしている愛知県がんセンターの機能の充実等の対策が盛り込まれている。

 

 現代の情報社会においては、患者は世にあふれている情報の中から、自分の治療を任せられる施設を選択していくこととなる。愛知県がんセンターには、最高のがん医療と最高のがん患者に対するサービスにより、これからも県民に信頼され選ばれるがんセンターであるよう、常に努力をしてもらいたいと思っている。


例えば、独自に中性子治療ができる施設の建設や、遺伝子診断やIPS細胞を活用した治療技術の導入などの先進医療に取り組むなど、将来に夢が持てる構想を持って、がんセンターが進化していってほしいと考えている。

 そこで、愛知県がんセンターは来年設立50周年を迎えるわけであるが、これを契機に10年後、またその先を見据えた将来構想を考える必要があると思うが、現在の検討状況について伺う。

 



【病院事業庁長】

 先ほどのピアサポートの件で、現場で対応していて感じることがあったので発言させてもらう。ピアサポートとは、がん患者が本来やるべきサポートであるが、そこにがん患者でない方が介入した少し変わった活動があり、そのことで問題が発生している事例があり、泣いている患者から訴えを聞いたりすることがある。

 また、ピアサポーターの養成については大切な事業であるが、ピアサポート活動をする方は、がん患者に限らないと、がん患者の本当の気持ちは分からないと思う。このため、他の方が介入しないいい組織を作りあげる必要がある。

 

 さらに、がん患者の家族はとても大切であるが、家族がいろいろしゃべってくると、がん患者の本当の気持ちが修飾されてしまい、それが原因でトラブルになっている事例もあるので、その辺を気を付けてやっていくことが大切であると思っている。

 

 次に、愛知県がんセンターの設立50周年に関して答弁する。愛知県がんセンターは、昭和39年に都道府県立としては初めて、病院と研究所を併せ持つがん医療の専門施設として設置されて以来、愛知県のみならず、日本のがん医療をリードしてきたところであるが、がん医療の中心的役割を担う施設としての責任は今後ますます重くなるものと認識している。

 そこで、病院と研究所が一体となって、がん克服を目指した先進的な予防・診断・治療方法を開発するとともに、高度で先進的ながん医療を提供し、世界に向けてがん医療を発信していくために、この50周年を契機とし、更にその機能を強化していく必要があると考えている。

 

 現在、50周年記念事業については、準備委員会において、記念式典等の具体的内容の検討を進めているが、これとは別に、がんセンターの将来計画検討部会を本年4月に立ち上げ、現在木下総長を中心として、10年先を見据えたがんセンターをイメージした将来構想を描くための検討作業を始めたところである。

 

 この中で、新たな第2次県立病院経営中期計画にも掲げた臨床研究や治験の更なる推進など、日本をリードし世界に向けてがん医療を発信するといった考えを基本にして、委員から提案があった先進的な取組も視野に入れながら、愛知県がんセンターとして、あるべき姿や目指す方向を描いていきたいと考えている。

 



【筒井タカヤ委員】

 ピアサポート活動については、まだ本格的に始まったばかりである。ピアサポーターの母体の方々と県の間で、もっと協議を重ねてもらうことが必要であると考える。また、その協議の内容についても我々に知らせてほしい。

 

 また、将来構想の検討状況の件であるが、がんセンター中央病院では、外来化学療法センターがオープンした。

なぜ10年後、またその先を見据えた計画を立てていってほしいのかと言えば、もともと計画がきちんとしていたなら、外来棟建設の際のトラブルは発生しなかったのではないかと考えるからである。そういう意味で、現在の敷地の中も、駐車場や地下の利用も含めていろいろと構想を描いていく中で、こういったものにかかる費用については、やはり10年、20年、50年の計画でもって予算化をしていきながら、がんセンターがいつまでも魅力ある先進的な医療に取り組むことができる余地を示していってほしいという思いがあるからである。

