2025.9月議会 教育・スポーツ委員会
愛知県立三谷水産高等学校の実習船「愛知丸」の新造の竣工式典が大勢のご参加をいただき盛大に開催されました。
この式典には、杉江委員長はじめ当委員会も参列いただいています。
新造船「愛知丸」は海洋での安全航海機能・調査に至る最新の設備がなされています。
次世代の愛知の海だけでなく、広く、日本から世界へ挑戦するであろう若き青年たちを育成する「希望の船」であると信じます。
そこで、お尋ねしてまいります。
県立高校進学フェアについて
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
私はこの夏、愛知県立高等学校を紹介する「進学フェア」の内、名古屋で開催された吹上ホール会場を視察させていただきました。
会場には、猛暑の中、7,000人を超える人々が参加されたようで、その盛況ぶりには正直に驚きました。
会場では、中学生と父母及び教育関係者が、事前に希望する時間帯の予約を行い、整列して入場しており、混乱のないようにとの運営側の配慮にも感心しました。
特に感激した光景は、自分の学校に後輩たちが入学するようにと在校する「生徒」がパンフレットを配布したり、自分の学校のブースで大きな声で呼びかけを行ったり、額の汗を気にすることなく真剣に対応する姿に、自らの学校の伝統を次世代にも伝えようとする「誇り」を感じ、それをサポートする教員の姿は、まさに「師弟一体」を体現しており、まだまだ、我が愛知県の教育も捨てたものではないと、すがすがしさを覚えました。
県当局は、このように取り組む姿勢をどのように理解されているのか、答弁を求めます。
【答弁要旨】
今年度の愛知県立高校進学フェアは、8地区10会場で、中学生とその保護者など、延べ2万人に参加していただきました。
このうち、吹上ホールで開催した尾張地区の進学フェアには、昨年度よりも約1,000人多い、7,300人余りと大変多くの方に参加していただきました。
教員だけでなく生徒が参加する高校も年々増えており、生徒たちが懸命に自分たちの学校をPRしている姿には、来場者から「在校生から直接話を聞けて学校生活のイメージが湧いた。」「ホームページだけではわからない学校の雰囲気を知ることができた。」などの好意的な意見をいただいており、各学校の魅力の発信に大きな効果があったものと考えております。
また、生徒たちが創意工夫を凝らしてPR活動に取り組むことは、通っている学校の魅力を見つめ直す良い機会となり、同時に自分の思いを他者に伝える力を養うことにもつながるものと理解しております。
愛知県立三谷水産高等学校について
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
あれだけの大勢の中学生徒・父母が、各学校のブースに押しかけ、更に「15分間」のステージ発表では、どこの学校も超満員でした。
ふと気づいたのは、三谷水産高校のブースは、いつも空席で、立ち寄る生徒、父母はほとんど見かけませんでした。
在校する「生徒」が、真剣に、参加者にパンフレットを配ろうとするものの、それを避けるような中学生・父母を見ていて、なんとも言えぬ想いを抱きました。
これまでの、テレビ、新聞等の報道によって、水産学校の生徒は、漁業者の後継育成を連想し、「カツオの一本釣り」の実習の光景のイメージがどうしても重なります。
そこで伺います。
現在の水産学校の現状をお話しください。
【答弁要旨】
三谷水産高校は、県内唯一の水産高校であり、本科3年制と専攻科2年制を設置し、我が国の水産業や海洋関連産業の将来を担う人材育成に取り組んでおります。
本科には、海洋科学科、情報通信科、海洋資源科、水産食品科の4学科を、専攻科には、海洋技術科を設置しており、各学科では水産・海洋分野に特化した専門的かつ実践的な教育が行われております。
委員お示しの通り、三谷水産高校は愛知丸でのかつお一本釣りで知られておりますが、それだけでなく、カキやウナギの養殖などの研究、国際的な評価のあるモンドセレクションに選ばれている「愛知丸ごはん」などの食品加工、ドローンを使ったプログラミング実習、ダイビング実習やマリンスポーツ実習など、多様な教育プログラムを実践しております。
また、本年度、学習環境のさらなる充実や水産業における技術革新へ対応するため、新たな「愛知丸」を18年ぶりに竣工いたしました。
