題名 暴力団事務所の新設規制に関する条例改正について

 

 

今回の条例改正で住宅地域等に暴力団事務所の新規開設を規制する内容を追加しなかった理由や、今後も暴力団事務所の新 規開設を規制する条例の改正に向けて検討を進めて行かれるの かをお伺いします。

 

 

(組織犯罪対策課長答弁要旨)

 

今回の条例改正で住宅地域等に暴力団事務所の新規開設を規制する内容を追加しなかった理由についてご説明いたします。

 

まず、今回の愛知県暴力団排除条例の改正案では、暴力団排除 特別区域における禁止行為に、特定接客業者が「みかじめ料」として利益供与を行うことなどを追加するとともに、特定接客業者に違法状態の是正や暴力団との関係遮断を促すための自首減免規 定を新設するものです。

 

この改正案は、同じ暴力団員に対する利益供与であるにもかか わらず、それが「用心棒代」である場合には罰則の対象となり、「みかじめ料」である場合には罰則の対象とはならないという、刑の適用面における不均衡・不合理が存在し、実際に刑事事件として立件できないことがあるなど、現に捜査に支障が生じていることから、可及的速やかに改正する必要を認め、特に優先して本議会 に提出させていただきました。

 

昨年 12 月の警察委員会において、委員から、都市計画法に定める各種用途地域を利用した暴力団事務所の開設を禁止する規定を盛り込んだ大阪府暴力団排除条例を参考とした条例改正要望がなされていたところでありますが、県警察におきましても、その有用性については認識しております。

 

改正に当たっては、本県における暴力団事務所の開設状況をはじめとする暴力団の活動実態、改正によって生じる効果等を十分に考慮する必要があるため、今回の改正案には盛り込んでおりま せんが、現在も検討を続けているところであります。

 

県警察では、「暴力団の壊滅」を最重要課題の一つに掲げ、主要 幹部を中心とした取締りや、暴力団に資金提供を行っている暴力 団関係企業等に対する取締りを徹底するとともに、特殊詐欺、組 織窃盗、薬物密売等による犯罪収益の流れを解明・遮断すること によって、暴力団の資金的基盤に打撃を与える取組を推進しているところであります。

 

今回の暴力団排除条例の改正案についても、 「みかじめ料」として暴力団に流れる資金を遮断するためのものであります。 また、県警察では、暴力団から被害に遭った方々や暴力団との関係を遮断した方々に対する支援や、県民や企業等と連携して暴力団排除の機運を高める活動を推進しております。

 

さらに、暴力団の人的基盤に打撃を与えるため、暴力団離脱者 の就労支援等の社会復帰対策も行っているところであり、その取 組をより充実させるため、他機関との連携の一つとして、昨日、 名古屋刑務所との間で暴力団離脱支援等に関する申合せを締結したところであります。

 

今後も「暴力団の壊滅」に向けた各種取組 の一環として、委員ご指摘の暴力団事務所の開設を規制する暴力団排除条例の改正についても、引き続き検討してまいります。