 

 病院事業庁長には、構想の位置づけについて、新しい指針を示すことができるようなものを作っておいてほしいと思って質問をした。感想があればお願いする。

 


【病院事業庁長】

 外来化学療法センターの建設に当たっては、大トラブルが発生した。15年前に外来棟を改築したときに、工事を行った部分の遺産のものが残っていたというものである。当時、記録等を全て調査したが、どうしてあのようなことになったのか原因は不明であった。

 

 一方、外来化学療法については、医療が変化していく過程で生まれてきたものであり、15年前にはこうした概念がなかったので、その当時構想を作るのは難しい状況にあった。

 今後50年先はどうなるか見当がつかないが、医療制度が急激に変化する中で、的確に対応していかなれければならないと考えている。

現在、現場が具体的にやっていることは、特定機能病院の資格をとることと、臨床研究の拠点病院の資格をとることである。なかなか許可がとれないがあきらめずにやっていきたい。



 

【筒井タカヤ委員】

 次に、愛知県がんセンター中央病院の看護師宿舎及び職員宿舎の整備について伺う。看護師が就職する病院を選ぶ条件の一つとして、看護師宿舎の整備が挙げられている。

以前、私は、がんセンター中央病院の看護師宿舎及び職員宿舎を見学したが、両方ともがんセンター開設当時の昭和40年代の建物で老朽化しており、入居を勧めることもためらうような佇まいであることから、医師の確保が難しいだけにしっかりとした待遇をしてもらいたいと申し上げたことがある。

 

特に、若い医師にとっては、充実した宿舎が整っていれば、優秀な人材がもっと集まるのではないかと考えている。看護師宿舎についてもトイレ、風呂、洗面所が共用になっているため、現在の看護師が入居しようと思わない理由が数多く見受けられた。

早期に対策をとる必要があると申し上げてきたが、ただ言えることは、看護師宿舎の建直しに当たっては、多大な資金が必要となることから、私は民間の力を借りる方法など、様々な手法を検討すべきであると申し上げてきた。

 

 そこで、愛知県がんセンター中央病院の看護師宿舎及び職員宿舎の整備に対し、今後、どのように対応していくのか伺う。



 

【管理課長】

 愛知県がんセンター中央病院の敷地内に設けている看護師宿舎や職員宿舎については、施設の老朽化や職員の生活様式の変更などにより使い勝手が悪いとの理由で、利用者が減少し、現在使用しているのは看護師宿舎1棟のみとなっている。

また、この建物は、昭和40年の建設であり築50年近く経過して、大変老朽化した施設となっている。

 看護師宿舎については、新規採用の看護師が就職を決める際の条件の一つとしていることから、多くの病院では、ワンルームマンション型の部屋を看護師宿舎として貸与しており、こうした状況を踏まえると、県立病院としても、看護師確保対策として早急に対応する必要があると考えている。

 

 昨年度、がんセンター中央病院で全職員を対象としたアンケートを実施したところ、職員宿舎は必要との意見は多いものの、近隣の民間物件を借り上げて職員宿舎とするのが良いとする意見も多くあった。


これは、敷地内の宿舎は夜間勤務の通勤が安全である一方で、院内宿舎では公私の区別がつきにくい、近隣に職員宿舎として利用できる住居があるなどの理由で民間物件を希望される職員が多いことが改めて確認できたところである。

 

 このため、これらの意見も踏まえながら、まずは、看護師宿舎の整備について、がんセンター中央病院看護師確保・定着緊急対策委員会において具体的な検討を進めているところである。

 

 なお、施設を建て替える場合には、多大な資金が必要となることから、民間物件を借り上げる方法や、民間の資金やノウハウを活用することも視野に入れた整備や維持管理の方法など幅広く検討していきたいと考えている。

 



