令和2127

令和2(11:議会)福祉医療委員会

<議事録>

 

 

医療従事者の白衣について

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

県は3病院(がんセンター・小児センター・精神センター)があります。

 

そこでお尋ねします。医師・看護師・検査技師・薬剤師の白衣の取り扱い状況はどうなっているのかが疑問です。

 

ともすると、かつて一般病院でも白衣を取り替えず、その日に使用した白衣が吊してある光景、ロッカーに納めている姿など、又使用する光景を目にしています。(又、県が所管する保健所の職員は)どうなのかもお話しください。

 

今は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中では医療関係者は緊張感をもって臨んで欲しい思いもあってのお尋ねです。答弁を求めます。

 

 このお尋ねには、何も知りもしない議員がたまたま調査・視察をして重箱の隅をつつくような質問だとの反発の声もあるかと思う。

 

ただ素人だからこそ、重大なことを見つけ、改善を求めるんだと理解していただきたい。

 

 

 

 

 

【管理課課長】

 

病院事業庁の3病院におきましては、「愛知県病院事業庁職員被服等貸与規程」に基づきまして、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師や栄養士等の業務に必要な白衣等の貸与を行っております。

 

その日の勤務に使用した白衣等につきましては、3病院ともに、勤務終了後、毎日、指定の回収袋に入れることにより、医療系専門の業者によるクリーニングに出されておりまして、常に衛生的な白衣等を着用し、患者様への対応ができる体制としております。

 

 

 

 

がん対策について

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

県がんセンターの現在の体制で、他の総合病院から「がん患者」の紹介はあるのかをお尋ねします。

 

更に、今後、「がん患者」の紹介が、今、以上にあるようになったとき、どこまで、現在の体制で受け入れられるのかについてお尋ねします。

 

 

 

 

 

【管理課課長】

 

今年度4月から11月までの病院や診療所等から、がんセンターへの全体の紹介患者数は約5,300件であり、昨年を約15%下回っております。

 

なお、病院からの紹介患者数は、8月まででは昨年を約20%下回っておりましたが、9月以降は昨年を約3%下回る程度に留まっており、回復傾向にあります。

 

患者紹介につきましては、患者様又はその主治医ががんセンターを選択され、紹介されていらっしゃるものでありますので、その選択に応えられるよう、しっかりと対応をしてまいりたいと考えております。

 

 

 

 

 

がんセンターについて(三重大学病院の事件等を鑑みた質問)

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

お隣の三重県、三重大学病院で大きな事件がありました。

 

麻酔科の教授が主導して「嘘」の申告でもって、高価な医薬品で治療したとしての不正をしたとのようなマスコミの報道です。詳細なことは、事件の解明をもって明らかになるかと存じます。

 

これまでの報道では、医師グループが自己利益をもってのことではないようであります。

 

医療を取り巻く日本の医療制度に問題があるのでしょうが、いずれにしても「不正」は許せないものです。

 

 

・ 愛知県には県立病院(がんセンター、精神医療センター、小児保健医療総合センター等)があります。

 

同様のような事件が発生しないように3つの県立病院を所管する病院事業庁は、これは「他」のこととせずにしっかりと「経営」のあり方に留意して欲しいです。答弁を求めます。

 

 

 

 

 

【管理課課長】

 

報道等によるカルテの虚偽申告、記載が事実とするならば、あってはならないことでございます。

 

各病院に対しましては、「愛知県職員倫理週間」の実施、「不祥事チェックシート」や「不祥事防止の手引き」の活用促進など、不祥事防止を再三にわたり注意、喚起し、病院内の会議、院内ネット等により職員へ周知徹底を図っております。

 

今後とも、不正が起こらないよう、事業庁及び病院が一丸となってコンプライアンスの徹底に取り組んでまいります。

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

この三重大学病院では、「麻酔科」の医師がこの事件に関連して、ほとんどが職場を離れ、緊急手術の対応も出来ない状況のようです。

 

ご承知のとおり、日本の医学界の医師不足で麻酔科を担当する専門医は数において絶対的に不足しています。

 

三重大学の麻酔科を離れた専門医は実に、大歓迎でもって迎えられているとのことのようでもあります。

 

そこで私は、愛知県がんセンターの麻酔科の医師とお隣の静岡県がんセンターの麻酔科の医師との待遇条件を若干調べてみました。

 

私の知り得た情報では、年齢、経験、役職がほとんど同じような人材でしたが、愛知県がんセンターの麻酔科の医師の「給与」が、はるかに悪いことを知りました。

 

今後の改善も考えていただかないと「転職、引き抜き」ともなる要因になりかねます。

 

・ 県当局に愛知県がんセンターの麻酔科医と静岡県がんセンターの麻酔科医の給与の比較を求めましたが、どのような結果であったのか明らかにしてください。

 

 

 

