令和3年6月29日
令和3年(6月:議会)警察委員会
<議事録>
(質問)筒井タカヤ議員
インターネットやスマートフォンの普及に伴い、サイバー犯罪は、県民に身近な社会的脅威として認識されるようになり、その手口も複雑、巧妙化している。
サイバー犯罪という言葉をよく耳にするが、サイバー犯罪とはどのようなものか、また、県内におけるサイバー犯罪の現状について伺う。
(サイバー犯罪対策課長答弁)
サイバー犯罪とは、主にコンピュータネットワーク上で行われる犯罪の総称で、三つの類型に分かれます。
一つ目は、インターネットバンキングやオンラインゲーム上で使用するIDやパスワードを盗み取ったり、それを無断で使用したりする不正アクセス禁止法違反、二つ目は、コンピュータ・ウイルスを作成したり、他人のパソコンに送信したりするいわゆるウイルス罪等のコンピュータ又は電磁的記録を対象とした犯罪、そして三つ目は、インターネットオークションで落札・入金した後、商品が送られてこないまま出品者と連絡が取れなくなる、オークション利用の詐欺等、コンピュータネットワークを利用した犯罪です。
次に、県内におけるサイバー犯罪の現状ですが、本年のサイバー犯罪の相談受理件数は、5月末時点、4,231件で、過去最高であった令和2年を上回るペースとなっており、内訳といたしましては、詐欺や悪質商法等に関する相談が全体の約4割を占めています。
また、5月中は、宅配事業者、通信販売事業者等を装ったメールを送信して、偽サイトに誘導し、ID、パスワード、クレジットカード番号等を入力させて情報を盗む、いわゆるフィッシングに関する相談を、前月より163件多い、270件受理している状況にあります。
(質問)筒井タカヤ議員
サイバー空間の一層の安全安心を確保するため、サイバー犯罪の取締りが必要と考えるが、県警察におけるサイバー犯罪の検挙実績について伺う。
(サイバー犯罪対策課長答弁)
県警察におけるサイバー犯罪の検挙状況につきましては、不正アクセス事件やネットワークを利用した児童ポルノ法違反事件のほか、コンピュータウイルス提供事件など、令和2年中は451件を検挙しました。
本年5月末時点では、昨年同期を133件上回る329件を検挙しています。
(質問)筒井タカヤ議員
このような情勢を踏まえ、県警察がサイバー犯罪に対して的確に対応していくためには、より専門的な知識を有する人材の確保が必要である。
そこで、サイバー犯罪に対応する専門的知識を有する人材の採用方策について伺う。
(情報技術戦略課長答弁)
県警察では、サイバー空間の脅威に的確に対応する高度な情報通信技術を有した人材を確保するため、一般の企業で情報技術者として勤務経験があり、ITに関する高度な専門的知識を有する者を平成11年に警察官として2人、平成26年及び平成28年に一般職員として各1人とこれまでに計4人を特別採用しております。
このほか、警察官の採用枠に情報技術区分採用という枠を設け、平成15年から情報技術の知識を有する職員を採用し、現在48人がサイバー犯罪捜査や情報管理に関する業務等に従事しているところであります。
引き続き、専門的知識を有する優秀な人材の確保に努めてまいります。
(質問)筒井タカヤ議員
サイバー犯罪への対応に当たっては、専門的な知識を有する人材の採用に加えて、サイバー犯罪に関する県民からの相談に迅速かつ適切に対応できるよう警察職員1人1人の対処能力を早期に向上させなければならないと考えられる。
そこで、サイバー犯罪に迅速かつ適切に対応するための警察職員の育成方策について伺う。
(情報技術戦略課長答弁)
県警察では、平成30年4月に情報技術戦略課を新設し、サイバー空間の脅威に対処するための推進体制を確立し、部門の枠を超えた人材育成に取り組んでおります。
情報技術に関する専門的知識を有する職員には、サイバー犯罪捜査等に従事させているほか、高度な情報通信技術を有する先進企業への派遣研修や、大学において情報ネットワーク等に関する講義を受講させる等、民間の知見を活用した能力の向上を図っております。
また、県警察全体の知識及び技能の底上げを図るため、県警察内のネットワークを利用して、職場にいながらいつでも学習を行うことのできる環境を活用した学習や、パソコンを使用してサイバー犯罪捜査の流れを模擬的に修得する実践型教養などの各種教養を、警察職員のレベルに応じて実施しております。
今後も、サイバー犯罪に適切に対応できる警察官の人材育成に努めてまいります。