【筒井タカヤ委員】

 いろいろアンケートをとっているようであるが、その答えを大切にしてほしい。県自らが敷地内で看護師宿舎及び職員宿舎を整備することについて、利用する側が望まないのであれば、民間のノウハウを取り入れた形で早急に決断をすべきである。


検討のための検討であってはいけない。利用者が使い勝手がいい手法について、もっとインパクトを強くして検討を進めれば、それ程遠くない時期に結論が出ると思うがどうか。

 



【病院事業庁長】

 2007年にがんセンターに着任したときに、看護師宿舎等を見学したときの印象は、とても普通の人が住める場所ではないというものであった。その後、看護師宿舎については、建替えも資金面で大変であるということで、PFIの手法がとれないか検討した経緯がある。


それも立ち消えになってしまい、近隣のマンションを探したが、単身者用の部屋がなく大変苦労した覚えがある。そうするうちに、外来化学療法センターの件が緊迫した問題となってしまい、どの順序で建物をいじるのかということで後回しになってしまった経緯がある。具体的に先に進めなかったことは、私の怠慢であったかもしれない。


 

【筒井タカヤ委員】

 次に、県立病院の院内保育所の整備について伺う。平成2212月に策定された愛知県看護職員需給見通しでは、看護職員の充足率は年々向上しているが、今後も不足の状況が続くものと見込まれている。


こうした中、看護師の充足対策として、新規に看護学校を卒業する学生はもとより、結婚、出産等により病院を退職した看護師をもっと働き手として受け入れるために、病院内若しくは病院の近くに保育所を整備することに力を入れる病院が増えてきている。

 

 また、県も病院職員の離職防止や再就業の促進のため、院内保育所を設けている医療法人等に対して運営費を補助する制度を設けているところである。公的な病院においては、名古屋大学附属病院、名古屋第一赤十字病院、名古屋医療センター、小牧市民病院等では、既に構内に保育所を設置している。

 

現に看護師からも、24時間を交代で勤務する特殊な勤務体制であることから、育児と仕事の両立のため身近なところで子どもを預かってくれる保育所がほしいとか、更には病気のときや夜間でも子どもを預けることができればまた働いてみたいという声をよく聞くが、夜間保育については、実際は看護師が夜中に子どもを送り迎えすることになるので、例えば夜間は親子が一緒に過ごせる施設にするなどの工夫も必要でないかと考える。

 

 そこで、県立病院においては、現在、院内保育所を設置していないと承知しているが、今後、どのように対応していくのか伺う。

 



【管理課主幹(総務・人事)】

 県立病院においては、過去に院内保育所を設けていたが、利用者の減少、周辺の保育施設の充実等の理由により平成11年度末に廃止した。

 しかし、現在では、多くの病院で院内保育所が整備され、新規採用の看護師においても、病院を選ぶ条件の一つになってきており、廃止した当時とは状況が大きく異なっていると認識している。

 

 また、がんセンター中央病院で働く看護師に対するアンケート調査でも、敷地内の保育所や病児保育を望む意見も多数あったことから、まずは、がんセンター中央病院での整備について検討しているところであり、本年5月に中央病院で新たに設置した看護師確保・定着緊急対策委員会において、がんセンター内の既存施設の活用や、夜間・病児保育等の利用形態、民間業者への運営委託方法など、院内保育所の設置に向けた具体的な検討を進めているところである。

 



【筒井タカヤ委員】

 今の答弁で、がんセンター内の既存施設の活用ということだが、私が知る限りそのようなスペースは見当たらないと思われるが、既存施設とはどこのスペースのことを考えているのか。

 



【管理課主幹(総務・人事)】

 委員会では、研究所のあるスペースを改修して利用できないか検討しているところである。



 

【筒井タカヤ委員】

 研究所ということであるが、そのような場所では子どもを預けようという気にはなれない。そういう所を検討すること自体、異常ではないかと感じる。もっと利用者の声を聞きながら、民間業者への運営委託などもあるわけだから、そちらの方を主に検討していかないと反発を招くことになると思う。


