平成27年2月議会 健康福祉委員会質問議事録

(自由民主党 筒井タカヤ議員)

 

がん患者に対する相談支援について

 

(質問1)筒井 タカヤ委員

平成25年の1年間に、愛知県内でがんにより亡くなられた方は18,491人であり、これは全死亡者の29.6%を占め、最大の死亡原因となっています。

 

委員の皆様で、身内や親しい人が、がんに罹ったことがある方はお分かりかと思いますが、がんの告知を受けた時から、がん患者や家族の方は、大きな不安と悩みを抱え、苦しむこととなります。

 

自分が罹ったがんは、治る見込みはどれくらいあるのか、どのような治療が標準的なものなのか、といった医療のことは当然ながら、高額な医療費や傷病手当金のこと、保険のこと、就労に関することなど、様々なことに関して、各人が必要とする正確な情報を短い期間に入手し、判断していく必要に迫られます。

 

それだけでなく、死の恐怖や、がんに罹ったことについての悲しみ、将来の不安といった苦しみを抱えることとなります。

 

中には、がんと診断されて、「何をどうすればいいのかわからない」といった混乱状態に陥ったり、精神的なショックが大きく、絶望の淵に追い詰められた心理になる方も多いと聞きます。

 

そして、この苦しみはご家族の方にも及ぶこととなります。

 

こうしたことから、がん患者さんやその家族の方にとって、がんに関する正しい知識を求めに応じて提供したり、悩みを聞いて助言するといった相談支援は、非常に重要なものと考えます。

 

県では、現在、がん患者さんに対する相談支援に関してどのような取組を行っていますか。

 

 

(答弁)健康福祉部(健康対策課長)

 

がん患者さんに対する相談支援としては、がん診療連携拠点病院及び県指定のがん診療拠点病院に設けられている相談支援センターが、主治医等と連携して、医療に関することだけでなく、さまざまな相談に対応しています。

 

また、本県では、平成25年度から、がん対策推進条例に基づく取り組みとして、がん治療経験者の方が相談員となって相談支援を行う「がん患者・家族に対する相談支援事業」を開始しました。

 

この事業は、患者支援活動を行う団体に委託して、毎月1回、尾張地域と三河地域で個別相談を行うと共に、がん患者の方が交流できる場の提供を行っております。


 

 

(質問2)筒井 タカヤ委員

 

がん治療経験者の方が、自らの体験を踏まえ、患者さんと同じ目線に立って悩みを聞いたり、適切なアドバイスを行う「がん患者・家族に対する相談支援事業」が、がん対策推進条例に基づく取組として始まったことは、がん患者さんにとって大きな一歩だと思います。

 

この事業の受託をする団体は、どのように決まるのですか。

 

 

 

 

(答弁)健康福祉部(健康対策課長)

 

この事業の受託団体の決定に関しては、公募型企画提案方式により企画提案を募集し、応募のあった提案に関して、審査会を開催して決定しております。

 

審査会では、審査員が審査基準に基づいて採点し、その合計得点が一定以上であるなど基準を満たした場合に委託先として適当と判断しております。因みに、平成26年度事業の募集の最、応募は1団体でしたが、同様の手続きを踏んでおります。

 

なお、来年度の事業受託先の募集を現在行っております。


 

 

(質問3)筒井 タカヤ委員

 

企画提案を審査する審査員は、どのような方々ですか。

また、審査基準は、どのようなものですか。

 

 

 

 

(答弁)健康福祉部(健康対策課長)

 

審査員は、がんセンター中央病院のがん専門医、県内のがん診療連携拠点病院の相談支援センターの相談員2名、名古屋市健康福祉局の職員、県健康福祉部の職員の5名です。

 

審査基準は、事業に必要な相談員の確保、相談員に対する研修の実施、過去の相談実績、事業の実施計画等であります。

 

 

 

(質問4)筒井 タカヤ委員

 

  この事業では個別相談を行っているとのことですが、患者支援活動を行っておられる方のお話を聞くと、個別相談は、ピアサポートではないという考え方と個別相談もピアサポートの一部であるという考え方と2通りあるようです。

 

  県としては、どのような見解で事業を実施しているのかお尋ねいたします。

 

 

 

 

(答弁)健康福祉部(健康対策課長)

 

この事業では、平成25年3月に日本対がん協会が厚生労働省の委託を受けて作成したピアサポーター養成のための研修テキストによる研修又は、これと同程度の研修を受けた方を相談員として配置していただくことを要件としております。

 

 このテキストでは、ピアサポートとは、「体験を共有し、ともに考える」ことであり、がんを体験した人やその家族が1対1でがん患者の相談に対応できることを目的にしております。

 

従いまして、個別相談はピアサポートの一部であると認識して事業を実施しております。

 

 

 

(質問5)筒井 タカヤ委員

 

患者支援活動を行う団体のお話しがありましたが、本県において、がん患者支援の活動をされている団体として、どのような団体があり、どのような活動をされているのか、県が把握しておれば、お尋ねします。

 

また、そのような団体の情報は、患者さんにとって有益なものと思いますが、県民へ情報提供を行っていますか。

 

 


 

(答弁)健康福祉部 (健康対策課長)

 

 県内で、組織的にがん患者支援活動を行っている団体は、10団体と把握しています。

 

 県内の患者支援団体の情報を県のホームページで提供する為、平成25年12月から掲載団体の募集を始めたところ、7団体かた掲載希望の申し出がありました。

 

 全ての団体が掲載に必要な条件を満たしていたことから、平成26年4月から会員数、活動内容や連絡先等を掲載しております。

 

 団体によって、相談会を行っているところ、電話相談を行っているところ、公演会のみ行っているところなど活動内容はまちまちであります。

 

 

 

(要望)筒井 タカヤ委員

 

  これは要望ですが、私も、数多くの患者支援団体の方のお話を聞いてきております。

 

これまでの経験では、団体によって、いろいろな考え方や取組があるようですので、様々な団体の意見を聞きながら、がん患者さんに対する支援の充実を図っていってください。