(平成28628日)

平成286月議会 建設委員会

 

                                             筒井 タカヤ

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

平成27年の県議会12月の(建設常任委員会)において、県営大高緑地での「ディノアドベンチャーライド名古屋」について、詳細に質問をさせていただいた経緯があります。

 

又、今年の2月議会において「本件」について請願書が提出された折に、請願に関する意見陳述がなされ、その際にも、当委員会におきまして当局に対する具体的な経緯について質問をいたしました。

 

本日も、県営大高緑地での「ディノアドベンチャーライド名古屋」について、請願が提出されました。

 

今回の請願の主旨である「地域住民として当然に知らされるべき『2期工事の変更と内容』が周知されないのは何故か。」が私にも未だ理解ができません。

 

請願書を提出なさった代表者の方より、先ほども詳細な陳述がなされましたが、何に故、地域の声を集約した請願が当委員会で採択されないかと困惑されたまま、この委員会の傍聴席においでになっておられます。

 

本件については、私は「賛成」を致しましたものの請願は採択されませんでした。

 

ただ、私自身も県民を代表する議員の1人として、更に、請願の趣旨を理解する者として、「県営大高緑地」における民間事業者による施設の設置許可が認められたとしても、事業計画がどのような理由で、どういう趣旨で、具体的にどう変わったのか、を直接関係する地域住民に対して、知らせるべきではないかと、私は思っております。

 

私自身も含め、県民を代表されます当委員会の委員の皆様にも御理解をいただければと思い、以下質問致してまいります。

 

まず、請願者の陳情をお聞きしていて、県営大高緑地での「ディノアドベンチャーライド名古屋」そのものに絶対に反対だとは一切陳述なさっておられないことを確認したいと思います。

 

それ以前に、何で、自然環境が豊かなこの大高緑地に、突然恐竜テーマパークが選定されたのか、基本的な事すら正直言って理解ができず、戸惑っております。

 

三河地方で、県営愛知こどもの国が利用者の減少で一部施設の廃止を行いました。

 

なぜ、その愛知こどもの国を再建するでもなく県営大高緑地なんだろうかとすら疑問に思っております。

 

 

質問の1点目です。

 

県は県営大高緑地にディノアドベンチャーライド名古屋を招致した背景を今一度説明して下さい。

 

県営牧野ヶ池緑地、県営小幡緑地ではなく大高緑地に決定した理由もお話しいただけませんか?

 

民間企業が県営大高緑地を名指ししたのか、それとも県当局が示したのか、についても質問します。

(答弁を求めます。)

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

県営都市公園は、広域的なレクリエーション活動の場、大地震の時の避難地や復旧拠点、また、自然との触れ合いの場や生態系ネットワークの拠点など、様々な機能を有する都市施設であり、県民の皆様のニーズも多様かつ、時代とともに変化しております。

 

一方で、整備から年月が経ち、老朽化した施設もあり、安全で安心して利用いただけるよう、その更新や改修も計画的に実施していく必要があります。

 

このような背景の中、平成22年2月に策定された愛知県第5次行革大綱における個別取組項目として、公園施設などの在り方の検討が位置づけられ、その一つとして、民間資金とノウハウを活用し、魅力向上につながるような公園施設を導入することについて、検討を始めました。

 

さらに、平成25年10月に実施された「行政改革の推進に向けた外部有識者による公開ヒアリング」において、「公園の魅力向上につながるような民間活力を活用した公園施設の導入をスピードを上げて取り組むべき」という提言をいただきました。

 

このような状況の中、最初に導入を図る公園の検討を進め、大高緑地は、小幡緑地、牧野ヶ池緑地など他の県営都市公園に比べ、名二環などの道路や鉄道などの交通アクセスが充実しており、民間事業者の参入が十分見込めると考え、最初の民間活力導入の対象公園として、選定したものでございます。

 

事業予定地については、大規模イベントが開催される若草山、野球場、プール、ドッグランなどの集客施設や駐車場が既に立地しているエリアにあり賑わいの創出に効果的であること、一方でナラ枯れによる倒木や竹の侵入により雑木林としての存続が危ぶまれ適切な管理が必要であることなどから、今回の区域を対象地といたしました。

 

平成27年3月には公募の記者発表を行い、事業予定区域や公募条件を示した募集要項を公表し、公募手続きを開始いたしました。

 

