令和8年6月25日 建設委員会質問
(質問) 筒井タカヤ委員
今年の夏は、気象庁の長期予測によれば、赤道付近の海面温度の影響によりエルニーニョ現象など複雑な環境変化が重なり、日本列島は猛暑になるであろうと報道されています。
こうした中、労働環境の改善が必要であると考えますが、令和8年4月より、改正労働安全衛生法の本格施行が始まり、元請け業者は、労働者だけでなく、個人事業主を含めた作業従事者に対しても、事故防止のための対策を適切に行うことが義務付けられたところであります。
私は、日本最大の総合大学である日本大学を卒業し、校友会において本部副会長、また、会員約7,000名を有する愛知県支部の支部長でもあります。そうした関係から、医療、建設、芸術、流通など様々な分野の同窓生との交流の中で、愛知県政に関する相談や提言を受ける機会があります。
今回、その中でも建設現場に従事する仲間の声に耳を傾け、各種施策について確認してまいります。
日本は、急速な少子高齢化が進行しており、建設業界においてもその影響は顕著であります。屋外・屋内を問わず建設現場では、日本人の若年労働者の姿はごく少数であり、現場は高齢作業員と外国人労働者が中心となっているのが実態です。
こうした中、建設会社においては深刻な人手不足に直面しており、現在働いている従業員に対する安全管理体制を早急に改善しなければ、既存の人材ですら離職してしまう状況にあります。
担い手3法の改定に伴い労働環境の改善が叫ばれておりますが、現場を実際に体感している方は少なく、机上での計画だけではなく、実情に即した適切な指導・支援を求める声が現場から寄せられております。
また、建設会社の責任者からは、行政は「安全第一」や「工期厳守」を求めるものの現場の実態に寄り添った対応が不足しているとの指摘もあります。
実際の作業現場においては、現場によって、従来型の簡易トイレが暑さや臭気により使用困難な状況で、利用をためらうほどの環境もあるとの声も聞きます。
一方で、近年では強制換気機能やミストファンを備えたトイレの導入も進められています。
さらに、熱中症対策として、エアコン、給水器、空調服、ドライミスト、暑さ指数の計測などがあり、作業員に対しては冷却効果のある装備(いわゆる空調服・ペルチェ式ベスト等)を新入社員に優先的に配布するなど、様々な工夫を重ねている企業もあると聞いています。
また、猛暑が想定される7月・8月・9月の作業期間について、従来の「午前8時から午後5時まで」ではなく、例えば「早朝から正午頃まで」といったように、作業時間帯を見直す取り組みを行っている企業もあります。
そこでお尋ねいたします。
まず、私が申し上げた建設現場の作業環境について、県としてどのように把握しておられるのか、また、現場作業環境の改善にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。(答弁を求めます。)
【建設企画課 答弁】
・建設現場の作業環境の把握と環境改善に向けた取り組みについてであります。
・建設現場の作業環境の把握については、工事着手時に請負者より提出される施工計画書を確認し、作業員の作業環境向上に対する取組みや、熱中症対策についての内容を確認するとともに、定例打合せや現場立会い等にて、監督員が現場に出向き、現場の状況を確認しております。
・作業環境の改善に向けては、男女別快適トイレの設置及び、労働安全衛生法の規定に基づく熱中症対策の強化に取り組んでいるところであります。
これらにかかる費用については、工事の規模に応じて算出される現場を維持する経費等にて計上しております。
・加えて、猛暑における作業時間の対策として、気温、湿度等を考慮した暑さ指数と観測地点毎の過去の気象記録を基に作業不能な日数を定め、それを含めた工期設定するなど柔軟に対応しております。
・今後も現場の作業環境の状況をしっかりと把握し、現場作業員の環境改善が図られるよう取り組んでまいります。
(質問) 筒井タカヤ委員
次に、公共事業の発注に関して申し上げます。単に価格のみで評価するのではなく、労働環境の改善に具体的に取り組んでいる企業に対して評価する仕組みを検討すべきと考えますが、見解をお伺いします。
【建設企画課 答弁】
・企業が取り組む労働環境の改善については、工事の成績評定の評価項目において、「作業環境の改善」を設定しており、個々の現場の状況に応じて効果がある取組をしている場合に、適切に評価しているところです。
