平成26年6月議会健康福祉委員会 議事録(病院事業庁分)

 

筒井タカヤ委員

 

まもなくがんセンター愛知病院の緩和ケアセンターの施設がオープンいたします。

 

私も案内をいただいていますので当日完成式典に参加して、施設の内容を見学させていただく予定をしております。

 

過日に、愛知県内で初めて、県が支援をして誕生したホスピスの愛知国際病院に出向きまして、患者、家族の皆さんが病室及びロビーに集まって心安らかにやっておられる音楽療法を見てまいりました。

 

その際感じたことですが、県がんセンター愛知病院ではこうした民間ボランティアによる音楽療法を受け入れておられるように聞いておりますが、その内容がどのようなものかお話ください。

 

 

病院事業庁長

 

まず愛知国際病院の話ですが、開設者が私の先輩でして、あの病院を開設以来よく知っております。

 

ご存知かもしれませんが、キリスト教系のバックグランドがございまして、ボランティアの方も大部分がクリスチャンの方です。

 

外国からも研修生を多く集めており、私も依頼を受け多くの外国の研修医の件に携わってまいりました。

 

ほとんどがクリスチャン系の大学病院から受け入れており、コメディカルの方もいらっしゃいました。

 

ですから愛知国際病院ではキリスト教関係の歌を歌われることはよくあり、いずれもボランティアの方がやっていらっしゃることでありまして、

 

音楽療法と言われましたが、あれらが治療法であるかどうかは私には分かりません。

 

音楽演奏をして患者さんの精神的な緩和を得るものとしてやっていると思っておりましたし、治療法となると診療費のお金のかかることになりますので、よく分かりません。

 

がんセンター愛知病院では、ボランティアの方に時々そのようなことをやっていただいておりますので、来月開設される地域緩和ケアセンターでも継続していただくようお願いしておりまして、

 

上手くやれるよう慎重にやってまいります。

 

 

筒井タカヤ委員

 

日本では音楽療法は正式な医療行為とは認められていないようですが、患者さん、家族の方々からは大好評であります。

いち早くがんセンター愛知病院では行われているようでして、聞くところによると週1回ピアノやハープ演奏を行っているようですが、今度の地域緩和ケアセンターの完成後には、更に充実されたいと願うところですが、いかがなものでしょうか。

 

 

病院事業庁

すでにいろんなタイプのボランティアの方ががんセンター愛知病院にいらして、お花、お茶、刺繍などいろいろな事を病棟のフロアーでやっていただいておりまして、そのようなアクティビティーが、地域緩和ケアセンターの完成後にはもっと活発化することを期待しております。

 

 

筒井タカヤ委員

 

がんセンター中央病院では国からのがん診療連携拠点病院の要件を満たすために「2床だけの緩和病床」があるようですが、がんセンター愛知病院の施設と比べると実に見劣りがします。

 

がんセンター中央病院での緩和病床の施設充実が急がれますが、どのようにお考えでしょうか。

 

 

病院事業庁長

がんセンター中央病院では、がんの末期でお亡くなりになられる方が年間400名以上みえます。よって私は以前から緩和ケアのような病棟は必要と思っております。

 

現状は、手術を行う前や後にたいへん忙しく働いている医師及び看護師が、同時並行的に終末期の患者さんを同じ病棟で時には同じ病室で診ております。

 

このことは医療行為を行う上で能率の悪いことだと私は思いまして、もう2年になりますが、総長以下、病院長、副院長、看護部長全員に、平均すると毎日1人以上の方が亡くなるわけですから、

愛知病院のような病棟を造って終末期の患者さんを一つの病棟に集めて医療をしたほうが能率的であり、更に安全性が高まり医療事故の防止にもつながると思いますので、

 

当時運用部長と話しあい病棟を改修する案を作り現場に提案しましたが、反対をされました。

 

理由はいろいろとあると思いますが、病棟を一つ占拠されると通常の急性期型の医療の障害になるという理由が強いものでありました。

 

私は決してそうなるとは思いませんが、結果的に現場には受け入れられませんでした。

 

今後どうなっていくのかと思いますが、私としましては委員と同じ気持ちでございます。

 

2床の緩和病床につきましては、緊急性のある緩和ケアの患者をがん診療連携拠点病院では受け入れなければならないとの縛りがありますので、それに合わせた体制をとっているためであります。

 

