(質問:筒井 タカヤ議員)

○「総合評価落札方式について」いくつか質問をいたします。

 

愛知県議会の議員として「11期」42年目を迎えています。こうした経験を重ねる中で、日本各地の都道府県議会議員とも交流をする中で、各地の情報や意見の交換を行う機会があります。

今・・・マスコミでも大きく取り上げられている東京都の豊洲市場の問題や、東京オリンピックの各競技施設の当初予想していた以上の巨額な建設費についても・・・なぜ地方議員として、これらの問題について十分に対応ができなかったのか、お互い反省も踏まえて話し合う機会があります。

 

更に、東日本大震災の復旧・復興に取り組む福島県・宮城県との議員と話をする中で、復旧・復興に伴う事業費の考え方の大きな相違点を知ることができました。

東日本大震災の復旧・復興は国民の等しく願うところであり、日本政府も最優先課題として取り組んでまいりました。

 

東日本大震災によって、復旧・復興を担うべき役割の地元建設業も被災しました。会社の事業所・従業員、建設機械に至るまで壊滅的な被害を受けた所もありました。「5年・10年・20年」とも続くであろう地元復旧・復興には、地元建設企業の支援・救済は必須な条件でもありました。そこで当初は、政府の呼びかけで日本各地の建設企業に東北地方の復旧・復興に声がかけられました。

その条件は・・・建設資材・建設従事者及びその宿泊も自前で手配・用意をする異例のものも含まれていました。

そして、地元の地理・現場の状況を知る地元企業と提携・ジョイントして、お互いが助け合い、補完し合うことで復旧作業がおこなわれ今日まで進展しました。

 

今では、東北地方では震災ガレキは、ほとんど撤去され・・・人々も戻り始め、復興に向かっています。

「復旧」から「復興」に向かう建設の過程で、震災津波被災の「地元建設会社」が壊滅的被害にあったこともあり、日本中の建設会社が支援にあたりましたこともあり、地元の建設会社は今では、震災前のように立ち直りました。

 

県外の建設会社は、地元東北の建設会社と提携(ジョイント)することで、地元建設会社も合わせて、震災被害以前のように自立再建させて育成するのが目的も達したように思われるまで回復しました。

 

しかし、現在では従来即ち、震災前には考えられなかった甘えの構造が蔓延しています。その原因が震災復興による地元企業の行き過ぎた優遇にあることが分かってまいりました。復旧事業から復興段階に向かう中で、さまざまな課題・問題が生まれています。

 

一つは、地元の建設事業も、ある意味で震災復興事業という長期国家プロジェクトに守られた、安定した緊急公共事業という莫大な国家予算が投入されることで、これまでにない天文学的な復旧・復興巨大事業に恩恵を受けることになりました。

 

常に・・・県外の企業とは提携ジョイントが当たり前。人も資材も手配してもらえ利益が出るのですから・・・もう笑いが止まらないとの状況すらうかがえるに至っています。

 

その原因が、震災復旧・復興による行き過ぎた地元建設企業の優遇策入札制度にあることは明白です。

 

本来は、通常もっと建設費が低く抑えられて、施設の完成ができるはずなのに、高価格の入札額でも受けられるようになっています。

 

国民の税金を効果的・効率的に震災復旧・復興であるべきが・・・何にゆえか、いつまでも、いつまでも地元企業育成の美名のもとに既得権益が守られています。

 

詳細な内容をここで一つ一つ述べるには、多くの時間を必要としますので省略します。

 

いずれにしても、一国民の目線から見る限り、「税金」が公正・公平な使われ方にすべきと考えます。

 

ひるがえって、わが愛知県における建設入札制度を検証いたしました。ここで、資料に基づいて、私が疑念に思うことをお話しし改善を求め・・・以下お話ししてまいります。

 

 

質問の「本論」に入ります。

 