・また、成績評定の結果については、総合評価落札方式において、企業の工事成績を重要な評価項目として加点評価の対象としております。
・その他、労働環境の改善は優先度が高い事項であると認識しており、この内週休2日工事については、建設部門が発注する全ての工事に適用を順次広げるとともに、総合評価落札方式においても、重要な加点項目の一つとして取り組んでいるところです。よう、次年度から「自社だけでなく取引先とも一緒になって休み方改
(質問) 筒井タカヤ委員
次に、中東情勢の変化による建設工事への影響についてであります。
昨今、中東地域における情勢の変化により、我が国では原油の入手が困難となり、原油由来製品の供給が不安定となり問題となっています。
テレビや新聞といった各種メディアにおいても連日報道されておりますが、この影響は医療・農林水産業・食品産業・建設業など広い範囲にわたり、一部の建設資材においても供給が不安定な状況であります。
こうした中東情勢の変化をうけ、建設資材の調達状況についてどのように把握しているのか、また県が発注する県営住宅や県立学校といった建築工事、ならびに土木工事で施工する請負業者にどのような影響を及ぼしているのかについてお伺いします。
さらに、こうした現状に対して県の発注工事では、どのような対策をしているのかについてもお伺いします。
【建設企画課 答弁】
・資材調達に関する状況については、工事を発注・監督する所属や建設業団体からの情報収集を密に行い、資材価格や調達の遅れが工事に与える影響を随時確認しております。
・県が行う建設工事の請負業者への影響としまして、建築工事においては、現在のところ中東情勢を要因とする入札不調や工事中止は生じておりません。
ただ、原油由来製品の供給不安により、防水材や断熱材、各種塗料、ユニットバス、塩ビ管などの建築資材の価格上昇、調達の遅れが生じ始めております
また、土木工事においては、アスファルトや塗料、燃料などにおいて単価の上昇を確認しております。
・こうした現状への対策といたしまして、資材単価の上昇に対しては、資材単価の調査・更新の頻度を増やすなど、実勢価格を反映した適切な予定価格の設定に努めております。
・契約済みの工事においては、今般の予測不能な資材価格や労務費などの著しい変動に対し、請負代金額を適正な価格に見直す、いわゆるスライド条項の運用や、資材納期の遅延に対し工期の見直しを行うなど、請負者からの協議の申出には適切かつ柔軟に対応することとしております。
(質問) 筒井タカヤ委員
次に・・・令和8年(春)の「豊川用水」における異常渇水に関連する質問に移ります。
(質問)筒井タカヤ委員
東三河地域の豊川(とよがわ)においては、昨年の夏から雨が少なく、8月29日から4月28日まで、約8か月の長期にわたって節水が行われてきました。3月17日には宇連(うれ)ダムの貯水率がゼロになり、連日、マスコミにより深刻な渇水の状況が報道されました。
各家庭のテレビでは、ダムの貯水量はゼロ%の画面、いわゆるダムの水が本当に少なくなっているということが映し出され、不安を抱いた県民は多かったことと思います。
また、大村知事が、田植えの時期を農業団体に対して延期を呼び掛けるとの声明に対し、関係者は一層不安を覚えたことを記憶しています。
3月27日には、今回の渇水において最大の節水率となる農業用水と工業用水は50%、水道用水は30%まで強化されました。
また、同日に行われた豊川(とよがわ)緊急渇水調整協議会において、緊急的な渇水対策として、天竜川の佐久間(さくま)ダムからの緊急導水が決定されました。
佐久間ダムからの導水は、佐久間導水と言われており、発電用の佐久間ダムから、宇連(うれ)川(がわ)の支流、亀淵(かめぶち)川(がわ)へ、天竜川の水を豊川へ導水するものであります。通常の運用では、5月6日から9月20日までの期間に導水されていますが、今回は、1985年1月以来、41年ぶりに、この期間外に緊急導水されました。
そこで質問です。
緊急渇水対策として実施された佐久間緊急導水の具体的な内容と効果について説明してください。
次に、東三河地域では、約8か月にも及ぶ長期の厳しい節水を強いられました。
もっと早く佐久間緊急導水をすることはできなかったものでしょうか。
そこで伺います。
今回の佐久間緊急導水の実施の決定に至るまでの具体的な経過を説明してください。
また、その費用についての説明を求めます。
【水資源課長 答弁】
