次に、最近の地価情勢と開発に係る諸問題について伺います。

 

 

 

 

―筒井 タカヤ議員― 

 

平成28年9月20日に全国の地価調査の結果が発表されました。かつてのバブル崩壊期の下落が自民党・公明党連立政権による政治の安定と経済施策もあって、景気は最悪の頃と比較すると好調のようです。

 

 

 こうした社会的な背景もあって、三大都市圏の商業地区・近隣商業地区・住宅地区の土地取り引きが活発となり、地価は値上がり傾向となっています。

 

 

 特に愛知県・名古屋市内での地価の値上がりが注目されています。何故、愛知県・名古屋市内について地価が値上がりとなったのでしょうか。それだけ需要があるからであります。私は、住宅地の値上がりは、個人住宅、マンション需要があるからだと思います。

 

 

 しかし、名古屋市内でも港区だけが例外的に地価の値上がりがストップしています。

 

 

 

 

 

(質問1)筒井  タカヤ議員

 

 そこでお尋ねします。

 

 

 名古屋市内でも港区だけが地価が下落しているという状況について、どのように見られているのか、所見を求めます。

 

 

 

 

(用地課 主幹 答弁要旨)

平成28年9月20日に本県が公表した地価調査の結果におきまして、名古屋市各区の住宅地平均変動率について見てみますと、委員ご指摘のとおり、港区のみが0.9%下落している状況となっております。

 

 

 本県では、振興部において国土利用計画法施行令第9条に基づき毎年1回、県内の基準地872地点について不動産鑑定士の鑑定評価を求め、これを審査、調整し基準日(7月1日)における正常価格を公表しております。

 

 

 鑑定調査を担当いたします、振興部が公表しております今回の地価調査における港区の住宅地の鑑定評価書の「市場の特性」欄には、一部の地域では駅への利便性が劣ること、需要者の中心は一次取得者層が主体であり、地域性が強く地縁者・血縁者が中心であること、などから市場はやや弱含みである等の記載がされております。

 

 

 

 

(質問2)筒井 タカヤ議員

 

 例えば、大規模なマンションが建設される場合には、その周辺に、保育園、幼稚園、小学校、中学校の増設が必要となるような場合があります。このような公益的施設の整備は市町村が行わざるを得ず、企業側が何も応分の負担をしないと、各市町村も困るのではないかと思います。

 

 

 これに対応するため、市町村では民間企業側と事前調整を行っていると思います。

 

 

 県当局は、自らも県営住宅や分譲住宅を建設なさっておられただけに、ご承知と存じます。

 

 

 そこで、民間企業が行う大規模なマンション建設等により、既存の保育園、幼稚園、小学校等では対応できなくなる問題を阻止する施策はどのようなものがあるのかをお話しください。

 

 

答弁を求めます。

 

 

 

 

(建築指導課 主幹 答弁要旨)

 

民間企業が行う大規模なマンション建設等に伴う諸問題に対して、各市町村においては、いわゆるまちづくり条例や宅地開発指導要綱等を策定して対応している状況でございます。

 

 

その内容は様々でございますが、事業者に対し、計画内容について近隣住民へ事前に説明することや、日照対策や駐車場対策などに配慮を求める例がございます。

 

 

なお、名古屋市においては、「名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例」を定めております。

 

 

 

 

(質問3)筒井 タカヤ議員

 

 民間企業は、大規模マンション等を大量に建設する際に、保育園や幼稚園等の公益的施設の用地や施設の整備に関し、応分の負担をするべきと私は考えております。このことについて、県はどのように考えるか、お答えください。

 

 

答弁を求めます。

 

 

 

 

(建築指導課 主幹 答弁要旨)

 大規模なマンション建設等に伴い、公益的施設が不足する場合、県内の一部の市町村では、まちづくり条例や宅地開発指導要綱等に基づき、事業者に保育園等の用地の提供を求めるなど、一定の協力を求めている事例もございます。

 

 一方で、平成15年3月4日付けで国から「宅地開発等指導要綱の適正な見直しについて」通知があり、事業者が公益的施設を整備するよう指導要綱等で義務付けることは、行き過ぎた行政指導とされているため、応分の負担を義務づけることは困難であると考えております。

 

 なお、「名古屋市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整等に関する条例」においても、公益的施設の設置を要請する旨の条項はございません。

 

 

 

 

(質問4)筒井 タカヤ議員

 

 県では、かつて桃花台ニュータウンにおける新住宅市街地開発事業など宅地開発事業を実施してきたと承知しております。県住宅供給公社においても、宅地分譲を行うとともに分譲マンションを建設しておりましたが、最近では、新規の事業は行っておりません。

 

 

 また、民間事業者においても、周辺の環境が住宅地には適切でない土地や住宅地需要がないところには、大量の分譲・賃貸マンションを建設しないのが、過去の例から見ても、一般的であります。

 

 

 そこで伺います。

 

 

県においても、同様の考え方であると思いますが、今後、新たな住宅地開発を行う予定がありますか。

答弁を求めます。

 

 

 

 

(住宅計画課 主幹 答弁要旨)

 

 愛知県では、県民の旺盛な住宅地需要に対応するために、桃花台ニュータウンにおいて新住宅市街地開発事業により、昭和47年から愛知県が事業主体となり、事業を開始し、平成11年3月に事業を完了しております。

 

 

 今後の新たな開発につきましては、現時点においては、県による住宅地開発の予定はありません。

 

 

 

 

(質問5)筒井 タカヤ議員

 

 愛知県は今後、新たな開発については現時点においてはないということは、そのとおりだと思います。

 

 では、県による住宅開発の予定はないが、県の要請で民間住宅の開発がありうると思うが、そういった場合はどういう関係になるのでしょうか。そういったことが想定できる課題が、これから生じてくると思いますが、建築局長に伺います。

 

 

 

 

(建築局長 答弁要旨)

 おそらく、住宅需要に応じた住宅供給というのが、本来あるべき姿であり、住宅需要がないようなところにあえて住宅供給するということはないと思われます。

 

 

 民間も含めて住宅需要に応じて、住宅供給を行うのが当然であり、需要を無視した供給はないと考えております。