2018.6.28 

                               

平成30年6月 建設委員会(質問)

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

県営住宅の管理に関する問題についていくつか質問をいたします。

 

 

 

私は、平成27年度から29年度の3年間、当建設委員会に在籍し、県営住宅が抱える数々の問題について、具体的に取り上げ、県当局にしっかりとした対応をするよう厳しく問いただしてまいりました。

 

 

 

今年度においても、これまでの本委員会での議論を踏まえ、県営住宅が抱える諸問題について、順次、取り上げてまいります。

 

 

 

まず一番の問題は、県営住宅の修繕費が大幅に不足しているということです。

 

 

 

平成8年の公営住宅法の改正によって公営住宅が住宅セーフティネットと位置づけられ、平成10年度から全ての県営住宅の家賃の決定方法について、建物の建設費等から算出する「法定限度額家賃制度」から、入居者の収入と住宅の利便等に応じて決定するすなわち「応能応益家賃制度」に変更された結果、多くの入居者の家賃が大幅に下がりました。

この大幅な家賃の引き下げにより、家賃収入は大きな減収となりました。

 

 

 

まずここで伺います。

 

 

平成8年の公営住宅法の改正により変更となった家賃制度、「応能応益家賃制度」とはどのような内容か、また従前の「法定限度額家賃制度」との違いがわかる説明と、この家賃制度の改正により、家賃収入に具体的にどのくらいの影響が出ているのか、応能応益家賃制度が適用される以前の平成9年度予算と平成30年度予算と比較してお答えください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

 家賃制度についてお答えします。平成8年の公営住宅法の改正前の家賃の決め方は、住宅の建設費から国の補助金などを差し引き、県が直接支払った費用を限度として家賃を決める、いわゆる法定限度額方式でした。

 

 

 

 一方、今の家賃の決め方である応能応益家賃とは、入居者の方の収入申告による支払い能力に応じた額をもとにする応能部分と、入居する住宅の立地条件や部屋の広さなどの便利さから決まる応益部分を合わせて家賃を決める方式です。

 

 

 

 次に、この家賃制度の改正による本県の家賃、住宅使用料の影響は、平成9年度予算が約224億円、平成30年度予算が約133億円であり、約91億円減少しております。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

次に、公営住宅法の改正で家賃収入が大幅に減少する以前の修繕費予算と応能応益家賃制度における修繕費予算とでは、具体的にどのくらいの影響が出ているのか、平成9年度予算と平成30年度予算と比較してお答えください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

 応能応益家賃制度が全面的に適用される直前の平成9年度予算では、維持修繕費は約818千万円であります。

 

 

 

 平成30年度予算では約502千万円で、約316千万円減少しております。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

公営住宅は住宅セーフティネットとの位置づけであるため、本来ならば、家賃収入の減少部分は一般財源により確保すべきであるところ、本県はその家賃収入の減少分について、修繕費を中心とする支出を減らすことで辻褄合わせをしてしまったのです。

 

 

 

そこに大きな問題があるのです。

 

 

 

私はこれまで、県営住宅を適切に維持管理していくためには、計画修繕が不可欠であることを繰り返し、繰り返し訴えてまいりました。

 

 

 

現在の県営住宅の修繕の現状は、予防保全的に行うべき本来の計画修繕ではなく、悪くなったら、壊れたら、その都度に事後的に修繕する状態であるのです。

 

 

 

平成30年度の修繕費全体の予算額50億2千万円は、近年では平成24年度の33億8千万円を底として、この6年間で16億4千万円増額されてきたものです。これは、応能応益家賃制度における予算としては、初年度である平成10年度の57億円に次ぐ規模となっており、建築局も努力してきたことは大いに認めたいと思います。

 

 

 

しかしながら、公営住宅法の改正で家賃収入が大幅に減少する前の修繕費にはとてもとても及ばないのであります。

 

 

 

そこで伺います。

 

 

 

先ほど、修繕費全体の予算額の比較について答弁をいただきましたが、そのうち平成9年度の一般修繕費及び計画修繕費は、それぞれどのくらいの予算規模だったのでしょうか。

また、平成30年度のそれぞれの予算規模も答弁してください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

応能応益家賃制度が適用される直前の平成9年度予算では、一般修繕費は約12億8千万円、計画修繕費は約52億9千万円で、合計は約65億7千万円であります。

 

 

 

平成30年度予算は、一般修繕費は約22億1千万円、計画修繕費は約12億8千万円で、合計は約34億9千万円であります。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