また、24時間体制で働く看護師が夜中に子どもを抱いて帰るようなこと自体が実態に合わないと思う。子どもと一緒に添い寝をしておいて子どもが目を覚ました頃、一緒に自宅に帰るような施設にしてほしいと思って質問をしているわけであるが、そのようなことを含めて検討してほしいと思うがどうか。



 

【管理課主幹(総務・人事)】

 委員会においては、敷地内に新たに保育施設を整備するのが一番いいという認識で検討しているが、そうなると時間がかかってしまう。そこで、何らかの措置をしなければいけないという思いで、どこかの施設を改修する中で、そこを民間に運営委託することができないか検討しているので、ご理解いただきたい。



 

【筒井タカヤ委員】

 次に、災害時における透析患者の支援について伺う。東日本大震災においては、透析を行う医療機関が被災し、また地域のインフラが絶たれたことで、透析患者が被災前と同じ医療機関で人工透析を受けることが困難となる状況が発生した。

 

 災害時においても、透析患者が継続して人工透析を受けられるためには、医療機関において施設の耐震化のほか、人工透析を実施するに必要な電源や水の確保も重要なことと考える。

 

 そこで、県内の透析医療機関の災害対策はどのようになっているのか伺う。

 




【医務国保課主幹(医療体制)】

 平成2310月に県内で人工透析を行っている178か所の医療機関、内訳は病院が75か所、診療所が103か所に聞いたところ、施設の耐震化について、透析医療の提供に必要な施設の耐震化がなされている医療機関は160か所、内訳は病院が67か所、診療所が93か所であった。

 

 災害時の電源確保としての自家発電装置の整備については、75か所の医療機関、内訳は病院が53か所、診療所が22か所で整備されている。

 また、上水道が使用できなくなった場合の代替手段については、受水槽・高置水槽による確保を考えている医療機関が112か所、内訳は病院が57か所、診療所が55か所で、井戸水が24か所、内訳は病院が22か所、診療所が2か所であった。

 

 県としては、これまで国の補助制度などを活用して医療機関の耐震化等を進めてきたが、2分の1の事業者負担があることから、医療機関が利用を躊躇している場合もあると考えられ、まだまだ災害対策が必要であると考えている。今後も、国の補助制度などを活用して災害時に事業が継続できるよう整備をしていきたいと考えている。




 

【筒井タカヤ委員】

 災害時の電源確保としての自家発電装置の整備については、75か所の医療機関、内訳は病院が53か所、診療所が22か所で整備されているが、この数については、どのように考えているのか。




 

【医務国保課主幹(医療体制)】

 今後も国の補助制度等を活用した自家発電装置の整備を進めていきたいと考えている。



 

【筒井タカヤ委員】

 是非とも整備を推進してもらうよう要望する。

 耐震化については、事業者負担があることからなかなか進まない状況であるとのことだが、透析患者は週に2回から3回、4時間程度の透析治療が必要であり、災害が発生した場合、常に利用している透析医療機関が被災し機能しなくなると、他の透析医療機関を利用することになる。

 

 災害時であることから利用できる医療機関がどこにあるのかとまどうこととなるので、災害時に透析患者の受入れ可能な医療機関を紹介する窓口が必要となると考えるが、どのような対応になっているのか伺う。

 

 また、大規模災害時の広域連携はどのようになっているのか伺う。




 

【医務国保課主幹(医療体制)】

 県としては、公益社団法人日本透析医会の災害時情報ネットワークを活用して、透析医療機関の被害状況や稼働状況を把握して、患者の受入れ可能な透析医療機関の情報収集を行うこととしている。

 

 また、透析患者を始め災害時の要援護者の支援については、市町村に対し、市町村要援護者支援体制マニュアルを示しており、各避難所に要援護者支援の専用窓口を設置することとしている。