名前も緩和ケアセンターとしておりまして、対応する職員も配置し、外来の患者さんが多いと思いますが、緩和ケアについて専門的な対応をする体制は整備されております。

 

がんセンター中央病院では、緩和ケアセンターと緩和ケア病棟は全く別であると判断しております。

 

 

筒井タカヤ委員

 

病院事業庁長が今、言われたとおり、がんセンター中央病院が国の愛知県におけるがん診療連携拠点病院としての要件を満たすために「2病床」の設置・整備したと思いますが、

 

現実にがんセンター・愛知病院が地域緩和ケアセンターという本格的な施設を造った理由は、患者さんがおられるといった需要と要望に県も施設整備という供給に応えました。   

 

患者さんの心や家族に対し配慮したからだと思います。

 

愛知病院に造ったならば中央病院にも必要ですとの根強い声もあると思います。

 

がん診療連携拠点病院が2床だけとのことでは、恥ずかしくて全国に愛知の拠点と言えないとの思いがあります。

 

愛知病院の地域緩和ケアセンターの開所式には知事も来られると思います。

 

次は中央病院の番で、地域緩和ケアをお願いしますねと病院事業庁長から知事に念押しをしていただけないでしょうか。期待をしてお願いします。

 

次は、がんセンターは50周年を迎えますが、現時点での50周年記念事業への取組状況をお話ください。

 

前回の40周年と比較してどこが大きく違ったイベントが用意されているのか私は注目しております。

 

ともすると、イベント事業は無難に過ごそうと思うと前の周年事業を踏襲することで良しとするのが多いものです。 その点をふまえてお尋ねします。

 

 

病院事業庁長

 

50周年事業は総長を中心として粛々と進めております。

 

予定されている事業の一つで来年の3月に国際シンポジウムを行います。外国からも有名な世界で一流の方を集めてがんセンター内の国際交流センターで行います。

 

プログラムも大分出来上がってきており、渡航費用の計算も済んでおりまして、そのとき行う懇親会も含めスケジュールは整ってきております。

 

これらのイベントを行うとき、イベント業者の方に依頼をする方法が県ではよく取られますが、丸投げしますと経費がかなりかかりますので、私の経験を活かし全部自分達でやることにし担当者にノウハウを教えました。

 

どうしても頼まなければならないものだけ業者にお願いしましたが、経費の削減はかなりできたかと思っております。

 

もう一つの事業として、ホテルルブラ王山で記念式典を行います。

 

最後に一つ、記念誌を発行します。その中には、がんセンターの過去を振り返るだけではなく、将来のがんセンターのあるべき像をしっかり示すように計画を立てております。

 

 

 

筒井タカヤ委員

病院事業庁長がご苦労されて費用対効果のあるものにしたいとのお話であります。 では、前回40周年記念事業の際の経費はいくらぐらいであったのか、今回と比べてどれぐらい違いがあるのかお尋ねします。

 

 

管理課長

今回の50周年の予算額は、先ほど庁長が説明した事業の合計で概ね2千万円確保させていただきました。

 

それを、事業を手作りすることにより、経費を削減するよう努めているところでございます。

 

ちなみに前回の40周年は記念誌だけの発行でございまして、掛った費用は84万円でしたので、予算的に規模は大分変わっております。

 

 

 

筒井タカヤ委員

50周年については気合を入れてやっておられるとのこと理解しました。我々も期待して参加させていただきます。

 

そこでお尋ねですが、50周年を機に、これからのがんセンターの10年後20年後といった将来構想をどのように検討しているのか、その構想や内容をお話ください。

 

次に向けてどのようにやっていくのかの構想があって、始めて50年の総括とこれからの未来があると思いますので、その点はどのようなものなのかお聞かせください。

 

 

 

病院事業庁長

 

がんセンターは、今も、10年後、20年後もそうだと思いますが、最大のミッションは日本のがんに関する医療をリードするセンターであることだと思っております。

 

そのために、新しい医療を開拓するために、研究所と病院が一体となった取組みをしていかなくてはならないと考えております。

 

私が着任した当時は、こういった意識が薄かったのですが、当時の研究所長としっかり話をし、今では職員の意識も強いものとなっております。

 

新しい診断技術の開発や、国を挙げて行っているがんの新薬の開発、これは今の政府の成長戦略にもなっていると思いますが、このようなことを研究所では自分達のミッションと認識しております。