平成28年4月1日より、愛知県において低入札対策の強化による「価格据置型総合評価方式」の採用があり、現在入札関係で新制度に基づいて執り行われるようになりました。

 

同様な指摘を以前の当建設委員会において、橋梁並びに塗装工事について質問しております。その件と同様に土木建築工事においても、さまざまな課題が出ていることに気付きました。

 

私にはどうにも理解・納得出来ない事例が数々出てきていることもあり、再度改めて改善に向けてお尋ねいたします。

 

まずは、その例を述べる前に、初めて建設委員となられた議員各位が大勢おられますので、今一度、入札制度について簡単に説明をさせていただきます。

 

 

総合評価落札方式一般競争入札制度というものを簡単に述べますと、

 

発注者側の立場       価格だけでなく、価格以外の要素を評価する。

請負者側の立場        価格を決断する。

 

以上の2つの立場を両方兼ね備えたものが、総合評価落札方式一般競争入札制度です。

 

価格以外の要素を評価するのは、工事発注者の側であることから、どうしても評価方法などで恣意性が入り込む余地が高くなり、行政が保持する秘密や裁量はできるだけ少なくするべきで、平成27年度までの総合評価落札方式一般競争入札と平成28年度総合評価落札方式一般競争入札との大きな差異点は、据置価格までしか入札価格を評価しない取扱いとなったことです。

 

平成27年度までは、調査基準価格以下から失格基準価格以上の範囲内であれば、低入札価格調査を実施することにより、不落を決める型でありました。

 

しかし、平成28年度からは、入札価格が調査基準価格以下、失格判断基準以上であっても、価格据置型と称して入札価格を調査基準価格に準ずる(同一価格)新しい規定としています。

 

この手法は、すなわち価格よりも発注者側の立場≒価格以外の要素を重視する仕組みとなったのであります。

 

これは、過去の実績における加算点のみで判断する価格据置型総合評価落札方式へ移行したことで、受注実績偏重の傾向が出ていることが伺え、今後は更に甚だしくなるであろうことが容易に推測できます。

これによって、入札競争の原理が全く無くなったと言っても過言ではない状況となり、公正・適正な入札制度がおかしくなったと私は解釈しています。

 

もう一度、「地域に根差し技術力と意欲のある企業に、トライできる門戸を広げる」ことを目的とした入札方式を考えるべきである。

 

特に、近年の国土交通省を中心とした取組では、入札・契約制度の改善に終わりはなく、より良い制度を構築して新規参入を促さねばとする方向を指差しています。

 

しかし、現行の入札方式では、新規参入者は総合評価方式の中で弾かれてしまっている

 

努力して技術と経営に優れた企業に育ててきた建設業者に対して適正な評価をしないと、しっかりとした企業経営や担い手確保のような発想は出てこないのではないか!!

 

 

先に、私が述べた東北大震災復興の福島県・宮城県のように、努力しないでも受注のような現象を「愛知県」ではやってはいけないのです。

 

現在、国土交通省中部地方整備局は、「技術力はあるが当該工種の実績が少ない」、こんな企業に受注機会を増やすため過去の受注実績にとらわれない「一般土木工事チャレンジ型」を2016年度補正分から試行を始めています。

 

意欲と技術力がある企業に対して、当面は2016年度補正予算で執行する一般土木工事を対象に、工事成績や表彰実績を評価対象とせず、施工計画を加点評価する「施工計画評価型」等を試行・実施しています。

 

今回の国土交通省中部地方整備局による試行は、総合評価落札方式による執行が増えたことで、一部で受注実績偏重の傾向が見え始めていることからの措置で、中部地方整備局は「地域に根差し実力と意欲のある企業に、トライできる門戸を広げる」ことを目的とし、実績づくりに“チャレンジ”してほしいと期待している・・・と明記しています。

 

このように、においても、大きく改善に向かっているのですから、愛知県も新年度に向かって、同様の目的・趣旨に沿って改善を考えるべきであると強く希望します。

 