今の答弁にあったとおり、公営住宅法の改正による応能応益家賃制度に移行する前までは、計画修繕費を52億9千万円、一般修繕費と合わせて65億7千万円の予算を計上していたのです。

 

 

 

それに対し、平成30年度の計画修繕費の予算は12億8千万円、一般修繕費と合わせても34億9千万円でしかないのです。

 

 

計画修繕費に限れば40億円もの減少なんです。

 

 

予防保全的に計画修繕を適切に行えば、建物や設備の美観の維持だけでなく、建物や設備を長年にわたって維持することができるはずです。

 

 

 

県営住宅のストックの多くは、外壁改修や塗装が十分に行われていないため、住宅の外観がみすぼらしく、エレベーターや電気・給排水などの設備改修もなかなか進んでいません。

 

 

 

手すりの現状は、錆で腐食して危険がある部分を改修するのみで、危険性がなければ塗装もしないため、布団すら干せない状況になっている住宅が数多くあります。

 

 

 

修繕費のうち計画修繕について、どう対応していくのか、答弁を求めます。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室長 答弁)

 

計画修繕につきましては、外壁及び手すりの補修、給水設備の改修、エレベーターの改修など、緊急性・重要性を考慮し、優先度の高いものから順次、実施項目を増やしてきており、今年度からは新たに電気設備の改修に取り組んでまいります。

 

 

 

しかしながら、予防保全的な計画修繕を行うまでには至っていない状況ですので、引き続き計画修繕の必要性をしっかりと主張し、必要な予算の確保に努めてまいります。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

家賃が安いのだから、住宅の外観や美観については後回しだと言わんばかりの姿勢ではダメです。

 

 

 

しっかりと修繕して、住環境の維持に配慮するのが管理者の責任なのです。

 

 

 

計画修繕について真摯に考え、しっかりと予算を確保していただくことを強く要請します。

 

 

 

次に、県営住宅の風呂釜・風呂桶の問題です。

 

 

 

この問題は、昨年10月の建設委員会で問題提起しました。

 

 

 

改めて確認しますが、現在の風呂設備のない住宅の状況と、なぜ古い県営住宅には風呂設備がないのか、また、他府県の状況についても併せて答弁してください。

 

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

本県は、昭和6141日の管理開始住宅からの全ての新築住宅に浴槽と風呂釜、いわゆる風呂設備を設置しております。それ以前に管理開始した住宅には浴室はありますが、原則、県は風呂設備をつけておりません。その戸数は約3万3千戸で、県営住宅約5万8千戸の約57%です。

 

 

 

 続いて、古い住宅に風呂設備がない理由については、昭和40年代から昭和50年代には、まだ公衆浴場の利用も多かったことから、浴室だけを設けて風呂設備は入居者が負担するものとの考えではなかったかと思われます。

 

 

 

他府県の状況につきましては、平成29年度の調査になりますが、風呂設備のない住宅は、東京都で28%、大阪府で79%、京都府で19%、兵庫県で24%となっております。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

今、答弁していただきましたが、県営住宅5万8千戸のうち風呂設備のない住宅は3万3千戸で、57%もの住宅には風呂設備がないのです。

 

 

 

 東京都は28%、京都府は19%であり、本県は相当遅れているのが実状であります。

 

 

 

昨年10月の建設委員会における私の質問に対し、県当局は、「建替事業と長寿命化改善工事を進めて、風呂設備の設置を推進していく。」と答弁されました。

 

 

 

また、今年3月の建設委員会においては、「建替及び長寿命化改善工事で対応するほか、風呂設備の設置のみの工事を実施するなどの検討を進める。」との答弁をいただきました。

 

 

 

そこで質問です。

 

 

 

今年度、風呂設備の設置の予定はどうなっているのか答弁してください。

 

 

 

 

 

(公営住宅課 主幹 答弁)

 

長寿命化改善工事は、屋根や外壁仕上材、給排水管などの高耐久材料への更新や、構造躯体の耐久性の確保を行う工事ですが、長寿命化改善工事を行う住宅で風呂設備のない空き部屋がある場合には、その空き部屋に風呂設備を設置しております。

 

 

 

今年度、長寿命化改善工事に着手する予定の織部住宅、岡田住宅の空き部屋6戸に風呂設備を設置することとしております。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

今答弁していただいた数字は、「0」が1つ足りないか2つ足りないかという風にしか思えません。

 

 

 

今の風呂設備の設置ペースでは、建替と併せても改善が進んでいきません。

 

 

 