新愛知丸は、先代に比べ、約2倍の大きさとなり、女子生徒用の居室の設置など、居住環境や学習環境を充実させるとともに、最新の設備により、安全に国際航海ができる、実習船となっております。
卒業後は、水産関係の大学に進学したり、海運会社や食品会社へ進んだりするなど、水産関連業界の多方面で活躍しております。
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
三谷水産高校のパンフレットには、このイメージを払う海洋科学を探究する学習内容等を含めて、「ここまで高校生に教えるのか」と驚くような「夢」と「希望」に溢れるものでした。
現在の中学生は、超少子化の中で育った「一人っ子」が多く、保護者に守られている傾向があります。小中学校時代には塾に通い、スポーツ部活動も激しさよりも優しさや友情を大切にする傾向が見られます。
三谷水産高校の応援歌には、1番に「くろがね色の腕(かいな)あり、競う相手は猛(たけ)くともティームワークの団結に、勇者の技をいざ見せん。」
2番には「不撓不屈の闘志あり、苦境にたとい臨むともシーマンシップの意気高く」とあります。
県立高校進学フェアに来場した中学生及び父母は、なるべく三谷水産高校のブースを避けるようにしているようにしていることを肌で感じました。
こう想う時、現在、どんな生徒がこの三谷水産高校に在学しているのか、又、どのような生徒募集をされているのかについてどうしても質問したく思いました。現状を、お話しください。
又、いかなる方法でもって中学校に呼びかけておられるのかに付いてもお話しください。
県民の貴重な税金を投入して、愛知丸の新造船を作ったが、その基である、生徒が来ない三谷水産高校であってはなりません。答弁を求めます。
【答弁要旨】
三谷水産高校では、船員、漁師、マリンスポーツ、情報通信、食品加工など水産・海洋関連産業への進路を志し、関連した資格取得を目指す生徒が学んでおります。
現在、本科生416名と専攻科生40名、合計456名が在籍しており、男女別では男子が404名、女子が52名となっております。
生徒募集については、県全域を募集対象とし、名古屋市をはじめとする34市町村から生徒を受け入れております。
遠方からの生徒には学生寮も整備されております。
中学生への呼びかけにつきましては、名古屋市、西三河、東三河地区で行われる進学フェアをはじめ、水産高校での学びに関心がある中学生が多く集まる、学校説明会や体験入学、学校祭などの行事のほか、学校のホームページなどで広く情報提供し、三谷水産高校でしか得られない学びの魅力を積極的に発信しております。
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
又、私の提案ですが、「三谷水産高等学校」の名称に、カッコ付きで、海洋サイエンス科学高校のようなサブタイトル等のような明記はいかがでしょうか。答弁を求めます。
これには、三谷水産高等学校にある「パンフレット」をとにかく中学生、父母に見て理解いただきたい祈りを込めています。
【答弁要旨】
委員お示しのように、学校名だけでは伝わりにくい学校の特色や教育活動を中学生やその保護者に伝えていくため、わかりやすいフレーズを効果的に使っていくことは大切であると考えます。
そのため、三谷水産高校では「水産高校でしかできない感動の体験!」、「海がつなぐ、海をつなぐ」といったフレーズを用いながら、生徒が作成に関わった、動画やSNSなどのデジタルコンテンツも活用して、学校紹介をしております。
ひき続き、中学生や保護者が話を聞いてみたいと思えるようなフレーズを、生徒と一緒に考えながら、効果的に学校が魅力を発信できるように努めてまいります。
旭丘高校の美術教室棟について
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
次に、旭丘高等学校のブースで、美術科のパンフレットを受け取り、学校での取り組みについて説明を聞きました。
すると、名東区に住む生徒の一人が、私が筒井タカヤであることを知って、親しげに話しかけてくれました。
その生徒に「今日はどうしてこの会場に来られたのですか?」と尋ねられたので、私は「ここ3年間、県立高校に進学する中学生の中には、進路指導の先生の勧めだけで入学を決めてしまい、入学後に『自分には合っていなかった』と感じるケースが見られます。
そうしたことが起きないよう、生徒自身が積極的に学校を理解し、納得して受験することが大切だと感じるようになりました。