(1)(状況の把握も含め県当局の答弁を求めます。)

 

 

 

答弁@

 国土交通省中部地方整備局の「一般土木工事チャレンジ」は、本年度補正予算発注する工事のうち、比較的小規模工事において、工事施工実績評価しつつも、工事成績表彰実績評価対象とせず、近年受注実績ない業者して、工事へのチャレンジを手法として試行されるものであります。

 

 中部地方整備局場合は、原則ての工事総合評価落札方式採用しているとっておりますので、こうしたみをされているとえられます。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

次に、全国各地域においては、一定数(絶対数)の地域企業の育成並びに確保が必要であるとの声が高くなってきています。

 

それは、建設業に従事する人口減少がますます進む中で、歯止め対策が必要と考えられる。

 

なぜならば、東北大震災並びに九州熊本・大分大震災、鳥取・島根震災を考えると、今後、地震大国である日本列島の各地区に地震被害が起きうると大いに考えられる。

 

東海地区においても、いつの日か、これまでの地震対策(周期)を考えると東海・東南海大地震がおきる前提で対応すべきと言われています。

 

その有事の際の復旧・復興に対して、各地域企業の活躍の期待観が大きくクローズアップされています。

 

大震災が起きるとまずは、地域建設業の大いなる労働力・技術力、そして一定数の企業の体制が絶対的に必要となることは、近年大震災が起きた東北地区の経験で、政府・国交省・全国各地方自治体、そして国民自身が考えさせられた大きな事例があるからです。

 

各地域において、建設企業の確保をするについては、どの程度の企業の数が必要なのかも検討しつつ、一定数(絶対数)を育成しながら維持することが「鍵」となります。

 

なぜならば、今この中部地区においては、今後大規模プロジェクトである、アジア競技大会、リニア中央新幹線、中部空港二期工事等が、全国的には、東京オリンピック、大阪万博、更に札幌オリンピックが目白押しに計画されています。

 

こうした建設業界の精鋭を見つけるにつけ、その中でこの価格競争原理が無くしたり、又は受注実績の偏重をきたした入札制度を愛知県が“ずーっと”続けたとしたら、大変な事態が生じます。

 

まさに技術と経営に優れた企業の参入への門戸を閉ざしたこの愛知県の据置型入札方式では、ほとんどの建設企業が参加しないとなれば、期日までに完成させるといった目的が達成できない事態が考えられます。

 

私はあえて、一定数の企業を育てながら維持するためには、それに見合う建設投資予算を計画的に毎年投下することが必要となるわけで、各地域において、国交省並びに政府に対する陳情が多くなっているのが現状の姿です。

 

発注者たるものの愛知県は、時代の要請を明確に受けて、他地域企業に対しバランスを取った整備をする立場であると考えます。

 

現在のような価格据置型総合評価落札の入札制度をこのまま続けていますと、実績の多い企業だけの受注競争となる。

 

言い換えれば、新規参入(実績の少ない)企業の締め出しと同じことであろう。(そう断言も出来ると思います。)

 

これは、行く末、必ず大きな問題化することは間違いなく目に見えてまいります。

 

大きな観点から早急に是正すべきであると考えます。

 

ここで、建設委員各位にも、これから詳細質問を御理解いただけるよう、「3枚」の資料によって「3例」を示しつつ質問します。

 

最初にこの資料は、価格据置型総合評価方式が適用される工事について述べさせて頂きます。

 

 資料Aは、左側に平成27年度までの、右側に平成28年度現行の価格据置型の総合評価方式とを比較した資料です。

 

 

 

 (真ん中のフロー図を見て頂きたい。)

 

 基本的なことですが、まず入札者は失格判断基準価格まで入札出来ますが、調査基準価格から失格判断基準価格までは低入札となります。

 

その間で入札した、即ち低入札を行った場合について説明します。

 