応募してきた株式会社エヌエーオーの提案「ディノアドベンチャー名古屋」につきまして、昨年6月29日に開催した選定委員会において、審査いただいた結果、この「ディノアドベンチャー名古屋」の提案は標準以上の評価をいただき、株式会社エヌエーオーを最終候補者として選定しました。

 

その後同社と調整を行い、昨年の10月15日に株式会社エヌエーオーと協定を締結し、「ディノアドベンチャー名古屋」の事業概要について公表を行ないました。

 

  このように、今回の取組は、県営都市公園の利活用を進める取組として、大高緑地において民間事業者の公募を行い、「ディノアドベンチャー名古屋」を選定し、進めてきたものです。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

質問の2点目です。

 

今回の請願の主なる趣旨は、2期工事について変更の説明を求めると記してあります。

 

私自身も、昨年10月に公表された事業概要から変更になった内容・理由・いきさつも承知しておりません。ここでお尋ねします

 

@  変更の内容とその理由を述べてください。

A   

土地を貸す県としても、この事業を懸念する声を聞き、対応を検討しているは ずです。詳細に述べてください。

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

「ディノアドベンチャー名古屋」の事業概要の公表後においても、事業の実施に向け、来園者の利便向上や自然環境への配慮について、県と事業者でさらに検討を進めました。また、この検討にあたっては、動植物の専門家の方3名の方を自然環境アドバイザーとして委嘱し、ご指導をいただき、進めました。

 

この結果、次の三点について対応することといたしました。

 

一つ目といたしまして、事務所棟の位置を若草山の南西にある第7、第8駐車場に隣接した位置から、北東の大型遊具がある広場に近い位置にいたしました。これは大型遊具利用との相乗効果により、このエリアの魅力が一層高まることが期待できると判断されること、駐車場を挟んで事業地の反対側に広がる樹林地に営巣するオオタカに工事の影響が出ないように配慮したことによるものです。

 

二つ目といたしまして、1期区域と2期区域に分け、段階的に整備・開業することとしました。これにつきましても、オオタカの営巣に工事の影響が出ないよう万全を期すための対応でありまして、営巣地から遠いエリアから工事を実施することとしたものです。

 

三つ目は2期区域の設定についてでございます。引き続き自然環境アドバイザーの方々の意見をお聞きしながら、詳細な計画を検討して参りますが、事業地のうち、南端の樹林地については、駐車場から自然観察・体験をしながら若草山に登るエリアを設定することとし、来園者の方々に利用していただこうと考えております。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ                                                  

 

B   また変更内容とその理由の説明はどのようになされたのかお答えください。

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

今回の変更内容は、昨年の10月15日に公表しました「事業概要」について、より環境への影響を軽減するために、自然環境アドバイザーの方々の意見をお聞きしながら事業の進め方等に関して変更したものであることから、事業地に近い学区の区政協力委員長さんなどに説明し、ご理解をいただきながら進めたものです。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

C   この変更によって、自然環境は守られるようになりますか?

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

大高緑地につきましては、これまでにも、市民団体や地域の皆様との協働により、オオタカが営巣し、ヒメボタルが生息する南西部の約30haの樹林地やシラタマホシクサなどが生育する湿地を保全するなど大高緑地全体の自然環境の保全を図ってきたところでございます。

 

今回の事業地は、周辺にプールやドッグランなどが整備され賑わいのあるエリア内にありますが、自然環境にも配慮して進めております。

 

具体的には事業実施にあたり、自然環境の保全について自然環境アドバイザーの意見をお聞きしながら、先ほど申しましたように、事務所棟の変更、段階的な整備・開業、事業区域の変更を行いました。

 

1期区域においては遊歩道の整備と合わせナラ枯れにより枯れた木や不要な竹を撤去し、雑木林の存続に向けた樹林地整備も進めました。

 

これらにより、より一層自然環境への配慮を行うことができたものと考えております。

 

2期区域の工事におきましても、1期区域と同様に自然環境に十分配慮し進めてまいります。

 

なお、大高緑地の南西部の樹林地に営巣するオオタカについては、モニターで工事による影響を監視しながら進めておりますが、現在のところ影響は出ておりません。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

質問の3点目です。

 

私の知る限りの情報ですが、県営大高緑地における駐車場の整備・トイレの増設、給排水管の敷設工事がなされたようですが、これらの工事は、県営大高緑地にディノアドベンチャーライド名古屋が決定されたから、県当局が対処したと理解して良いのでしょうか。

 