平成が終わろうとしている現在において、風呂設備のない住宅なんて考えられないのです。

 

 

 

本県もせめて東京都や京都府など他の自治体と同水準の設置率となるよう、しっかりと取り組んでいただきたい。

 

 

 

この件については、今後もじっくりと検討し、質問も重ねて努力をお伺いしていきます。

 

 

 

次に、駐車場の問題について伺います。

 

 

 

まず、現在の駐車場の有料化の進捗状況とその管理方法について答弁してください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

平成8年の公営住宅法改正によって、入居者用の駐車場が共同施設として位置づけられました。本県においても平成10年に愛知県県営住宅条例を改正し、県が入居者用駐車場を整備して、駐車場使用料を定めて管理を行う駐車場の有料化を進めております。

 

 

 

本年6月1日現在、県は3万7,470台の駐車場を整備しました。

 

 

 

駐車場の設置が可能な290住宅のうち244住宅において、駐車場の全部又は一部を有料化しており、有料化率は84.1%となっております。

 

 

 

次に、駐車場の管理につきましては、愛知県住宅供給公社が全般的な管理をしておりますが、管理業務の一部として、駐車場の秩序保持や環境美化、補修箇所の連絡や迷惑駐車の点検・指導などの業務については、各住宅の自治会が実施をしております。

 

 

 

住宅供給公社が全般的な管理をする駐車場とはいうものの、自治会に駐車場の管理を行わせているのが実態です。

 

 

 

こうした中、自治会の役員の方が困っていることのひとつに、迷惑駐車の問題があります。

 

 

 

自治会の役員には入居者から昼夜を問わず「自分の駐車場のスペースに他人の車が止まっており、自分の車を駐車できない。早くなんとかしろ。」と苦情が寄せられるとのことです。

特に夜間においては公社に連絡もできず、自治会の役員の方も対応に苦慮しています。

 

 

 

そこで提案です。 夜間時のトラブルに対し現場対応できるように、警備会社など民間企業に外部委託したらどうでしょうか。

 

 

 

さらには、青色防犯パトロールのように、一日一回、住宅を巡回したらどうでしょうか。

 

 

 

住宅内における犯罪・トラブル等の抑止に繋がるのではないでしょうか。 答弁を求めます。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

本県では、駐車場の日常的な維持管理は自治会が実施しておりますが、迷惑駐車に対しては、住宅供給公社においても自治会と協力しながら、適宜対応しております。

 

 

 

本県は、現時点においては駐車場有料化の途上にありますので、まずは駐車場の設置が可能な団地については、自治会と協議の上で有料化を進めてまいります。

 

 

 

また、今後の駐車場管理の在り方などについても引き続き研究をしていきたいと考えております。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

今後、ますます県営住宅の入居者の高齢化が進んでいく中、現在のような、自治会が管理を行うやり方には限界があります。 

 

 

 

駐車場管理の在り方について喫緊の課題であることを認識し、早急に検討してください。

 

 

 

ひとつ例ですが、最近テレビを見ていると、自動車事故を起こした場合、連絡をすると警備会社の人間がすぐにやってくるというコマーシャルがあります。

 

 

 

これはどれだけの対応ができるかということよりも、加害者と被害者とのトラブルの緊迫した中で、仲裁等の役割を果すということで相当注目されています。

 

 

 

同じように県営住宅で超高齢化が進んでいく中、やはりこういった駐車場でのトラブルも含め、防犯のあり方についてもいろいろな課題の例があり、こういった警備会社を活用する方法についても検討をしていただくよう強く求めます。

 

 

 

次に、県営住宅の入居者の高齢化に伴う、介護者専用の駐車場の整備の必要性について伺います。

 

 

 

まず、現在の県営住宅の高齢化の状況について答弁してください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

 平成2910月1日現在の県営住宅の65歳以上の入居者の高齢化率は30.2%です。

 

 

 

 これは、県平均の24.3%と比べて高くなっています。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

このように県営住宅では高齢化が進み、入居者の在宅介護も増えていくと考えられます。

 

 

 

そうなると介護用の駐車場が必要となるわけですが、介護者専用の駐車場の整備について、県としてどのように考えているのか答弁してください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

介護者専用の駐車場の整備については、平成21年に県営住宅介護者専用駐車場整備要領を作成しまして、敷地内で用地が確保できない場合を除き、原則、管理戸数100戸に1台分の介護者専用駐車場を整備することとしております。

 

 

 

本年6月1日現在、53住宅で117台の介護者専用駐車場を整備しております。

 

 

 