はじめに、佐久間緊急導水の実施内容と効果についてお答えします。
佐久間緊急導水は、4月25日から4月27日までの3日間実施され、導水量は合計28万7千立方メートルであります。
3月末からの降雨によりダムの貯水量は回復しつつあったものの、平年並みには至っていませんでしたが、佐久間緊急導水が行われたことにより河川流量が安定し、ダムの貯水量を温存できたことから、出水期に入る6月までの水供給に見通しが立ち、節水の解除につながりました。
次に、佐久間緊急導水の実施の決定に至るまでの具体的な経過及びその費用についてお答えいたします。
節水対策は、互譲の精神のもと、まずは利水者間で対応することとされていることから、豊川用水においても昨年8月29日に利水者による節水を開始し、段階的に節水率を強化してきました。
しかし、利水者による節水対策だけでは対応が困難になったことから、利水者が河川管理者に緊急渇水対策を要請し、2月20日より、豊川から仮設ポンプにより水を汲み上げ豊川用水へ放水することなどの対策が開始されました。
その後も降雨に恵まれず、3月17日には宇連ダムの枯渇に至ったことから、県民生活や地域経済などへ重大な影響を回避するため、河川管理者の斡旋のもと、天竜川水系の利水者に佐久間緊急導水を要請いたしました。
天竜川水系においても12月から節水対策が行われており、厳しい状況でありましたが、豊川の深刻な状況を鑑み、佐久間緊急導水の協力を得られ、実施の決定に至りました。
佐久間緊急導水に係る費用については、施設管理者である水資源機構から、通常の管理業務の範囲内で対応しており、新たな追加費用は生じないと聞いております。
(質問)筒井タカヤ委員
続きまして、豊川水系では1994年のいわゆる平成6年の列島渇水に続き、1995年、1996年と3年続けて深刻な渇水に見舞われました。
2001年には、豊川総合用水事業により、大島ダムを始めとする新たな貯水(ちょすい)施設が完成しましたが、その後も度々(たびたび)節水を余儀なくされ、2019年には、宇連ダムの枯渇に至りました。
そこで質問です。
現在、豊川水系の利水と治水のために実施されている設楽(したら)ダム建設事業はどこまで進んでいますか。
また、設楽(したら)ダムが完成していれば、今回の渇水被害をどの程度軽減することができたのか、お答えください。
【水資源課長 答弁】
はじめに、設楽ダム建設事業の進捗についてお答えいたします。
総事業費約3200億円に対し、今年度当初予算までの累計事業費は約2213億円であり、69.2%の進捗率であります。
2023年9月からダム本体基礎掘削を行う建設1期工事に着手しており、2034年度完成に向けて工事が進められております。
次に、設楽ダムが完成していた場合に推定される渇水被害の軽減効果についてお答えいたします。
2026年6月4日に中部地方整備局が開催した「令和8年豊川渇水報告会」において、中部地方整備局は、設楽ダムが完成していれば、同ダムからの補給により今回の渇水を回避できたとの試算結果を公表しております。
設楽ダムの利水容量は7300万立方メートルであり、これは近年の豊川用水年間使用水量の3割弱に相当いたします。
県としても、設楽ダムは東三河地域の渇水被害の軽減に大きく寄与すると考えており、引き続き早期完成を国に働き掛けてまいります。
(質問)筒井タカヤ委員
今回の渇水においてはダムの貯水量(ちょすいりょう)が極端に少なくなり、枯渇の恐れが生じてくると、突然、テレビや新聞などの報道が過熱し、センセーショナルな報道がなされましたが、通常時においては、ダムの貯水状況に関する情報が県民に届いていないように思います。
今年は、異常気象、エルニーニョ現象の発生が発表されておりますが、太平洋の水温の上昇により、日本列島の夏は高温となると予測されており、例年より水の利用量が増えると想定されます。このことからも、普段からダムの貯水状況が発信されて、県民が節水に心がけていく必要があるのではないかと思います。
そこで質問します。
ダムの貯水状況について、県民にどのように発信していますか。
また、渇水時の情報発信に関する県の考え方について答弁を求めます。
【水資源課長 答弁】
ダムの貯水状況について、豊川用水においては、施設の管理者である水資源機構中部支社及び豊川用水総合管理所が、ダム貯水量をウェブサイトへ掲載しており、常に最新のデータを確認することが可能となっております。