 

これらの多くの基礎的研究は、橋渡し研究と言いまして、基礎から臨床へ進み、臨床から薬の開発に進みますが、この橋を渡すのに並々ならぬ苦労があります。10年や20年のスパンでないと進めません。

 

例えば、人間のがん細胞をネズミに植え付けがん細胞が増殖しているネズミを治療する新薬ができたとしても、ネズミで成功しても人間に成功する確率は数パーセントです。

 

橋を渡るところに巨大な谷があり、そこで研究のほとんどは前に進めなくなり、ほんの一部だけが臨床に進みます。ですからそこに10年20年の長い年月がかかります。

 

研究者もそこを分かりながら頑張っておりますので、長い目でご支援をいただきたくお願いします。

 

 

筒井タカヤ委員

 

がんセンターが、いろいろな意味で研究所も効率的に効果的に運営され、がんの早期診断や治療が進むことを県民は皆等しく願っていると思います。

 

だからこそ一体となった取組みの姿勢が必要だと思いますので、50周年を過ぎてもなお取組んでいただきたい。

 

50周年を機に期待するものが多いと申し添えさせていただきます。

 

次に、がんセンターの研究所について、私は建物を中もじっくりと見させていただきましたが、ここには三つの建物があります。

 

本館、北館、そして生物工学総合実験棟、通称生工棟と呼ばれる施設です。

 

その中でも生工棟は昭和63年の竣工で既に四半世紀を超えて老朽化しております。

 

主として放射線物質を用いる実験室の設計となっており、地上3階の内2階と3階部分は放射線管理区域です。

 

老朽化が関係しているか分かりませんが、放射線物質を使う実験が激減していることもあり、施設利用が非常に制限されていると聞いております。

 

このこともあり、昨年生工棟改修の要求を出したが認められなかったとのことであります。

 

特殊な建物構造でもあり、放射線管理区域を通常区域にするにはどの位の予算になるのか関係者でも不透明のようです。

 

従って、専門的な調査・改築設計のための予算が認められるように努力して、次のステップに向けた努力が必要だと思います。

 

特に現状では、1階は動物実験施設を閉鎖したこともあり、完全な空き部屋となっていました。また2階3階も多くの空きスペースがありました。

 

がんセンター中央病院では、もっと有効的に使えるスペースがないかと極めて困っていることを聞きますと、生工棟の改修は急がれるべきと思います。

 

改修後の研究所、中央病院の有効利用の使い勝手も今から検討しておくべきと思いますが、そのことをふまえ、財政当局との交渉による予算獲得の見込みも含めた見通しをお聞かせください。

 

多くの関係する県職員が注目をしているようであります。

 

 

病院事業庁長

 

ご質問いただきました生物工学総合実験棟でありますが、ご指摘のとおり築26年経過しておりまして老朽化も進んでおります。

 

お話のございました一番大切な放射性同位元素(アイソトープ)を使うために特殊な構造になってございますが、放射性同位元素は病院でもありまして非常に大切ですが、

 

現在は本館の方でみな作業が行われておりまして、一切使っておりません。

 

そのため建物の跡地利用をどうするかですが、現場のニーズが高いのは、改修をし病院の特に若手の医師の研究室にして欲しいとのものであります。

 

病院と研究所の相談も終わっておりまして一つはそれにしたいと考えております。

 

もう一つは、かなりみえるのですが実習に来られる看護学生さん達の更衣室等に使いたいとの意見がまとまっておりまして、そのように改修していきたいと思っております。

 

一方、研究所で全員のニーズが高まっているのが、新しいがんの個別化医療に向けた、今遺伝子を瞬時に解析しまして個別化医療ができるような研究が進んでおりますが、

 

がんの試料を貯蔵しておくようなバイオバンクのような施設が欲しいとのことでありまして、今年の予算で大型機械が入りましたこともあり、そのような施設にして利用していきたいとと思っております。

 

ただ、その予算措置が不明瞭であります。なぜかと言いますと、私どもが財政当局とよく交渉することですが、残念ながらいわゆる金を産む施設かどうかが大きな分かれ目でありまして、金を産んでいない施設にはなかなか予算がつかない。

 

これをどのように説得していくか考えどころでございます。

 

 

筒井タカヤ委員

 