だからこそ、私自身も学校を理解しようと思い、この会に参加しました。」と答えました。
また、地元、私学の東邦高校美術科は、旭丘高校美術科に追い付き、追い越せを目標としていることや、私の母校である東邦高校を全力で応援し、学校関係者と協力して美術棟の建設に尽力したことも伝えました。
すると、生徒は「自分の通う旭丘高校美術科の教室は、老朽化しているにもかかわらず、パンフレットには、竣工した当時のようなきれいな施設の写真が掲載されており違和感がある。」と教えていただきました。
そこでお尋ねします。
学校案内は、作成時点の情報となってしまい、現状と異なる部分もあると思うが、最新の情報は中学生にどのように伝えているか。答弁を求めます。
【答弁要旨】
学校案内は、性質上、随時更新できるものではないため、委員お示しのとおり、現状と若干差異がある場合がございます。
そのため、各学校においては、自校のウェブページを開設し、学校の近況をはじめ、授業や学校行事の様子、卒業生の進路実績などの情報を掲載し、いつでも閲覧できるようにしております。
また、ウェブページにアクセスしやすいようにするため、学校案内などにウェブページのURLや二次元コードを掲載しております。
県教育委員会では、中学生やその保護者が、進学を検討している学校の最新の情報を得ることができるよう、ウェブページに掲載している情報を随時更新するよう学校に伝えてまいります。
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
地元の東邦高校の美術の応援をされた筒井さんが、今度は旭丘の美術の応援をしてください、と言われ、その生徒に改善の約束をしました。
旭丘の美術科は、愛知の美術を学ぶ若い世代のあこがれです。
希望の星として輝いていただけるよう、整備(改修)を検討ください。
そこで質問です。
旭丘高校からも要望が出されていると思いますが、現状の説明を求めます。答弁を求めます。
【答弁要旨】
現状についてでございます。
旭丘高校の美術教室棟につきましては、1971年に建築され、今年で建築から54年となります。
2014年に耐震改修工事を実施し、これにあわせて、大規模改造工事を行い、屋上防水や外壁改修、内壁の一部改修工事を行いました。
その後10年経過しましたが、雨水(あまみず)が内部に浸み入り、それに伴う内壁の劣化や、壁材のはがれなどが生じており、これらに係る修繕工事の要望を学校から受けております。
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
旭丘高校の美術科に入学してきた生徒が、現状を見て失望しないように、改善の見通しについてもお話ください。答弁を求めます。
【答弁要旨】
改善向けた対応についてでございます。
旭丘高校の美術教室棟は建築から54年経過の建物であり、築60年を迎えるのは、6年後の2031年度となることから、次期長寿命化計画により、内装の改修を含めた長寿命化改修を行う予定となっております。
一方で、内壁の劣化や壁材のはがれなどが、現に生じていることから、今後、学校とよく調整しながら、改善のための対策を講じてまいりたいと考えております。
【議員質問】(筒井タカヤ委員)
ご答弁をいただいて、旭丘高校の美術教室棟が、すでに建築から
「54年」を経過し、更に、耐震改修及び大規模改造工事で屋上防水・外壁改修・内壁の一部改修工事も「10年」が経過。
それも、いま雨水が内部に浸み入り、内壁の劣化や壁材の「はがれ」が生じていることをお話いただきました。
すでに、旭丘高校からも県教育委員会に修繕工事の要望が提出されているとのこと、県教育委員会もすみやかに対策を講じる旨の発言もあり、理解をしました。
それがいつ頃になるのか、完成の目標をお示しください。
こうした案件は、予定は未定で、数年後のことが多い。
私に面談した生徒になんと答えて良いのか、戸惑っています。答弁を求めます。
【答弁要旨】
改善に向けた対応の時期についてでございます。
補修に当たりましては、旭丘高校美術教室棟の劣化や不具合が、どのような要因で生じているのか、それを踏まえてどのような対策を講じることが適切なのかなど、実際に専門業者等と現場を確認して、検討を進める必要があると考えています。
また、補修内容によっては工期も変わってまいります。
このため、いつまでに完成するかということは明確には申し上げられませんが、まずは実際の状況を速やかに確認し、学校と調整しながら、修繕にとりかかってまいります。