県としましては、県のウェブサイトにリンクを掲載するなどして、県民がダムの貯水状況を簡易に把握できるよう努めております。
次に、情報発信に関する県の考え方について、平常時は、水の作文コンクールや水道週間等を通じて、水が限られた貴重な資源であることの普及啓発に努めております。
節水の初期段階では、ウェブやポスター等による広報によって、利水者の自主的な取組を促しており、節水対策の強化に従い、広報車の巡回、減圧給水の実施、県渇水対策本部の設置や知事による節水の協力の呼びかけ等、段階的に対応を行い、社会的な混乱を招かないように努めております。
(質問)筒井タカヤ委員
次には・・・県営住宅に関連する事業に付いて質問してまいります。
2年前の建設委員会では、県営住宅の諸問題を中心に議論をしたわけだが、まずは今一度、「県営住宅とは何か」について聞いていきたいと思う。
先の所管事項説明会においても、そうした説明はなかったと聞いているので、改めてお聞きする。
県営住宅はどういった経緯で、どうやって整備し、どう県民の方に提供しているのか伺う。
【公営住宅課長(計画・建替)答弁】
県営住宅は、戦後の復興期における住宅の絶対的な不足を解消するため創設された公営住宅法に基づく公営住宅として、建設、整備がなされてきたものである。
公営住宅法では、国と地方公共団体が協力して、住宅に困窮する方に、健康で文化的な生活を営める住宅を低廉な家賃で供給することとされており、高度経済成長期である昭和40年代、50年代には、当時の住宅不足に対応するため数多くの県営住宅が建設された。
現在の県営住宅は、平成8年の公営住宅法改正により、真に住宅に困窮する低額所得者に供給する住宅として位置づけられている。
(質問) 筒井タカヤ委員
県営住宅は国と県とが協力して整備されてきたわけだが、国と県の関わりについて伺う。
一般的に、賃貸住宅は大家が家賃を設定して、入居を希望する方に入居してもらうことを決めるわけであるから、多くの県民の方は、県営住宅も同じように、県が自由に住宅を建設し、大家である県が家賃や入居資格を独自に決めていると思っている。
国と県の関係を知る方は皆無だと思う。
そこで、伺う。県営住宅に関する国と県の関わりについて、基本的な説明を求める。
【公営住宅課 担当課長(計画・建替)答弁】
公営住宅法では、県などの地方公共団体が公営住宅の建設等を行い、住棟や附帯する施設の建設費について、国が補助することとされている。
住宅の整備基準や家賃の算定方法、入居者の資格、募集方法などは公営住宅法の規定に基づき、各地方公共団体が条例で定めている。
このほか、国の技術的助言や各種要綱などにより、具体的な基準などが定められている。
また、事業実施にあたっては、住宅の整備計画について国の確認が必要となっており、本県を含め地方公共団体は、これらの規定等に基づいて公営住宅の整備、管理を行っている。
(質問) 筒井タカヤ委員
さらに具体的に伺う。県営住宅の整備はどのように行われているか説明を求める。
【公営住宅課担当課長(計画・建替)答弁】
県営住宅の整備は、地域における住宅需要を踏まえ、敷地を取得し、住棟の配置や戸数など基本計画を策定し、住宅の実施設計、工事と進めていくものになる。
近年は、敷地を購入して新たに県営住宅を建設することは行っておらず、既存の住宅の建替と長寿命化改善事業が主体となっている。
整備にあたっては国費が充当されることとなるため、その条件である愛知県地域住宅計画や愛知県営住宅長寿命化計画を策定し、これらに基づき、国の補助を受け、事業を行っている。
(質問) 筒井タカヤ委員
県営住宅の建設、整備について答弁をいただいたが、では次に、県営住宅にはどのような方が入居でき、家賃は、どのような計算方法で定められているのかお尋ねする。
【県営住宅管理室 担当課長(県営住宅) 答弁】
県営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸する住宅なので、入居を希望される方の月額所得が愛知県県営住宅条例で定める所得額以下である必要がある。
県営住宅の家賃は、入居者の収入による負担能力である応能と住宅の立地、規模など住宅から受ける便益である応益により家賃を決定する、いわゆる応能応益方式となっている。
具体的には、住宅が立地する市町村の立地係数、入居する住戸の専用床面積の規模係数、建設した年度からの経過年数係数、及び住宅のある区域とその周辺地域の状況などによる利便性係数、この4つの係数を併せて応益係数と呼ぶが、この係数を入居者の収入区分ごとに国が定める家賃算定基礎額に乗じて家賃を算定している。