ご答弁を聞いておりまして、悲しかったのは、儲からないが、もしこれの医療施設を完成していれば、多くの人達の喜び命を救えた喜びを実感させるのが政治です。 県民の一つ一つの心の灯火、命が守られる喜びのお手伝いをするのが、私たち政治家の務めと思うのです。

 

私は思います、議論を重ね当委員会で話し合ったことで、今春にがんセンターの院内保育所も実現してきました。

 

吉本副知事さんが、完成した院内保育所に行って、県がやりましたと新聞に載っていました。  

 

今後は、当委員会を統括する吉本副知事に先頭になってやってくださいというような訴え方も必要だと思います。

 

政治の基本は県民の命を守ることだという姿勢を基本的に考えてやっていただきたい。病院事業庁長ならできます。やってください。

 

 

病院事業庁長

実は、私は着任以来こういった問題に数回直面いたしまして、大変ショックだったのは研究所の存続に関するネガティブな意見を上から受けたことです。

 

何回抵抗したことでしょうか。研究所は県民の誇る文化財産であります。

 

この価値は計り知れないものがあります。研究実績も日本のトップを争っております。公的研究費の獲得額も日本のトップクラスです。

 

それぐらい実績のある所の存続に関する議論が起こること自体がいかがなものかと思い、ずいぶんこちらの意見を言わせていただいておりますが、ネガティブな意見はなかなか消えません。

 

議員の方々のご支援が必要だと思っております。よろしくお願いいたします。

 

 

筒井タカヤ委員

 

今のお話いただいたとおり、がんセンターの「病院と研究所」は表裏一体だということを忘れずに、是非今後とも応援していただきますよう私から重ねてお願いいたします。

 

私が、研究所に行って驚いたことがございました。  ここ3年間だけでも研究所の3名の優秀な方が大学の医学部教授として転出されていることです。

 

県がんセンター研究所にはこんなに多くの優秀な人材がみえたんだなと誇りに思うと同時に、何故そんなに優秀な人を引き止められなかったのかと悲しい思いをしました。

 

その転出の理由とか背景はなんであったのだろうかと疑問に思えてなりません。お聞かせください。

 

 

病院事業庁長

 

研究所から3名の優秀な人材が大学の教授として転任しております。

 

名古屋市立大学に転任した方は、研究所で力を発揮して世界のトップクラスの研究をやっております。

 

九州大学の教授になられた方もみえます。

 

最近では、群馬大学に転任された方は、数年前に岡山大学の准教授から研究所に来られて、力を発揮され群馬大学の教授になられました。

 

ですから、他から来られて研究所でさらに業績を上げて、さらに将来のために大学の教授になられるキャリアアップをされていく過程の中で研究所に在籍されていたという見方ができると思います。

 

研究者のライフスタイルを見ると、そういう方はけっこうみえます。

 

ただし、大学の教授になることが最終目的では決してありません。

 

研究の価値観で、どれだけの予算を獲得できるかを考え転々とする研究者はいます。

 

ですから研究所からどこかの教授に転任することは、こちらの処遇が悪かったから背を向けたわけではございませんので、ご理解いただきたいと思います。

 

他に病院からも2名教授に転任しております。2年前に呼吸器外科の部長が近畿大学の外科全体の主任教授として転任しました。

 

今年には、消化器外科の医長から愛知医科大学の消化器外科の教授に転任した方がいます。

 

本人の価値観もあるでしょうが、移った先の方が自分の仕事がやり易いと思ったら移る方はいると思います。

 

給料が低いからといって移る方は、まずほとんどいないと思いますことを付け加えさせていただきます。

 

 

筒井タカヤ委員

 

名古屋では名古屋大学の医学部が最高峰だと県民の方は思われていると思います。

 

名古屋大学の教授を見ているとがんセンターの出身の方が研究所4名と病院に2名おられ、すごいと感じました。

 

転任される背景や理由をお聞きしました。

 

こうした優秀な元研究所職員の方が転任先でも大いに活躍しておられる姿を見て、やはりこのような歴史と実績のある、県がんセンター研究所は必要なんだ、という意識をもっと高めなければならないと思いました。

 

今、研究所が厳しい状況にあって大変です。  調べていくほど研究所の中央実験室の機能の強化、及び充実が必要です。  技師の1名2名の増員が急務だと感じておりますが、どのようにお考えでしょうか。

 

 

病院事業庁長

 