 左側の平成27年度までの場合、その入札価格でもって最下段の計算式により算出した評価値が高い入札者が落札候補となります。その候補者は発注者による低入札価格調査を受けて施工が可能か認められる場合のみ契約に至ることとなります。

 

 右側の現行の価格据置型においては、その低入となる入札価格は、据置価格と称される調査基準価格まで引き上げられます。即ち入札者が受注実績を得るために、入札者の企業努力によって決断した低入価格も考慮されず、据置価格と称される調査基準価格が入札価格になってしまうのです。

 

その後は現行も同様に、企業が入札した低入価格では無く、発注者が据置価格(調査基準価格)に勝手に引上げ、その金額でもって最下段の計算式より評価値を算定し、その最上位者が落札候補となります。

 

 (この場合も低入札価格調査を行い、施工が可能と認められる場合落札に至ります。)

 

 これが現行の価格据置型総合評価方式と呼ばれるものです。

 

 ここでしっかりと最下段のグラフを見て頂きたいです。

 

 

 昨年度までは業者が決断した入札価格がそのまま評価値算定の基となる価格(評価価格)となり、評価値算出の一要因となってます。それは入札金額を下げれば評価値を上げることが出来る。

 

 しかし右側の現行においては、入札業者が実績を得るために企業努力をして決断した低入札価格は、勝手に発注者により据置価格(調査基準価格)に引き上げられ、その据置価格が評価価格となります。

 

これを用いて計算された評価値は、据置価格より低い場合は評価値が頭打ちになり、上がらないことになります。即ち、上げられないのです。

 

 評価値が上がらない、即ち受注出来る可能性が少なくなるって事です。

 

 入札金額を下げて評価値を上げようとしても上げることが出来ない、実績の無い入札者は受注に結びつく術がまったく無いことになります。

 

即ち、企業努力による価格を決断をしたとしても全くの無意味となる。

 

これは本来あるべき競争入札の原理が働いてはいないではないか!?

 

入札の基本理念からすれば価格要素を軽視できないのでないはずであるのに!

 

 

 資料Aの最上段に大きく書いた通り、価格を決断する請負者の立場が無くなってしまった。

 

フロー図の下の青色の塗りつぶしを見て頂きたい。

 

 発注者の立場からすれば、昨年度までは低価格で契約ができることにより経済的であったが今年度からは契約金額の増大となる。

 

 また請負者の立場からすれば、昨年度までは企業努力により受注の機会が増加したが、今年度からは企業努力に関係なく、受注の機会が縮小することになるのです。

 

ここで少し質問させて頂きます。

 

 

(2)実績はないが、チャレンジしたい技術力のある業者は、価格を下げて評価値を上げることにより受注に近づこうとしたが、これも明らかな限界がある。それでは、この業者はどうしたら受注に近づけられるのか?いかがか?(業者間での談合の防止をする目的もあって、全国的に総合評価方式を採用したのではないですか?)(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁A)

 

○ 総合評価落札方式は、平成17年の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」、いわゆる品確法の制定を契機として、公共工事に導入されることになったものでありますが、その主たる目的は、公共工事の品質確保を図るために、価格だけでなく、工事の品質に直結する企業の技術力や配置予定技術者の能力などを含め、総合的に評価して、落札者を決定することにあります。

 

○ 本県建設部においては、一定規模以上の技術力を要する工事について、総合評価落札方式を採用しており、年間約2000件の発注工事のうち、3割弱の工事について適用しております。

 

○ 工事の品質確保に関する評価項目については、「技術提案」を含めて、最大17項目の加算点を加えて評価いたしますが、このうち、いわゆる「実績」に関係する主なものは、「施工実績」、「工事成績」、「優良工事表彰」でございます。

 

○ 「施工実績」は、土木関係工事では、国や市町村、地方公社などの特殊法人等が発注した工事の実績も評価対象としておりますし、建築関係工事ではこれらに加えて民間工事の実績も評価対象としております。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