(質問) 筒井タカヤ委員
今、答弁いただいたように、県営住宅は民間の賃貸住宅のように建設や管理に要する費用から家賃を算定するのではなく、入居者の収入と住宅から受ける便益によって家賃が決まっているわけである。
当然、収入が低ければ家賃も低くなるわけである。
では、現在、県営住宅に入居されている方の収入の状況はどうなっているか。
収入区分の一番低い方の割合を教えていただきたい。
また、平均家賃は幾らか。
答弁を求める。
【県営住宅管理室課長(県営住宅) 答弁】
現在、県営住宅に入居されている世帯の収入状況であるが、月額所得が104,000円以下である収入分位1の世帯が全入居世帯の約70パーセントを占めている。
また、県営住宅の平均家賃は、約25,000円となっている。
(質問) 筒井タカヤ委員
県営住宅に住んでいる方の7割は、世帯所得が月額104,000円以下、収入の区分が1とのことである。
県営住宅は、入居者の方の収入に応じた家賃となるわけだから、平均家賃をみても、近隣の民間住宅の家賃よりもかなり低くなっているはずである。
平成8年に公営住宅法が改正される前の県営住宅の家賃は、建設に要した費用から補助金相当額を除いた額を原価とし、その原価を上限として家賃を決定する法定限度額方式だったが、公営住宅法の改正により、県の家賃収入は激減し、それまで行っていた計画的な建物修繕もままならなくなってしまったのである。
特に、昭和40年代から50年代には大量の県営住宅が建設され、こうした住宅は計画的な修繕ができていないから、外壁は黒く汚れ、配管も腐食してダメになっても騙し騙し部分的な修繕で何とか使ってきたわけである。
先程、現在の県営住宅の整備は建替や長寿命化改善の事業を行っているとのことだったが、手を付けなければならない住宅があまりにも多く、いつ事業を実施してくれるのか県営住宅に入居する方も不安な思いで生活しているのではないかと思う。
老朽化した県営住宅の建替事業や長寿命化改善事業は、どのような方針、計画で進めていて、どういったものであるのか伺う。
【公営住宅課 担当課長(計画・建替) 答弁】
建替事業については、老朽化が進んでいる昭和40年代以前に建設されエレベーターが設置されていない住宅で実施している。
建替に当たっては、住棟の高層化により住戸を集約し、必要な駐車場敷地を確保することとしており、省エネルギー性能等に優れた良質な住宅を供給することとしている。
長寿命化改善事業は、昭和50年代前半に建設されたエレベーター付きの住宅を中心に、外壁や屋根、配管等の改修に加え、住宅外部の段差の解消や手すりの設置等のバリアフリー化を図ることで、居住環境の向上に取り組んでいる。
(質問) 筒井タカヤ委員
私の地元の県営高針住宅は、昭和50年、51年に新たに建設された、7階建て、8階建ての5棟からなる県営住宅である。
建設された当時は、牧野ケ池緑地に隣接して自然環境も良く、県営住宅の敷地に名古屋市営の保育園もあり、小学校や病院、大型ショッピングセンターも近く、名古屋市内でも最良の県営住宅として評判の住宅だった。
その高針住宅も、建設されてから50年が経過した。
この間、大規模な修繕がなされず、薄汚れ、手入れがされていない状態で、住人の方からも「この幽霊住宅を早く改善してほしい」との声が数多く届いている。
県営高針住宅は、最近ようやく大規模改修である長寿命化改善工事が1棟から着手されたが、県営高針住宅の大規模改修計画はどうなっているのか。
どういった改修を行い、改修はいつから始まって、いつまでに終える予定であるのか伺う。
【公営住宅課 担当課長(建設・改善)答弁】
県営高針住宅は5つの住棟があり、長寿命化改善工事の実施にあたっては、敷地内で足場など工事ヤードの確保が必要となるので、1棟ずつ実施することとしている。
まず、令和4年7月に1号棟に着手し、1号棟の工事が完了したのち、令和6年7月に2号棟に着手、本年5月に2号棟の長寿命化改善工事が完了している。
1号棟、2号棟の工事の内容は、外壁塗装、屋根の防水塗装、給排水配管等の改修を行うとともに、住宅外部の段差の解消や手すりを設置するなどバリアフリー化を図っている。
3号棟については、1号棟、2号棟と同様な長寿命化改善工事を今年度、第2四半期に発注する予定としている。