16年度の病院事業庁の発足以来定数の削減の大変な嵐に洗われまして事務職員はゼロに近いぐらいになりまして、技師については研究を続けるには必須の方でありますが、どんどん減ってしまい本当に寂しい状況になっております。

 

そのため、獲得してきた競争的研究費は間接経費といって人件費に相当使えますので、それで人件費を満たしており、なんとか自前資金でやっております。

 

人を増やして欲しいと言える状況ではなく、減らさないで欲しいと言うのが精一杯のところであります。毎年人事担当局と折衝しておりますが、大変大きな壁があり、これは私どもの力ではどうにもなりません。

 

 

筒井タカヤ委員

 大変なんですねとしか言いようがないのですね。  わたしは、そうした情況ではありますが、今の研究所では、一般研究費の内、実験の為の材料費や備品整備の予算も少なく研究活動にも困っていると聞いております。 

 

ここの研究所に対する予算の要求にについて病院事業庁としてもっと真剣に取り組む必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 

 

病院事業庁長

 

県の研究費の予算はございますが、それだけではとても充分ではないため、多くの方は先ほど述べた競争的研究費を獲得してきて研究経費として使っております。

 

一方それだけでは不十分だろうとご意見をいただいておりますが、ご存知かも知れませんが、愛知県にはがん研究振興財団が、桑原知事の時代、がんセンター創設の時にできまして、ここ2、3年かけて公益財団法人に変更しました。

 

財団に入ってくるお金は年間多いときで2千万円ほどありまして、その9割以上は退院される患者さんが寄付してくださるものですが、それは財団に入りますので全国に研究費として渡り、がんセンターの職員の使い勝手が悪いため、これらの変更を図りました。

 

県の方に寄付していただくか、財団の方に寄付していただくかを患者さんに選んでいただけるようにして、寄付のご希望のある患者さんに退院時に書類をお渡しし、ご自分の判断で選択できるようにしましたところ、今では4分の3ぐらい県の方に寄付していただいているところです。県の方に寄付いただくと年度予算に繰り入れて自分達の判断で使えるようになり、使い勝手がよくなったと現場は喜んでおります。

 

筒井タカヤ委員

かつて私は、母親が八事の第二日赤で亡くなったとき、第二日赤と、県のがんセンター両方の基金に寄付をしました。 

 

私は、県に寄付を出したつもりでしたがその寄付金が全国のがん研究にばら撒かれていたのだと思うと残念な思いを感じました。  

 

現在は改善されているなら納得します。

 

患者さんのなかには退院するときに本当に喜んでいる人がおられます。  このようながん対策を求める基金の寄付の過程や成果をがんセンターの人が集合するピロティに掲示をしても良いと思います。

 

あえて、寄付を求めるのではなく、寄付をいただいた基金が、このようにたくさん有効的に使われているということを掲示すれば、と思いますが、このような工夫、努力はいかがでしょうか。

 

 

病院事業庁長

 

寄付者の名簿を壁に出しているところはありますが、患者さんの目に入るところに出しておきますと、一つの考え方としては患者さんに寄付を強要しているとの捉え方もあり、患者さんのプレッシャーになるものかと思われます。

 

お世話になった以上、何かを寄付しないといけないと患者さんが思われると、それは誤った事になるため、愛知県としては絶対にやらない方針でございます。

 

もう一つ気をつけておりますのは、多くの患者さんは入院中に寄付を申出されますが、入院中には絶対に受付けません。

 

入院中に寄付するということは、患者さんにとっては純粋にお礼の気持ちであるのでしょうが、下心がゼロとはいえないと我々は捉えるわけでして、寄付により患者さんを差別せず平等に医療を行う精神がありますので、入院中に申出があった場合は、退院時に書類をお渡ししてご説明することをご了解をいただいております。

 

これは病院にとって大切なことではないかと私は思っております。

 

 

筒井タカヤ委員

がん対策への退院される患者・家族に対する寄付金についての、この変わらざる姿勢は何回も、お聞きしております。  それはそれとして、寄付をいただいたものについては、効率的な使われ方をしていますと、確認できるものがあってもよいのではないかと思います。

今年は寄付をいただいた基金をこのように使用し、来年はこのように使用しますともっと明確に示しても良いのではないでしょうか。 

 