(3)ここに価格以外の評価点は、その企業の実績で決まってしまっている。価格を下げて評価値を上げようとしても据置価格までだから、発注者に技術資料を提出した段階で、発注者はその入札者の最大評価値が分かる訳です。ほぼ落札候補者の目安がつくのでは無いか(私は・・この点どうしてもおかしいと疑問を思えてなりません)。(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁B)

 

○ 建設部の総合評価の手続きは、入札前には技術提案に関する評価のみを行い、入札後に価格と技術提案以外の項目をあわせて、評価値の計算を行うこととしております。

 

○ 価格についても、全ての応札者が据置価格で入札する訳ではありませんので、価格以外の評価も含めて、入札後に各社の評価値を算出して一覧にしてみるまでは、落札候補者は判明しません。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

(4)次に、評価する項目の内容や配点を変えることにより、発注者は幾らでも操作できるではないかと考えます。

 

あってはならないが、昨今、国土交通省の担当する役人による例のように官製談合につながるリスクがあるのではないか。なぜその可能性がある制度に変えようとしたのか?(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁C)

 

○ 総合評価の評価項目の内容や配点、落札者決定基準と呼んでおりますが、これについては、法の規定に従って、学識経験者等で構成する「愛知県建設部総合評価審査委員会」で審議のうえ、決定しております。

 

○ また、評価項目や項目ごとの配点加算点は、個々の入札公告時にすべて公告文に記載し、公表したうえで、入札参加を求めているものであり、入札契約の手続き中に評価項目等を変更することはありません。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

(5)次に、またこれは本来あるべき本来の競争入札の原理から外れていないか?(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁D)

 

○ 総合評価が導入された背景は、平成7年頃からの公共投資の減少を背景に、行き過ぎた低価格競争が手抜き工事や下請け業者・労働者へのしわ寄せ等により、公共工事の品質低下を招いたこともあり、公共工事の品質を確保することで、国民の福祉の向上や国民経済の健在な発展に寄与することを目的として、平成17年に品確法が制定されたことでございます。

 

○ この、品確法の基本理念においては、「公共工事の品質は、価格および品質が総合的に優れた内容の契約がなされることにより、確保されなければならない。」と規定されており、価格だけでなく、品質確保のための技術力等も含めて総合的に競争させることができる方式として、本県建設部においても、特に技術力を要する工事において、総合評価落札方式を導入しているところであります。

 

○ なお、平成26年には、品確法が改正され、新たな目的として、「将来にわたる公共工事の品質の確保と、その担い手の中長期的な育成・確保の促進」が追加されました。これにより、発注者には、担い手の育成・確保のため、企業が適正な利潤を確保できるように、ダンピング受注の防止などの対策が求められ、本県としても、「過度な価格競争を防止する」ために、価格据置型の導入により、低入札対策の強化を図ったところでございます。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

そこで資料Bを見て頂きたいのです。

 

この資料は昨年度までと今年度の総合評価方式の違いによって実際に起こった例を記載してみました。

 

 一番上段の公告日H27.10.23の物件は、昨年度までの方式によりC社が落札した例です。

 

 この業者は、実績を作りたく自社の経費を削減する企業努力により低入札価格でもって受注したわけです。

 

 これを今年度の方式にすり替えてみると、落札者はB社となります。

 

入札金額の差を見て頂きたい。約3億円の予定価格について約3500万円である。

 

 3500万円下げても落札にならないことになる。発注者がの愛知県この制度のため税金を3500万円余分に支出したことになるのです。

 

 

 次に公告日H28.6.3の2段目の例を見て頂きたいです。

 

 この現行の制度になったことにより、さらに差額の大きい約1億円下げた入札金額でも、逆に受注に至らなかった例である。1億円下げてでもです!

 

 この入札業者は前回も低入で施工したが問題もなく、良い評価を得て施工を完了したと聞いています。その業者が再度さらなる実績を得るために入札したが、この制度のため落札に至っていません。

 

落札業者より1億円も下げてもですよ!