 

【管理課課長】

 

静岡県がんセンターの麻酔科医の給料についてでございますが、「静岡県立静岡がんセンター事業職員の給与に関する規程」を見ますと、本県にはない臨床等業務手当がございまして、若手の医師で見ますと月額51,400円に麻酔科医師は月額20万円が加算されております。

 

県立病院の医師の給与は、自治体病院であることから、国の給料表、手当に準じ、給料、地域手当、初任給調整手当、時間外勤務手当、扶養手当などを支給しております。

 

本県では、これらのうち、麻酔科医の初任給調整手当につきまして、麻酔科医確保の観点から、他の医師より高く引き上げております。

 

委員ご指摘の静岡県がんセンターの麻酔科医につきましては、35歳副医長の給与モデル年収として2,000万円程度と公表されております。

 

愛知県の麻酔科医で試算をしてみますと、年収が1,700万円弱となり、300万円以上の差が生じている状況にあります。






(質問)筒井タカヤ議員

 

いろいろな条件だとか要因もあって、給与体系の変更は難しいこともあろうかとは存じます。但し、引き抜かれて転職となれば、更に、愛知県がんセンターは待遇が悪いとの評判と評判が広く拡散します。

 

麻酔科医の確保は更に困難となることも検討していかなくてはいけません。麻酔科医等の医師の確保に向けた、給与面の処遇についてはどのようなお考えか。先のことを考えての心配でありますので、答弁ください。

 

 

 

 

【管理課課長】

 

先ほど、ご説明させていただきましたとおり、本県では、麻酔科医の初任給調整手当について国の基準で5区分あるうちの最高額を適用するよう規程に定めており、他の医師に比して高くする処遇をしているところですが、静岡県のように本県と異なる手当を措置しいるところもあるようですので、今後、他の自治体病院の例なども研究して、医師の処遇を検討していきたいと考えております。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

麻酔科医は正規採用の職員になるよりも、あちら、こちらの掛け持ち医院の医師(アルバイト)非正規職員の方が、給与は格段に良いとのことであると言われています。

 

給与面に格差があり、同じ仕事ならば、転職、引き抜きを心配してのお尋ねです。

 

また、これら非正規の麻酔科医の他病院の掛け持ちの「日程」を見ながら、正規の麻酔科医が手術の体制を考えながらではないかと心配しています。愛知県がんセンターについて、可能な限りの実情をお話しください。

 

 

 

 

 

【管理課課長】

 

がんセンターにつきましては、現在、正規職員8名のほか、週に1日又は2週間に1日程度勤務する非正規麻酔科医を雇用しております。

 

委員ご指摘の正規麻酔科医と非正規麻酔科医の給与面の実情につきましては、在職の正規麻酔科医の時給に相当するものを試算してみますと、平均7,969円であることに対し、非正規麻酔科医は14,190円で雇用しておりまして、約1.7倍高くなっております。

 

人材の需給の関係で正規の麻酔科医の確保が難しい中で、がんの手術は長時間に及ぶケースが多いことなど、また、在職の正規麻酔科医に長時間の勤務を強いることを避けるためにも、時間単価としては高額となる非正規麻酔科医により日々の手術の麻酔医を補完している状況にあります。

 

なお、非正規麻酔科医の日程につきましては、正規麻酔科医の手術日程を埋めるかたちで組んでおります。

 

 

 

 

 

(質問)筒井タカヤ議員

 

何回も何回も、当委員会でお話していますが、県がんセンター敷地内にある、今は空家となっている旧看護宿舎を早急に解体して、当面は、大混雑している患者・家族・見舞客・医療関係者の駐車の不足を解消してください。

 

また、跡地利用について、県がんセンターの責任ある医師による長期計画・展望を持った施設計画の検討委員会の立ち上げを求めます。答弁を求めます。

 

 

 

 

【経営課課長】

 

がんセンターの建物につきましては、今年度末までに、老朽化対策などを盛り込んだ長寿命化計画を策定することとしておりますので、この計画の中で、旧看護宿舎の取り壊しについても検討してまいります。

 

また、跡地利用などの長期計画・展望を持った施設計画等の検討につきましては、今後の新型コロナ感染症の影響が不透明でありますので、まずは、新型コロナ感染症が収束し患者数が回復したときに治療が万全となるよう体制維持に努めてまいりたいと考えております。以上であります。

 

 

 

 

筒井タカヤ議員

 

再三求めているのは、がんセンター敷地の中で最後に有効活用できるところは旧看護宿舎の跡地だけであるということ。がんセンターの10年、20年、30年、50年先を考えて、どういったものを作っていくべきか、現在働いている責任ある医師の意見を持ち寄り考えていくことが一番大切であるということを言っている。

 

自分たちが考える、これからのがんセンターについて、委員会を立ち上げて、検討していくことを要望します。