 今のままでは、寄付した人に失礼ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

病院事業庁長

今おっしゃったアイデアは、あちこちで見られますが、大型機械などは寄付を交えて購入しているものがありますので、その場合は、機械のところに何々の基金を受け整備されたとのことはやってもよろしいので、患者さんの目の届くところに何々の寄付で整備されたというようなことはやるべきだと思います。

 

 

筒井タカヤ委員

 

寄付を受けた基本の使い道を知らせる掲示のボードを病院内の人が集合するピロティに掲げることはどうですか。

 

 

病院事業庁長

 

患者さんに変な心理的なプレッシャーをかけるものでなければ、ぜひやるべきものと思っております。

 

 

筒井タカヤ委員

 

寄付された方の思いを、県がんセンターとしてもこのように基金が使われているんだというような報告はあってもよいと思います。  是非、検討してください。

 

続いてお尋ねします。  がんセンター中央病院に行って思うのが、障害者用の駐車場のことです。  数が少なすぎるのではないか、そういった方が多いと思うのでなるべくなら増やしていただけないか。

 

これは愛知病院でも、小児センターでもそうだと思うのだが、障害者用の駐車場の増設についてお願いしたいと思います。  ご意見をお聞かせください。

 

 

管理課長

それぞれの県立病院における専用駐車場のスペースの利用実態につきまして、現在専用駐車場がいつも使われており不便が生じているとの苦情は特に聞いておりませんので、当面増設の予定はありません。

 

万一、専用スペースが不足する状態が生じた場合には、病院スタッフに声を掛けていただければ、病院出入り口に近い一般駐車場の確保や、病院備え付けの車椅子による介助など、臨機応変に対応させていただきたいと考えております。

また、病院の駐車場は、主に患者さんが利用するスペースでありますので、専用駐車場を必要としている患者さんを含めた全ての患者さんが、できるだけ不便のないように運用していきたいと考えます。

 

 

筒井タカヤ委員

実態をよく見てやっていただきたい。

 

 

 

筒井タカヤ委員

高齢運転者を含む専用(優先)駐車場についてお尋ねしてまいります。

 

県障害福祉課が編集し発行する「福祉ガイドブック」には、車イスのマークの表示について、こう記しています。

 

車イスのマークは、「車イス」を利用する障害者のみを対象にしたものではありませんと書いてあるのです。

 

皆さんにも、よく理解していただきたい。

 

「車イス」のマークが、実は、車イスを利用する障害者のみを対象としていないことを知っておられた人がどれだけいたでしょう。

 

普段、私たちが目にする、車イスマークは何なんだと思われる人に理解していただくために、もう一度詳しくお伝えする。

 

愛知県では、人にやさしい街づくりの推進に関する条例を制定し、車イス使用の障害者に限らず、内部障害者(即ち心臓疾患者等を指す。)、更に、

 

高齢者、妊産婦、傷病者、乳幼児連れの親等に日常生活、または社会生活に身体等の機能上の制限を受ける方としている。

 

今述べた方々は駐めて良いということである。

 

でもやっぱり、車イスのマークのある駐車場に車イス利用者以外の内部障害者、高齢者、妊産婦を見るにつけ、ほとんどの人はそこはダメでしょうという目つきをするのが通常だと思う。

 

最近では、名古屋の市営地下鉄でも見られるが、車イス、身体内部に障害のある人(ハート・プラスマーク)、高齢者、妊娠中の人の4つを表示したマークが見られるようになった。

 

調べてみました。県の施設では、東三河総局と衣浦東部保健所の2か所が、駐車場でその4つイラストの表示があった。

 

それに反して、尾張県民事務所と城山病院は、文字だけによる表示であった。

 

県がんセンター中央病院、愛知病院、あいち小児保健医療総合センター、一宮、瀬戸、春日井、江南、津島、半田、知多、西尾、新城、豊川の各保健所及び、

 

全県税事務所、県内の全警察署、すべてが車イスの表示でした。

 

私が、特に注目をするのは、難病、精神保健、感染症などの各種の事業を行っている保健所には、傷病者や高齢者、乳幼児連れの親なども必ず来ているはずである。

 

私は、こうした状況を見るとき、車椅子マークのみの表示を変えるべきではないかと思うが、いかがだろうか?   (質問にお答えください)

 

 

 

医療福祉計画課長

 県の保健所における専用駐車場のマーク表示についてお答えします。

 県としては、車椅子マークにより、車椅子利用者のみならず、障害のある方や妊産婦、高齢者などの方々に御利用いただけるよう、対応しているところであるが、委員御指摘のとおり、わかりにくいということがあるかと思うので、今後、県の保健所では、本庁や衣浦東部保健所で使用している表示案内を参考に、わかりやすい表示にしてまいりたいと考えている。