県営住宅における入居者の高齢化は進んでおりますので、介護者専用駐車場の整備については、入居者用の駐車場の整備をしつつ、自治会と調整を図りながら、適切に整備してまいります。

 

 

 

 

本県では猪子石住宅において、他県に先駆けて介護者専用の駐車場を整備しています。皆さんの先輩方は、時代を先取りして積極的に対応してきておられます。

 

 

 

皆さんは、そのことに誇りを持って、介護者専用の駐車場整備について、今後更に積極的に取り組んでいただきたい。

 

 

 

次に、買い物難民の問題について伺います。

 

 

 

昭和40年代に建設された名古屋市営住宅付近にあった公設市場が、買い物に行く人が少なくなりつぶれてしまっています。

 

 

 

今後、各地域において高齢化や人口減が進んでいくと市場がなくなり、買い物難民が出てくるのではないかと危惧しています。

 

 

 

県営住宅の入居者にも影響が出てきた場合は、管理者として移動販売車の仲介などをしないといけなくなると思いますが、県はどのように考えているのか伺います。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

現在、周囲に店舗がなく、遠方への買い物が困難であるなどの理由で、市町村と事業者、住民が連携し、移動販売車が定期的に巡回している県営住宅が一部でございます。

 

 

 

その場合、県営住宅内の使用について自治会から申請を受け、無償で県営住宅内の使用を許可しております。

 

 

 

移動販売車の県営住宅内での使用について、要望がありましたら、自治会をはじめとする関係者と実施に向けた連携を図ってまいります。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

次に、県営住宅を活用したグループホーム事業について伺います。

 

平成8年の公営住宅法の改正により、公営住宅の目的外使用許可として、社会福祉法人などに公営住宅を使用させることが可能になり、本県では、平成11年度に県営住宅条例を改正し、グループホーム事業を県営住宅で実施できるようになりました。

 

 

 

そこで伺いますが、最近の実績はどのように推移しているかお答えください。 

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室 主幹 答弁)

 

県営住宅におけるグループホームの実績についてお答えします。

 

 

 

平成27年度までは県内の4住宅20戸において社会福祉法人などに使用許可しておりましたが、平成28年度に3住宅18戸、平成30年度からは2住宅13戸に対してグループホームとして使用許可しております。

 

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

平成27年度までが4住宅20戸で、現在が2住宅13戸の実績では少ないと思います。

 

 

 

2戸を1戸にして部屋を広くするとか、壁や天井に防音材を設けるなど、県であらかじめ整備すれば、事業者が増えるのではないでしょうか。人にやさしい県営住宅としての目玉になると思いますが、県としてはどのように考えるかお答えください。

 

 

 

 

 

(県営住宅管理室長 答弁)

 

社会福祉事業を目的とした県営住宅の使用については、公営住宅法第45条に規定がありますので管理に著しい支障のない範囲内で、一時的に目的外使用を認めております。

 

 

 

住宅管理者として、どこの住宅のどの住戸がグループホーム事業に適しているかの判断をするのではなく、社会福祉法人などが県営住宅をグループホーム事業に活用したいとの申し出があった場合には、福祉部局と連携し、連続した空き家を提供するなど、可能な範囲で事業者の意向に沿った住宅や住戸を提供していきたいと考えております。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

グループホーム事業を行う事業者は零細事業者が多いので、住戸の改修などについては、福祉部局で補助金などの支援策を考えてほしいものです。

 

 

 

こういったことも含めて働きかけをよろしくお願いします。

 

 

 

次に、県営住宅の建替について伺います。

 

 

 

先日の所管事項説明会で、県営住宅の建替において、3住宅でPFI法に基づく事業者選定手続きを予定しているとの説明がありました。

 

 

 

極めて厳しい財政状況の中で、県営住宅の建替を効率的、効果的に進めるためには、PFI手法により民間の資金やノウハウを活用することが重要であり、時代の要請であると私は理解しています。

 

 

 

そのような中で、県営住宅の今後の建替手法について、県はどのように考えているのか、そしてその理由についても併せてお答えください。

 

 

 

 

 

(公営住宅課 主幹 答弁)

 

平成27年度に内閣府から、県営住宅を含む公共施設等の整備について、PFI手法等の優先的検討を行うよう要請されています。

 

 

 

また、県営住宅整備における財源の約半分を占める国の社会資本整備総合交付金についても、平成29年度から、PFI手法など民間活力導入による整備事業に対して重点的に配分が行われているところです。

 

 

 