 

 県としては、保健所を通じ、この窓口を利用して、透析患者が利用できる医療機関の情報を透析患者へ的確に伝えていきたい。

 また、広域で透析医療機関が被害を受け、近くに受入れ可能な透析医療機関がない場合は、他地域で受け入れてもらえるよう、透析医会等と連携し、県として適切な対応をしていきたい。

 

 具体的には、東日本大震災のおり、バスを用いて透析患者を他地域へ搬送した例もあることから、そうした対応を参考にし、県として透析患者を受け入れてもらえるよう適切に対応していきたい。




 

【筒井タカヤ委員】

 市町村の窓口を通じて新たな透析医療機関を受診することとなるが、災害時であることから、患者が集中して、透析時間が短くなるなど十分な透析が受けられなくなる可能性がある。

 

 災害時に人工透析が十分受けられなくなると、日々の食事の内容は、透析患者にとって命に関わる問題となる。災害時に少しでも人工透析を受ける間隔を延ばすため、低たん白米などの食品を食することが必要となり、低たん白米を確保することが必要と考える。

 

 そのため、避難所に低たん白米を備蓄していく必要があると考えるが、県としてはどのような対応を考えているのか伺う。




 

【医務国保課主幹(医療体制)】

 人工透析が十分に受けられないなどの場合において、低たん白米の確保の有用性については認識しているが、たとえ、低たん白米を食していても透析治療は不可欠であるので、県としては、十分な透析が受けられる医療機関で確実に透析を受けてもらうことが、まずもって重要なことであると考えている。

 

 そのため、透析医会、市町村などと連携して、透析患者が十分な透析が受けられるよう、体制を確立していきたいと考えている。




 

【筒井タカヤ委員】

 避難所について、もう一点伺う。透析患者が十分透析が受けられるような体制を考えているならば、自力で移動可能な透析患者を集中して受け入れるための避難所を作るべきではないかと考える。それにより患者の適切な医療、日常生活管理が可能と考えるが、県はどのように考えているのか伺う。

 




【医務国保課主幹(医療体制)】

 県としては、市町村要援護者支援体制マニュアルで要援護者に対して特別の配慮をした福祉避難所の整備を図るようにしているが、人工透析を受ける方についても、まず福祉避難所に避難してもらうことを考えている。

 

 透析患者等の要援護者については、一人ひとりに個別避難支援計画を策定するよう求めているので、その中に福祉避難所へ避難するよう記載することを進めていきたいと考えている。

 




【筒井タカヤ委員】

 災害時の要援護者の支援については、市町村に対し、災害時要援護者支援体制マニュアルを示し、体制の整備を図るとのことであるが、透析患者は、医療的支援がすぐに必要となるなど他の要援護者とは異なる事情もある。

 

 このため、市町村においては、適切に支援を行うために、個別の状況を聴取する仕組みが必要と思われるが、その辺りをどのように考えているのか伺う。

 




【地域福祉課長】

 本県のマニュアルでは、要援護者一人ひとりについて個別避難支援計画を作成するよう求めており、特に透析患者等医療的配慮の必要な要援護者については、保健所、消防署、避難支援者等と連携した医療機関への具体的搬送計画も併せて記載してもらうこととしている。

 

 このため、個別避難支援計画の作成に当たっては、要援護者本人との話し合いが必要であるので、その過程において、それぞれの透析患者の事情、希望を聞くことができるものと考えている。

 

 その際に、透析患者の団体など障害のある方の団体の協力が必要となるので、平常時から情報交換していくことが大事であると考えている。

 また、災害時には要援護者同士の横のつながりも必要となってくるので、団体に会員への周知、協力をお願いするなどしていきたいと考えている。





 

