平成29年6月議会 建設委員会
今日も、先ほど、大高緑地を守る会の方から陳情の発言がありました。こうした陳情の発言は以前にもありました。
私は、陳情の内容を聞いていて教えられるものがありました。
県は、大高緑地の老朽化した施設を対象にしてマーケットサウンディングを行い、それと並行して広く県民の意見を聞く姿勢で県民意見の募集を行いました。
また、これとは別に、大高緑地の来園者を対象としたアンケート調査が行われました。
しかし、これらのアンケート結果等については公表しないとされました。それは、誰がどのような内容を発言したか知られないようにした配慮だと思っています。
広く県民の声を聞くうえでは、アンケートに答えた者の個人情報を守ることを一概に否定はしませんが、氏名、性別、年齢を公表しなければ良いことです。
また、今回のアンケートの内容は後々には、公園利用者や地域住民にとっても今後の都市公園の利用の課題として参考となるはずです。
そこで、当局には、先に述べたように個人が特定でされないように配慮して、今回行ったアンケートの結果等を公表していただきたいと考えます。
あえて、それもできないとするならば、できない不都合の理由を述べていただきたい。(答弁を求めます。)
【公園利活用推進室長答弁】
今回のマーケットサウンディングと並行して行った県民意見の募集においては、64通のご意見を頂きました。
主な意見としては、「老朽化施設は撤去し、魅力ある施設を整備して欲しい。」、「カフェやレストランといった飲食施設等がほしい。」、「児童園の砂場は使っているので残して欲しい。」などでありました。
この他にも様々な意見を頂いたことから、今後、大高緑地において民間活力を導入する際の参考にさせて頂きます。
次に、アンケートをする場合に注意をすべき点があります。
アンケートを実施する側にとって有利な内容が含まれている場合が多いことがあります。
一つ例をもってお話をいたします。
名古屋市名東区に「県営牧野ケ池緑地」があります。
しかし、「牧野池」はあるが、「牧野ケ池」はありません。江戸時代に地域の住民が灌漑用のため池を作ったのが「牧野池」です。地域の中学校名も「牧野池中学校」です。名古屋市立保育園も「牧野池保育園」です。
県のパンフレットには、「牧野ケ池緑地」大きく表題にしています。そのパンフレットの地図には「牧野池」と記してあります。緑地の名称に「ケ」がつけられた理由は、戦時体制下において国の役人が「ケ」をつけて、「牧野ケ池緑地」としたからです。それ以来、この地の防空緑地一帯は「牧野ケ池緑地」とされたのです。
地域の「牧野池中学校」の生徒は、この地域以外の人から「ケ」がついた「牧野ケ池中学校」と呼ばれることに心を痛めていました。そのような中、地域で「牧野ケ池緑地」の名称を「牧野池緑地」に名称を正しくしようとの気運が高まり、私は、県当局にその旨を伝えました。
県当局は、看板8箇所及び大型交通表示板2箇所の費用がかかることを心配し積極的な姿勢を示しませんでした。
そして、公園利用者に対して名称変更のアンケートを実施し、その結果、すでに、「牧野ケ池緑地」の名称は広くなじんでいるから変更する必要はないとのこととなりました。
約70年間も、地域の間違いを正す声が届いていません。
純真な中学生の名称変更を求める声がアンケートに記されておれば、結果は逆であったと思われます。今も地域の人々の間では、このアンケートの方法そのものが間違っていたとの声が多いのです。
今後、都市公園の利用方法についての声を求めるアンケートの実施にあたっては、配慮すべき課題があります。
自然環境をできるだけ保持したい人々の声をも聞くアンケートの項目が含まれないと、楽しい公園企画の事業者の企画を後押しするだけです。
事前にアンケートの内容を深く検討すること、さらに、アンケートの声を公開することが基本であることを強く求めます。(答弁を求めます。)
【公園利活用推進室長答弁】
マーケットサウンディングと並行して行った県民意見の募集で頂いたご意見や来園者を対象としたアンケート調査の結果については、良く検討させて頂き、大高緑地において民間活力を導入する際の参考にさせて頂きます。