 

 繰り返しますが、昨年度発注者により低入札価格調査を受けて落札し、工事も問題もなく完了し、さらに評価を得た施工会社が何故落札できないのか!?

 

何かおかしいのではないか!?

 

発注者愛知県にとっても1億円も削減できたのに・・・

 

さらに最下段も同様の実例を示した。これは今後もっともっと増えて行くであろう!

 

 議員は県民の税金を少しでもムダなく効果的・効率的にと考える立場の者としてはどうも納得いかない。我々議員は預かった税金を無駄なくいかに有効に使われているか、県民の立場に立って監視するのが仕事なのです。

 

 

ここで再度の質問させて頂きます。

 

 

(6)この1億円も余分に払ったことになりうることについて、どう思いますか?(1年前に評価を得て完工した業者であるのに・・・。H27年度までの方式であれば、D社が落札していた点をどうお考えなのか?)(答弁を求めます。)

いかがか?

 

 

 

(答弁E)

 

○ まず、入札価格の基準となる予定価格は、適正な最新の調査に基づいた積算基準と、人件費や資材価格をもとに算出した適正な価格であります。

 

○ 先に答弁したとおり、品確法の目的は、公共工事の品質を確保することで、国民の福祉の向上や国民経済の健在な発展に寄与するというものであり、その基本理念には、建設工事が、

 

・目的物が使用されて初めてその品質を確認できること

・その品質が、受注者の技術的能力に負うところが大きいこと

・個別の工事により条件が異なること

 

等の特性を有することにかんがみ、

 

公共工事の品質は、価格および品質が総合的に優れた内容の契約がなされることにより、確保されなければならない、と規定されたものであります。

 

○ 総合評価落札方式は、「価格その他の条件が地方公共団体にとって最も有利なものをもって申込みをしたものと契約することができる。」とする、地方自治法施行令第167条の10の2第1項にも合致した入札方式でございます。

 

○ また、同施行令第167条の10の2第2項には、「最低の入札価格であっても、契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認めるときなどには、その者を落札者としないことができる。」としており、建設部ではこれを踏まえて、低入札調査制度等を活用しております。

 

○ 価格据置型を導入する4月以前の低入札調査の結果では、工事に使用する資機材の調達の工夫や工期短縮による労務費の工夫といった直接の経費削減に加えて、ほとんどのケースで一般管理費(企業の継続運営に必要な費用:従業員の労災保険・健康保険等に係る事業主負担額、建物や機械等の維持修繕費、福利厚生費、調査研究費など)等を削減しております。

 

○ 個々の工事契約においては、一般管理費の削減による工事品質への影響は低く、当該入札が不適当であるとまでは判断できませんが、一般に、一般管理費等が削減されると、企業の経営環境が悪化し、担い手の不足や高齢化を招き、ひいては将来にわたる公共工事の品質確保や災害対応を含む地域の安全安心の確保への懸念が生じると言われております。

 

○ さらに、学識者などからは、価格と品質を総合的に評価するといいながら、過度のダンピング入札があると、結果的には、価格の影響で業者が決まっている例もあるとの指摘もあったところでございます。

 

○ こうした中、品確法が改正され、ダンピング受注は、公共工事を施工するものが、担い手を育成・確保するために必要となる適正な利潤を確保できないおそれがあるとされ、必要な措置を講ずることが発注者の責務として新たに明記されました。

 

○ 今回の強化対策は、価格を据置くことにより、企業に適正な利潤の確保が図られることで、将来にわたる品質確保の向上等がこれまで以上に期待できるとともに、地域の安全安心を担っている地元建設業者の担い手の育成にもつながる制度であります。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

(7)発注者愛知県として不経済とも思われる、ムダとも思える余分な税金の払われ方と思われないでしょうか?(率直な答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁F)

 