【筒井タカヤ委員】

 この件について要望する。災害時に備えて日頃から透析患者の団体との意見交換、情報交換に更に努めてほしい。なお、災害時の避難所設置や備蓄物資の調達などは、防災担当部局が所管しているので、今回の質疑の内容については、防災局にも伝えてもらい、実施主体である市町村をしっかり指導してもらうよう要望する。

 

 次に、宿泊付デイサービスについて伺う。デイサービスの通所介護施設を利用する高齢者が、夜もそのまま宿泊するという宿泊付デイサービスについて、昨年12月議会の健康福祉委員会で、県内の実態を把握するための調査をしてもらいたいとのお願いをした。

 

 愛知県は、今年の2月から3月にかけて実態調査を行い、県所管の通所介護事業所900事業所に対してアンケートを行い、700事業所から回答があり、そのうちの約14パーセントに当たる99事業所で、宿泊付デイサービスを実施しているとの回答があったということで、これは、先日の一般質問において、我が党の川嶋議員の質問に対し答弁をされているところである。

 

 現在、施設、設備の状況や利用の実態などの回答内容について、不明確な点を各事業者に確認して、実態把握に努めているとのことであるが、宿泊付デイサービスを行っている事業所は、やり方など千差万別であり、単なるぺーパーだけのアンケートでは分からない状況も多くあるのではないかと思う。そこで、もう一歩踏み込んで、実際にいくつかの施設は、現地へも行って実態把握をしてもらいたいと思うが、どうお考えか伺う。




 

【高齢福祉課主幹(介護保険)】

 アンケートによる実態調査の回答内容を見ると、施設、設備の状況や利用の実態など様々で、不明確な部分もあり、現在、1件ごと電話での再確認を行って調査内容を精査しているところであるが、現地での実態把握も必要と考えている。

 

 デイサービス実施事業所の実地指導は、監査指導室が計画的に行っているが、宿泊付デイサービスを実施している事業所については、同行して現場の状況を調べていきたいと考えている。

 それ以外でも、不明な部分については、現地へ行って実態を把握していきたいと考えている。

 




【筒井タカヤ委員】

 次に、この実態調査の結果を踏まえて、今後、県独自の基準づくりを行うということであるが、宿泊付デイサービスを利用する人や家族は立場も弱いし、どのようなサービスが受けられるのか、具体的には分からない場合が多いと思う。実際、今後、県で基準をつくる場合に、このような現状に対し、どのように考えているのか伺う。




 

【高齢福祉課長】

 宿泊付デイサービスについては、東京都や大阪府が先行して基準を作っており、例えば、宿泊室の定員、面積は原則1室当たり1人、床面積は1室当たり7.43平方メートル以上と定めているほか、夜間に宿泊する従業員の人数、苦情処理体制、事故発生時の対応などを定めている。

 

 これらの基準の中には、宿泊サービス事業者は、宿泊サービス提供の開始に際し、あらかじめ利用申込者又はその家族に対し、文書を交付して説明を行い、宿泊サービスの内容及び利用期間等について、利用申込者の同意を得ることとするという定めもある。県としても、そのようなものを参考にしながら、また、市町村や利用者の意見も伺いながら、本人や家族が予測をしていなかったサービス提供を受けることがないよう、適切な基準づくりに努めていきたいと考えている。




 

【筒井タカヤ委員】

 愛知県においても、今後、急速に高齢化が進み、高齢者の方はどんどん増えてくる。そのため、介護保険のサービスだけでなく、宿泊付デイサービスのような介護保険外のサービスを、今以上に、利用せざるを得ない時代が来るのではないかと感じる。県庁の職員も、将来退職してこのようなサービスを利用することになるかもしれず、明日はわが身である。

 

 民間の自由契約とは言うものの、もうかると思えば、空き家とかを使用して、劣悪な環境でサービスを提供するというような所も出てくるかもしれない。

 また、そういう実態もあるように聞いているので、そうならないよう、利用者の方の健康や安全確保のために、基準づくりに精力的に取り組んでもらうことを要望する。