県が整備したものについては、なぜ県が整備しなければならなかったのでしょうか。具体的な説明と費用の総額を述べてください。

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

まず駐車場についてであります。

 

大高緑地におきましては、かねてより多客日の駐車場不足が指摘されていたことから、駐車場の増設を検討してきており、用地確保が可能なテニスコートの北側に300台の増設整備を行ったものです。工事費は約5,200万円です。

 

また、第7、第8、第9駐車場の舗装の打ち替えを行っております。これら3箇所の駐車場については、舗装の劣化が著しいこと、また、これらの駐車場は暴走族対策としてコンクリートブロックが随所に施工され、利用者の方々から車止めと勘違いし車体が接触したとの苦情が多かったため、平成26年度から計画的に、コンクリートブロックの撤去と舗装の打ち替えを行っているものであります。この工事費は約8,700万円です。

 

トイレにつきましては、今年度若草山の広場に設置しました。これは、緑区民まつりなど大規模なイベント等が開催される若草山の広場にトイレが欲しいとの利用者の要望を受けて、整備したものでございます。この工事費は約5,300万円です。

 

このように、これらの施設は、大高緑地を快適に利用していただくために、整備したものでございます。

 

また、「ディノアドベンチャー名古屋」の事務所棟に併設されるトイレ、そのための給排水管の布設につきましては、事業者が自らの費用で設置しております。

 

なお、この事務所棟に併設されるトイレについては、ディノアドベンチャー名古屋の利用者以外の方々も利用できるものでございます。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

質問の4点目です。

 

私は福井県にある「恐竜博物館」に行ったことがあります。また、名古屋市科学館で行われた「恐竜展」にも行きました。それぞれの場所では恐竜の吠え声も聞きました。

 

「ディノアドベンチャーライド名古屋」でも、恐竜の吠え声を流すと聞いていますが、請願を出された方からは、この吠え声が公園の隣接地にある住宅地にとって騒音となるのではないかと心配されています。

 

「ディノアドベンチャーライド名古屋」における恐竜の吠え声の音量については、どのように計画されているのでしょうか。お聞かせください。

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

「ディノアドベンチャー名古屋」においても、設置した恐竜模型付近にスピーカーを設置し、吠え声を出す予定をしております。

 

吠え声については、80デシベル程度を予定しておりますが、最も近いスピーカーでも、隣接する住宅地から120mほど離れておりますので、距離減衰により、通常吠え声が住宅地に届くことはないと考えております。

 

いずれにいたしましても、音量調整の可能なスピーカーを使用しておりますので、市条例を遵守するよう事業者を指導して参ります。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

質問の5点目です。

 

工事過程及び施設完成後でも地域住民や県民から更なる改善を求められた場合は、謙虚に耳を傾けていただく場を作っていただけますか?

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

昨年10月15日の事業概要の記者発表後、様々なご意見をいただきました。いただいたご意見については、十分に検討させていただき、事業実施に当たり、反映できることは取り入れさせていただきました。

 

今後も地域や利用者の方々のご意見については、しっかりと受け止めさせていただきます。

 

 

 

 

県会議員 筒井 タカヤ

 

最後の質問です。

 

恐竜ブームが去り、来場者も少なくなり、その結果ある時期に撤退するとなった場合の対応ですが、その後の復元工事は誰がするのかをお尋ねします。

 

勿論、県当局は当然事業者の負担とお述べになると存じます。しかし現実は、食品の廃棄処理等においても見られるように、事業者が負担する能力が無ければ県が行わざるを得ない。

 

もし、そうなった時は、県はすみやかに復元工事をしてくださることを約束・お誓いいただけますか?

 

地域の住民の人々は、その事も心配をなさって請願の提出をされておられるのです。誠実な答弁を求めます。

以上です。

 

 

 

 

【公園緑地課主幹答弁要旨】

 

今回の事業は、県と事業者とが協定を結び、事業者が都市公園法の設置管理許可を受けて行っている事業です。

 

この許可条件は、撤退時の原形復旧を条件としておりますので、撤退時には事業者において適切に対応されるものと考えております。

 

万が一、撤退時に、事業者の負担能力が無い事態が発生した場合でございますが、遊歩道、事務所棟については、存置し有効活用することも可能と考えます。

 

また、恐竜模型については、他事業者からのリース品でありますので、その事業者により回収されるものと考えます。

 

いずれにいたしましても、事業者の撤退時には、この樹林地をどのように管理していくべきか、またどのように利用していくべきか、との観点から検討し、適切に対応を行ってまいります