県営高針住宅全体の長寿命化改善事業の終了時期については、現時点では未定であるが、効率的に事業を実施して、残る4号棟、5号棟についても、順次、長寿命化改善工事に着手していく。
(質問) 筒井タカヤ委員
県営高針住宅の2号棟の大規模改修では、給排水工事が三度も入札不調となり、4回目の入札でようやく工事業者が決まったといういきさつがある。
2号棟は当初、入居者の方に対して、令和7年8月に工事が完了するとの説明があったが、遅れも遅れて今年5月にようやく完了した。
3号棟の工事も心配である。2号棟での教訓を受け、同じような事態が生じないように県当局として、工事の発注をどうしていくのか検討をしたのか。
県営高針住宅の3号棟の大規模改修工事の発注で、中東情勢を含め資材や人材の不足などで工事に影響が出ないか伺う。
【公営住宅課 担当課長(建設・改善)答弁 】
県営高針住宅2号棟の長寿命化改善工事においては、給排水工事の入札が不調となったことにより、工期に遅れが生じたことで入居者の皆様にご迷惑、ご心配をおかけした。
3号棟の工事の発注にあたっては、2号棟における状況を踏まえ、実勢価格を反映した適切な予定価格の設定や十分な工期の確保など、不調が生じないよう努めていく。
また、中東情勢等の影響により、資材価格の高騰や供給の不安定化が懸念されているところであるが、引き続き、資材等の動向を注視しながら、工事の円滑な実施に努めていく。
(質問) 筒井タカヤ委員
もともと県営住宅というものは、県の定めによって20年に1度は大規模改修を行うことになっている。
その倍以上、50年も経ってやっと初めてこういった改修を行うこと自体が異常な事態である。
こういったことの問題を早急に取り組まなければいけないと思う。
特に、県営高針住宅に住んでいる方は、早くこの幽霊住宅を何とかしてほしいと、切実な思いで毎日を過ごしている。
一刻も早く長寿命化改善を進めていただきたい。
次に、県営住宅の風呂設備について、順次伺う。
日本は先の戦争で壊滅的な状態となり、日本の国民は住む住宅もなく本当に困窮していた。
何とか住むところを国民に提供するのが当時の国策だった。
国民に住宅を提供するため、各地方で公営住宅である県営住宅、市営住宅、町村住宅を建設した。
戦後の住宅難から高度成長期に移り、更に住宅需要が高まり、本県でも、この時期に大量の県営住宅が建設されたわけだが、この当時、エレベーターは6階建て以上の住棟にしか設置されず、エレベーターのない5階建て以下の住宅が主流であった。
また、それぞれの住戸においては浴室はあったが、そこには浴槽や風呂釜の風呂設備は付いておらず、入居者が自費で設置するようになっていた。今の時代には考えられないが、当時はそれが当たり前だった。
県営住宅に風呂設備が付いたのは、昭和61年以降に入居が始まった住宅からである。
これは事実か。昭和61年以降に管理が開始された県営住宅は風呂設備が完備となった理由は何か。
どうして風呂設備を付けることとなったのか伺う。
【公営住宅課 担当課長(建設・改善)答弁】
昭和61年4月1日以降に管理を開始した新築住宅については、すべての住戸に浴槽及び風呂釜を設置している。
一方、それ以前に管理を開始した住宅においては、浴室は整備されているものの、浴槽及び風呂釜などの風呂設備は、当時の制度や社会状況を背景として、入居者の方に設置をお願いしてきた経緯がある。
風呂設備を建設時に設置することとなった理由については、昭和55年に国から、入居者負担の軽減等の観点から、浴槽及び風呂釜の設置に努めるよう通知がなされたことを踏まえ、本県においても対応を進め、昭和61年以降、設置することとしたものである。
(質問) 筒井タカヤ委員
昭和60年以前に管理が開始された県営住宅は、風呂設備が付いていないことについて、お尋ねする。
まず、風呂設備が設置されていない県営住宅の入居状況はどうなっているか。
こうした住宅は入居者が自分で風呂設備を付けているわけであるから、どれだけの方が入居するときに自らの費用でもって風呂設備を付けなければならなかったか、県が風呂設備を設置した住宅の総数とともに伺う。
【県営住宅管理室 担当課長(県営住宅)答弁】
令和8年5月現在で、県営住宅56,465戸のうち、県が風呂設備を設置した住戸は28,576戸であり、設置率としては、約51パーセントとなっている。
一方で、残る27,889戸は風呂設備が付いていない。
このうち、入居中の住戸は18,320戸で、県営住宅全体の約32パーセントについては、入居された方に風呂設備を設置していただいている。