 

筒井タカヤ 委員

 この4つの表示マークが、公共施設が変わることによって、松坂屋・三越等の百貨店、ユニー・イオン・ダイエー・西友・イトーヨーカドー・アピタ等の大型スーパーも変わるはずと思う。そうなるように働きかけるべきだと思うが、県全体に働きかけることで、障害者専用の駐車場が変わるリーダー役になっていただきたいという願いを持っているが、当局の所見を求める。

 

 

障害福祉課長

車いす椅子表示の変更について、健康福祉部としては、既に、各部局に対して、財産管理課が作成した内部障害・高齢者・妊産婦なども利用できることを案内した表示について周知するなど、車いす利用者以外も利用可能なことを、図記号を用いて表示するよう依頼してきているところであるが、改めてお願いしたいと考えている。

 

病院事業庁長

 私から申し上げたいが、今の話はここでやるべき議題だろうか。

 例えばアメリカだとハンディキャップのマークは車いすのみである。そして車いすマークを付けた車しか止められない。かつ違反時の罰則が厳しく罰金がかなり取られる。それが国民全体の意識に広まっている。

これらは、専門の駐車違反監視の係りの人がキップを貼り付けている。だから日本のシステムとしてどうあるべきか論じるもので、国が行うもの、特に警察が行うものと思うが、いかがなものだろう。

 

 

筒井タカヤ 委員

 私も病院事業庁長が発言したとおり、同じ想いをしています。  ただ、県の障害福祉課が所管する福祉ガイドブックに、この車いすのところに、内部障害者、妊婦や高齢者も停めていいとしっかり書いてあるのを見つけました。  これでいいのかという疑問も含めて話をしているのです。

 県は車いすマークは車イス専用の利用だけではないと、記載している。     したがって、県はいったいどの方向で行くのかという議論になるかと思います。

県の福祉ガイドブックには、「車イス」にはいろんな人が「車イス」駐車場を利用をしてもいいと書いてあることに、私はびっくりしたのです。

県の福祉ガイドブックのとおりであるならば4つの方がいいのではないかという話をしたわけです。

県の方も障害福祉課が示した「車イス」の指針と、日本中の考え方はどうなのか。

 

 

障害福祉課長

 人にやさしい街づくりの推進に関する条例は建設部の所管だが、この条例では、車いす使用者について、降りる場合にスペースが必要なので、幅員の広い駐車場を作るということと、それを設置した場合は表示をするようにということが求められており、ただ、条例や規則でこのマークをということは決められていない。そのときに分かりやすいマークとして、車いすマークは、国際リハビリテーション協会が1969年に採択したものであったが、これは車いすの方だけでなくすべての障害者を示すマークだと決められたものであった。

従来から、このマークが一番障害者を表すのに一般的だったということもあり、人にやさしい街づくりの推進に関する条例の下の規則の更に下のガイドラインに例示として示された最近はいろいろな障害のある方がそれぞれの方がそれぞれのマークを作っており、車いすマークだけだと誤解を生じるという状況になってきたので、表示する場合は先ほどの4つを並べるとか工夫をする時代になってきたということで、そのような依頼をしているということである。

 

 

健康福祉部長

 障害福祉課長の答弁に少し補足するが、先ほどの答弁で、既に依頼したところであるが、改めてというのは、今答弁があったように、県の同条例に基づき、健康福祉部として県の所管の施設に対して、このマークはこういう意味ですよと、したがって、同条例の施行規則にも、高齢者や妊産婦にも配慮した表示とすることと記載されているため、それを受けて、県の各部局に対して通知したというものであって、一般県民向け、企業向けにこのようにしてくださいとお願いしたものではない。

それについては、例えば新設とか改築とか新たに作った場合には、そのようなスペースを設けなければいけない、その案内をする際には、その施設を利用する方に配慮した表示になるようにしてくださいと、もとの条例が県民の方々に適用される。健康福祉部からすべての企業等にお願いしたというものではない。

 

 

 

筒井タカヤ 委員

 ただ、福祉ガイドブックは大衆の県民の方が読んでおられます。  それを見た方からすると、自分は車イスを利用はしてないが「県の福祉ガイドブック」を見て、該当するからと車を停めたらしかられたではすまない問題が必ず発生します。