○ これまで答弁したとおり、総合評価落札方式は、品質確保の観点から、価格と技術力等の両面から業者を選定する方式であります。

 

○ また、価格据置型は、ダンピング受注対策として品確法改正の主旨を踏まえて、将来にわたる公共工事の品質確保、担い手の育成・確保のために導入したものでございます。

 

○ 価格を据置くことにより、企業に適正な利潤の確保が図られることで、将来にわたる品質確保の向上等がこれまで以上に期待できるとともに、地域の安全安心を担っている地元建設業者の担い手の育成にもつながる制度であるため、ご指摘はあたらないと考えております。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

(8)血税1億円も余分な税金を払わすような入札方式はおかしくないか?(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁G)

 

○ 平成26年には、品確法が改正され、新たな目的として、「将来にわたる公共工事の品質の確保と、その担い手の中長期的な育成・確保の促進」が追加されました。

 

○ これにより、発注者には、担い手の育成・確保のため、企業が適正な利潤を確保できるように、ダンピング受注の防止などの対策が求められ、本県としても、過度な価格競争を防止するために、価格据置型の導入により、低入札対策の強化を図ったところでございます。

 

○ 先にも答弁いたしましたが、価格を据置くことにより、企業に適正な利潤の確保が図られることで、品質に直結する技術力の評価ウエイトが今まで以上に大きくなり、将来にわたる品質確保の向上等がこれまで以上に期待できるとともに、地域の安全安心の確保につながる制度であり、県民の利益に資する制度と考えております。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

次にこの制度は、新規業者の参入をどんどん阻害している実態を私なりの考え方でもって。

 質問をします。

 

(9)実績のある業者と業務内容は良いけれど実績の無い業者とでは、どちらの評価点が高いのか?

 いかがか?(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁H)

○ 一定規模以上の技術力を要する総合評価落札方式においては、工事を施工する能力については、施工実績や工事成績等のいわゆる「実績」とともに、「技術提案」についても評価項目としているところです。

 

○ なお、このうち「施工実績」については、土木関係工事では、国や市町村、地方公社などの特殊法人等が発注した工事の実績も評価対象としており、建築関係工事ではこれらに加えて民間工事も評価対象としております。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

(10)業務内容が良いのに実績の無い即ち評価点の悪い業者は勝ち目がない。であるならば業務内容が良いけれど実績のない業者は、今後、入札に参加して来るでしょうか?来たとしても勝てません(受注が出来ない)。発注者たる愛知県が門戸を閉ざしているのではないか?(答弁を求めます。)

 

 

 

(答弁I)

 

○ 建設部の総合評価落札方式では、工事の難易度などにより、技術提案を評価するものもございます。また、価格以外の評価には、建設部発注工事の実績と関係ない部分もいくつかございます。企業のISO9000シリーズの取得や配置予定技術者のCPD実績、ボランティア活動や雇用実績などの地域貢献度・地域精通度などであり、企業や技術者の努力により評価される項目となっております。

 

○ また、建設部発注工事の実績についても、建設部発注の全工事の7割強を占める指名競争入札や総合評価以外の一般競争入札等の工事に参画していただき、さらに、良い成績をとっていただけば、きちんと評価される仕組みであり、決して門戸を閉ざしているということはございません。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

 実績のある業者は当然価格以外の評価点が良いわけだから、この業者が参加すれば実績の無い業者はほぼ受注出来ない。即ちこの制度は新規業者の参入をどんどん阻害し、逆に落札者は同じような業者に偏り、競争性が低く入札価格が高止まりする状況を生む制度なのです。

 

 この価格据置型総合評価方式は問題があります。改善すべきと再度申し上げます。

 

 この価格据置型総合評価方式の問題点・疑問点を資料Cの左側欄(※音読)に、真ん中上段に今後の建設業に取り巻く状況、さらに右側上段に他の発注者の改善試行している総合評価方式の例を記載致しました。

 