(質問) 筒井タカヤ委員
県営住宅の18,000以上の入居者の方が自己負担で風呂設備を付けている。民間の賃貸住宅では考えられないことである。
風呂設備を付けるには幾らかかるのか。風呂設備がない県営住宅に付ける風呂釜は、バランス釜式、ホールインワン方式、給湯器式があるが、それぞれの設置費用を伺う。
【公営住宅課 担当課長(建設・改善) 答弁】
風呂設備が設置されていない住戸に県が風呂設備を設置する場合、浴槽の外側に風呂釜を設置するバランス釜式で約40万円、浴室内のバランス釜の給排気口を利用して給湯器を設置し、浴槽を一回り大きなものにできるホールインワン式で約50万円、給湯器を屋外に設置する給湯器式は、新たに配管の設置などが必要となるため約100万円となっている。
(質問) 筒井タカヤ委員
昨年度、風呂設備がないと明記して入居者を募集した県営住宅はどれだけあるのか。どれだけの方が入居され、自費で風呂設備を付けたのか。それぞれの状況を伺う。
【県営住宅管理室 担当課長(県営住宅)答弁】
県営住宅の入居者の募集は、抽選で入居者を決定する定期募集を年3回実施している。
また、空き住戸が多い住宅については、年3回募集する住宅を見直しながら入居者の募集をしている常時募集を行っている。
令和7年度に風呂設備がないと明記して入居者を募集した定期募集は251戸あり、入居は143戸であった。
また、常時募集では延べ1,428戸で風呂設備がない住戸で入居者を募集したが、令和7年度に新たに入居したのは291戸であった。
従って、令和7年度に風呂設備がない住戸に入居された434戸については、入居された方に風呂設備を設置していただいている。
(質問) 筒井タカヤ委員
県営住宅そのものは低額所得の方が入居するセーフティネットの住宅で住んでいただく住宅である。
それなのに、入居するためには40万、50万、100万もする風呂設備を自分で付けなければならない。
昨年度だけでも、新たに入居した400世帯以上の方に、多大な経済的な負担を強いている。
当然、故障すれば入居者の自己負担で修理を依頼するか、風呂釜の取替をしなければならない。
さらには、退去するときには、入居者は自らの設置した風呂設備の撤去を求められる。
まったく住宅セーフティネットになっていない。
民間のマンションに入居するのに、入居者が何十万円も風呂設備一式に投資して、退去時にはその風呂一式を自ら処分する条件は、どこにも存在しない。こんなことを平気でやっている。
県営住宅に風呂設備がないことの問題点については、過去の建設委員会において幾度も幾度も私は質問してきたが、令和7年2月議会の建設委員会において、県当局は令和7年度に風呂設備が付いていない県営住宅の100戸に風呂設備を設置するとの答弁をされた。
実際、100戸に風呂設備を設置されたのか。今年度はどうなっているのか伺う。
【公営住宅課 担当課長(建設・改善)答弁】
令和7年度については、21住宅において、計100戸に風呂設備を設置した。
今年度についても、同様に100戸の設置を予定している。
(質問) 筒井タカヤ委員
風呂設備がない県営住宅が未だに28,000戸もある。
毎年度、風呂設備を100戸付けるだけでは、いつまで経ってもすべての県営住宅に風呂設備は付かない。
県民の方に住宅セーフティネットとして安価に提供すべき県営住宅が、入居に際して多大な負担をさせて、平然と入居者募集を行っている実態をどのように理解しているのか。
なぜ、早急にすべての住宅に風呂設備を付けないのか。
不思議でならない。
【公営住宅課 担当課長(建設・改善)答弁】
県営住宅の整備については、国の交付金制度等を活用しながら、老朽化が進んでいる住宅の建替事業のほか、既存住宅の外壁や配管等の改修を行う長寿命化改善事業、居住性の向上を図る住戸改善事業のバランスを考慮して進めている。
風呂設備の設置について、これらの事業を進める中で、効率的に実施できるよう努めていく。
(質問) 筒井タカヤ委員
では、入居者の方が自ら付けた風呂釜が古くなって、取替の時期が来たときはどうなるのか。
県で取替えてもらえるのか。
風呂釜の取替えでも、また何十万円というお金が必要になる。
風呂設備が個人負担ということは、県営住宅に入るにも、出るにも、そして風呂釜を交換するにも、すべて入居者の方が費用を負担しなければならない。