本県では、今後、昭和40年代に建設された大量の県営住宅が一斉に更新時期を迎えるなか、老朽化が進む県営住宅を着実に更新していくことが重要な責務であると認識しており、PFI手法は、費用の縮減や、事業期間の短縮が図られるなど、有効な手法の一つであると考えております。

 

 

 

そのため、県営住宅の建替を行う際には、事前に民間活力導入可能性調査を実施し、その結果、PFI手法の導入に一定の効果が認められる場合は、PFI手法による建替を進めてまいりたいと考えております。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

PFI手法の導入について、県としてのメリットは理解ができました。では、民間事業者にはどのようなメリットがあるのかお考えを伺います。

 

 

 

 

 

(公営住宅課主幹 答弁)

 

PFI手法による整備の場合、民間事業者が設計・施工を一括して行うことになりますので、県が設計した仕様による資材や工法ではなく、民間マンションなどで使用されている資材や工法の採用が可能となります。その結果、資材調達が容易となり、設計段階から工程計画を立て、効率的に必要な職人を確保することが可能となります。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

PFI手法を導入した場合と従来の建替手法で住戸の大きさなど条件に変わりはあるかお答えください。

 

 

 

 

 

(公営住宅課主幹 答弁)

 

PFI事業の入札公告をする際に、施設の具体的な要求水準を示した要求水準書をあわせて公表しますが、その中で、2DK、3DKなどの住戸タイプや住戸タイプ別の必要戸数、大きさなどの条件を示し、従来の建替手法による住戸と同程度の面積の確保を求めております。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

PFI手法による建替を行う際には、民間事業者に対し県の求める水準をしっかりと示し、民間の優れたノウハウを活かしながら、より質の高い住宅を供給していただきたいと思います。

 

 

 

一方、PFI手法による建替を推進していくなかで、PFIの導入効果が認められない住宅があった場合、その住宅は用途廃止をするしかないということになるのでしょうか。

 

 

 

県の考えをお聞かせください。

 

 

 

 

 

(公営住宅課長 答弁)

 

県営住宅の効率的かつ円滑な更新を行うため、国が定める「公営住宅等長寿命化計画策定指針」に基づき、団地別の立地特性や敷地の状況、住棟別の耐震性能や居住性、ライフサイクルコストの縮減効果などから、個々の住宅の建替、長寿命化改善、用途廃止の方針を判定することとしております。

 

 

 

これにより建替と判定された住宅について、PFI手法を導入効果が認められない場合には、従来の手法により建替を進めてまいりたいと考えております。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

個々の住宅の状況をよく検証して、効率的に事業を進めていただきたいと思います。

 

 

 

これまで公営住宅課や県営住宅管理室の方々から答弁をいただきました。

最後に建築局長に総括して討論をまとめていただき、今後のあるべき姿・指針をお示しください。

 

 

 

 

 

(建築局長 答弁)

 

県営住宅の計画修繕、風呂設備の設置、駐車場の管理の問題やPFI手法などにつきましては、関係課室から答弁させていただきました。

 

 

 

県営住宅を適切に維持管理するうえで、計画的に修繕を実施していくということは大変重要でありますし、風呂設備のない住戸への対応についても重要な課題と認識しております。

 

 

 

低額所得者に低廉な家賃で賃貸する住宅であることや入居者の高齢化が進み、県営住宅を取り巻く環境が変化してきている状況を踏まえ、従来の建替による諸問題の解消のほか、従来の考え方にとらわれず柔軟な対応をしていくことが必要であると考えております。

 

 

 

今後とも、県営住宅が県民の住宅セーフティネットであることを十分認識し、諸課題についてしっかりと取り組んでまいります。

 

 

 

 

 

 (質問)筒井タカヤ議員

 

最後に要望します。

 

 

 

建築局全体としては、今、局長にお話いただいたとおり、問題の認識は十分いただいています。そして取り組みの姿勢も本当に微々たるものではありますが、少しずつ向上してきています。

 

 

 

ただ、問題は県の財政が今後良くなることはない状況下において、相当の努力をしないと財政当局が認めないと、この問題は同じように頓挫していきます。

 

 

 

頓挫するということは、セーフティネットである住宅が、更に県の貴重な財産である県営住宅が悪化の方向に向かうとなれば、より弱いものの住まう住宅が見放されている状況を進めていくことになります。

 

 

 

そういったことを財政当局と本当に真剣に議論していただいて、今後とも頑張っていただきたいということを強く要請して終わります。

 

 

 

また、9月の議会頑張りましょう。