 東北の大震災・さらに熊本の大震災からの復旧・復興、さらに決定しているオリンピック・リニア中央新幹線等、まだ決定していない事業も含め、プロジェクトは目白押しです。

 

今後は建設業界は建設業従事者の奪い合いとなります。

 

 この資料に記載していないが、最近テレビ・新聞紙上で賑わしている東京オリンピックの開催会場問題もそうである。

 

 経費(発注金額)が嵩む会場での開催はどんどん縮小されるべく議論されている。都民・国民のために・・・。

 

 他の発注者に至っては記載しているように、偏りの解消、施工意欲のある業者への門戸開放をうたい試行している国交省、同じく名古屋市もそうである。

 

 なのに愛知県は逆行していないか!?

 

 私には逆行しているように思えてならない入札方式を愛知県はしています。

 

 最後に統括の質問をさせて頂きます。

 

 

(11)国交省が試行している「一般土木工事チャレンジ型」はこの現状を改善しようとしている方式と思うが、どう思われますか。

 

 

 

(答弁J)

○ 先ほども答弁いたしましたが、国土交通省中部地方整備局の「一般土木工事チャレンジ型」は、本年度の補正予算で発注する工事のうち、比較的小規模工事において、工事の施工実績は評価しつつも、工事成績や表彰実績を評価の対象とせず、近年受注実績の少ない業者に対して、工事へのチャレンジを促す手法として試行されるものであります。

 

○ 中部地方整備局の場合は、原則、全ての工事で総合評価落札方式を採用していると伺っておりますので、こうした試みをされていると考えますが、県建設部の場合は、総合評価は全工事発注件数の3割弱であり、指名競争入札や総合評価以外の一般競争入札も組み合わせ、受注機会の確保に努めております。

 

 

 

(質問:筒井 タカヤ議員)

 

 最後にこれら説明した実情及び今後の動向も踏まえ、結論として資料Cの最下段で述べたいと思う。

 

価格の評価が失われることにより、価格面では請負金額が上がる傾向にある。また競争性においては全く競争性が損なわれており、その結果一定企業に偏る傾向が極めて大である。

 

 これを解消するには、この制度を即刻改善か廃止し、企業の競争性を高めつつ、請負金額が上がる方式が必用と考える。

 

 請負者の偏りを生じる“過去の実績・表彰の有無”については、評価対象とせず、競争性を高めていく等の改善が必要である。

 

 それによって「技術力のある(実績の少ない企業がトライできる門戸が広がる)」また「地域に根ざした実力と意欲のある企業が育つ」さらには「将来の大災害発生時に備え、地域企業の能力向上並びに絶対数を確保出来る」ことになる。

 

 

最後に

(12)このことに関してどう思うか、感想・意見を述べてください。

 

見直すべきであると思うが、いかがか。

 

 

 

(答弁K)

 

設工事は、物ができあがり、供用を開始して初めてその品質が評価されること、個々の工事は、計画場所の地形条件、社会条件がひとつずつ異なるなどの特殊性があり、経済性にも配慮しつつ、価格以外の施工者の技術力などの要素も加味して、価格および品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることが重要であります。

 

○ 総合評価落札方式は、価格と品質を総合的、客観的に評価する方式として、学識者等の意見も伺い、また、社会の動向や品確法改正の主旨も踏まえつつ、将来に向け社会インフラの建設・維持を担っていただく業界の維持も念頭におき、不断の改善を図りながら制度の運用を行ってまいりました。

 

○ 地元には、県と防災や緊急修繕・雪氷の協定、防災安全協定を締結し、日々県民の安全・安心のために尽力いただいている業者、大きな工事ではないけれども維持修繕など県民の生活に身近な仕事を受注していただいている業者もたくさんおります。

 

○ こうした担い手を、将来に向けて確保・育成していくことも重要であり、そういう企業を支える仕組みも必要でありますので、今後も、総合評価を含め、より良い入札制度に取り組んでまいります。