入居者の方からは、「家賃の値上げにも応じる。だから県で風呂設備を取り替えてもらえないか」という切実な思いの「声」が数多く届いている。
これにどのように応えてもらえるのか。このことについて、県当局はどのように考えているのか伺う。
【公営住宅課長 答弁 】
風呂設備については、まずは、未設置住戸への設置を優先的に進めることにより、新規入居者の負担軽減を図ることが重要であると考えている。
一方で、入居者の方が設置され、個人の所有物である風呂設備の取替えについては、県で直接的に対応することは困難と考えるが、入居者の方の負担軽減について、どのような対応ができるかを検討していく。
(質問) 筒井タカヤ委員
ここまで県当局にご答弁いただいたが、全く理解ができるものではない。
県の建築局は、住宅を提供するのが仕事で、そこに入居をしたいと思う住民のことは何も考えていないようにしか思えない。
これからも何もできないという姿勢なのか。
平成8年の公営住宅法の改正によって県営住宅の家賃は大幅な値下げとなり、県の家賃収入は激減した。
その結果、今まで20年や25年で計画的に修繕していた外壁塗装や屋上防水など予防保全的な維持管理に必要な予算が確保できなくなったのが現実である。
しかし、公営住宅の制度を変えたのは国であり、県である。
それを入居者や入居を希望する方に押付けることは、まったくもっておかしいことである。
計画的な修繕ができていれば、少なくとも幽霊住宅と呼ばれ、入居したくないと言われることもなくなる。
50年も経って改修や改善をすれば、老朽化による大規模な工事となって、かえって工事費が高くなるのではないか。
風呂設備も予算が確保できないから、いつまでも設置が進んでいない。
この問題は、県営住宅を担当する課だけの問題ではない。
本県の住宅セーフティネットの中心である県営住宅が、その役割を果たせていないといった大きな問題であり、大規模改修にも、風呂設備の設置にも予算が必要である。県営住宅を必要としている方のためには、予算を確保する必要がある。
建築局のトップである建築局長にその責任がある。建築局長、最後に総括してお答えいただきたい。
【建築局長 答弁】
県営住宅は、本県における住宅セーフティネットの中核をなすものであり、住宅に困窮する方々に対して、適切な住環境を提供する重要な役割を担っていると認識している。
一方で、多数の老朽化した住宅において、必要な改善が十分に行き届いていないことや、未だ風呂設備が整備されていない住戸があることなどが課題であると承知している。
こうした課題については、直ちに解決することは困難であるが、引き続き、職員と問題意識を共有しつつ、必要な予算の確保に努めるとともに、様々な工夫を凝らしながら、効率的・効果的に取り組んでいく。
(質問) 筒井タカヤ委員
この答弁は2年前も同じようなことを言っている。
何も進んでいない。結局、特別な予算を作るということは、要は国からの交付金を待つのではなく、愛知県自ら県民のためにその予算を確保する、計画性を持つ、即ち財政調整基金等の長い見通しと計画を立てる、そういったことが必要ではないか。
それなくして何ができるのか。同じことを何遍も何遍も、私も52年も県会議員をしているが、同じ答弁を何遍聞いても一緒である。
住んでいる人は本当に悲惨な状態である。これから住もうとしている人にとっては、まったく愛知県の姿がセーフティネットとしての役割をしているとは思えない。県民を代表する議員として怒って質問している。
それは怒るだけではなく、対策を立てなければならない。
そういったことをあなた方が作らなくて議員がどうして賛成できるのか。その必要を問うている。
もう一度答弁を求める。
【建築局長 答弁】
委員の発言については、建築局としても、これまで様々な取り組みをしてきた。
しかしながら、まだ至らぬ点があることは十分認識している。
これからも予算の確保に努め、できる限りのことをやっていきたいと考えている。
(質問) 筒井タカヤ委員
できる限りのことをするというのは、できることが今の状態ではできない。
財政当局と財政調整基金を自ら作ってでも、県民の状況を改善していくという姿勢を見せなければできない。
長期に渡った計画を立てないとだめである。それが建築局長の責任である。それを強く訴える。もう一度答弁を求める。
【建築局長 答弁】
委員のご指摘は承った。これからは建築局としても、財政当局としっかり議論する等、少しでも多くの予算を確保できるように努めていきたいと考えている。