障害者用駐車場は、車いすマークは車いす専用ですと書いても逆にいいのではないか。  特に百貨店の地下の駐車場は、車いすでなければ絶対だめであるとしているところもある。福祉ガイドブックだけ見るといろいろな見方ができるなという点を参考に話をした。

 

 

健康福祉部長

 福祉ガイドブックの点については、委員指摘の点を参考にし、気をつけていきたいと思う。

 

 

筒井タカヤ委員

 それぞれの理解の仕方でやればいいわけだが、ただ、他所からみて、ここはこのようないろいろな解釈が出来るのはおかしいなと思ったわけです。

 

 

筒井タカヤ委員

次に合同保育所構想についてお尋ねします。

県のがんセンター中央病院で、看護師不足の解消のためにということで保育所を造られました。私も見てきたし、奥村委員も見てきた。そしていろいろ感じるものがあった。私は、概ね緊急避難的によくやってくださったと思う。

本来は、今の危機的な状況にある時に、医療関係者、要するに県の病院だけではなく、大きな病院だけでなく、民間のクリニック、診療所と言われるところは、夜8時まで看護師が働いている。歯医者もそうだ。 歯科衛生士もそうだ。    24時間の介護をやっている人もいる。  こういった時に、各事業所において、それだけの職員の求める保育所の規模を持っていない。 とするならば、やはり医療と介護の従事者に対する職員の24時間体制で、なおかつ、病児保育もできるというような保育所を合同で作るべきだと思う。  

特に、県、市の医師会だとか、県、市の歯科医師会、看護協会だとか、いわゆる介護の福祉の協会の人が集まって、財界の人たちも含めての共同投資によって、合同の医療・介護の従事者の保育所、というものがあってもしかるべきではないか。

特に、名古屋市内であれば東西南北の4か所ぐらい、東尾張・西尾張、東三河・西三河の数か所の拠点を含めた24時間体制の構想に向けて、何とか橋渡しをしていただけないかという思いを持っているが、とてもすぐできる問題ではないが、こうした取り組みをすることで、愛知の医療、福祉の崩壊を防ぐ、長期的な考え方はどんなものか、一度、所見を求め、質問を終わります。

 

 

 

子育て支援課長

看護師を始め変則勤務が多い医療・福祉施設の方々が子育てをしながら安心して働き続けるためには、自分の働き方に合わせて子どもを預けることができる保育施設の整備が不可欠であると認識している。

委員から御提案いただいた、合同の保育所構想については、制度的には、事業所内の保育施設に類似した施設だと考えている。この事業所内の保育施設は、企業の勤務日や勤務時間に合わせた柔軟な保育の運営が可能であり、現在、仕事と子育ての両立支援制度の一つとして、国の助成制度が実施されている。

来年4月からは、子ども・子育て支援新制度がスタートする予定だが、この新制度においては、事業所内保育施設のうち従業員の子ども以外に、地域の子どもなども受け入れるなど、一定の要件を満たせば、市町村の認可を受けて、市町村から運営費の給付を受けられるようになる。また、この新制度では、複数の企業が合同で事業所内保育所を設置する場合も、給付の対象とされている。

県としては、この新たな制度を、市町村を通じて事業所に周知するなど、事業所内保育の実施拡大に向けた働きかけを行っていきたいと考えている。また、女性が働き続けられる環境づくりを促進するために、県として、待機児童の解消はもとより、委員御指摘の病児・病後児保育あるいは休日保育など、様々な保育サービスの充実に、更に積極的に取り組んでいきたいと考えている。

 

 

筒井タカヤ 委員

今の話は、事業所内の保育所が充実して行われる、という話だと思いますが、それはそれとして理解します。  できる事業所とできないところが出てくる。要するに、医者はできても、看護師はできない。介護士はできない。更に歯科の方は全然だめ。 衛生士はだめ。 介護は特に非力だからだめ、というようになってしまうと、なかなか今回の法改正ではどれだけできるのか、と思います。

今の時代、いろいろな形態があるのだろうけれども、私たちも一生懸命、この愛知の医療の崩壊を防ぐために、全体的にそれを支える職員の人たちの子育て支援には、やはり合同事業による保育が必要なんだといった考えを応援していきたいと思っています。

以上で質問を終わります。