令和8年6月 建設委員会質問
豊川(とよがわ)用水の渇水対策について
質問 筒井タカヤ委員
東三河地域の豊川(とよがわ)においては、昨年の夏から雨が少なく、8月29日から4月28日まで、約8か月の長期にわたって節水が行われてきました。
3月17日には宇連(うれ)ダムの貯水率がゼロになり、連日、マスコミにより深刻な渇水の状況が報道されました。各家庭のテレビでは、ダムの貯水量はゼロ%の画面、いわゆるダムの水が本当に少なくなっているということが映し出され、不安を抱いた県民は多かったことと思います。
また、大村知事が、田植えの時期を農業団体に対して延期を呼び掛けるとの声明に対し、関係者は一層不安を覚えたことを記憶しています。
3月27日には、今回の渇水において最大の節水率となる農業用水と工業用水は50%、水道用水は30%まで強化されました。
また、同日に行われた豊川(とよがわ)緊急渇水調整協議会において、緊急的な渇水対策として、天竜川の佐久間(さくま)ダムからの緊急導水が決定されました。
佐久間ダムからの導水は、佐久間導水と言われており、発電用の佐久間ダムから、宇連(うれ)川(がわ)の支流、亀淵(かめぶち)川(がわ)へ、天竜川の水を豊川へ導水するものであります。
通常の運用では、5月6日から9月20日までの期間に導水されていますが、今回は、1985年1月以来、41年ぶりに、この期間外に緊急導水されました。
そこで質問です。
緊急渇水対策として実施された佐久間緊急導水の具体的な内容と効果について説明してください。
次に、東三河地域では、約8か月にも及ぶ長期の厳しい節水を強いられました。もっと早く佐久間緊急導水をすることはできなかったものでしょうか。
そこで伺います。
今回の佐久間緊急導水の実施の決定に至るまでの具体的な経過を説明してください。また、その費用についての説明を求めます。
(答弁)水資源課長
はじめに、佐久間緊急導水の実施内容と効果についてお答えします。
佐久間緊急導水は、4月25日から4月27日までの3日間実施され、導水量は合計28万7千立方メートルであります。
3月末からの降雨によりダムの貯水量は回復しつつあったものの、平年並みには至っていませんでしたが、佐久間緊急導水が行われたことにより河川流量が安定し、ダムの貯水量を温存できたことから、出水期に入る6月までの水供給に見通しが立ち、節水の解除につながりました。
次に、佐久間緊急導水の実施の決定に至るまでの具体的な経過及びその費用についてお答えいたします。
節水対策は、互譲の精神のもと、まずは利水者間で対応することとされていることから、豊川用水においても昨年8月29日に利水者による節水を開始し、段階的に節水率を強化してきました。
しかし、利水者による節水対策だけでは対応が困難になったことから、利水者が河川管理者に緊急渇水対策を要請し、2月20日より、豊川から仮設ポンプにより水を汲み上げ豊川用水へ放水することなどの対策が開始されました。
その後も降雨に恵まれず、3月17日には宇連ダムの枯渇に至ったことから、県民生活や地域経済などへ重大な影響を回避するため、河川管理者の斡旋のもと、天竜川水系の利水者に佐久間緊急導水を要請いたしました。
天竜川水系においても12月から節水対策が行われており、厳しい状況でありましたが、豊川の深刻な状況を鑑み、佐久間緊急導水の協力を得られ、実施の決定に至りました。
佐久間緊急導水に係る費用については、施設管理者である水資源機構から、通常の管理業務の範囲内で対応しており、新たな追加費用は生じないと聞いております。
(質問)筒井タカヤ委員
続きまして、豊川水系では1994年のいわゆる平成6年の列島渇水に続き、1995年、1996年と3年続けて深刻な渇水に見舞われました。
2001年には、豊川総合用水事業により、大島ダムを始めとする新たな貯水(ちょすい)施設が完成しましたが、その後も度々(たびたび)節水を余儀なくされ、2019年には、宇連ダムの枯渇に至りました。
そこで質問です。
現在、豊川水系の利水と治水のために実施されている設楽(したら)ダム建設事業はどこまで進んでいますか。
また、設楽(したら)ダムが完成していれば、今回の渇水被害をどの程度軽減することができたのか、お答えください。
(答弁)水資源課長
はじめに、設楽ダム建設事業の進捗についてお答えいたします。
総事業費約3200億円に対し、今年度当初予算までの累計事業費は約2213億円であり、69.2%の進捗率であります。
2023年9月からダム本体基礎掘削を行う建設1期工事に着手しており、2034年度完成に向けて工事が進められております。
次に、設楽ダムが完成していた場合に推定される渇水被害の軽減効果についてお答えいたします。
2026年6月4日に中部地方整備局が開催した「令和8年豊川渇水報告会」において、中部地方整備局は、設楽ダムが完成していれば、同ダムからの補給により今回の渇水を回避できたとの試算結果を公表しております。
設楽ダムの利水容量は7300万立方メートルであり、これは近年の豊川用水年間使用水量の3割弱に相当いたします。
県としても、設楽ダムは東三河地域の渇水被害の軽減に大きく寄与すると考えており、引き続き早期完成を国に働き掛けてまいります。
(質問)筒井タカヤ委員
今回の渇水においてはダムの貯水量(ちょすいりょう)が極端に少なくなり、枯渇の恐れが生じてくると、突然、テレビや新聞などの報道が過熱し、センセーショナルな報道がなされましたが、通常時においては、ダムの貯水状況に関する情報が県民に届いていないように思います。
今年は、異常気象、エルニーニョ現象の発生が発表されておりますが、太平洋の水温の上昇により、日本列島の夏は高温となると予測されており、例年より水の利用量が増えると想定されます。このことからも、普段からダムの貯水状況が発信されて、県民が節水に心がけていく必要があるのではないかと思います。
そこで質問します。
ダムの貯水状況について、県民にどのように発信していますか。また、渇水時の情報発信に関する県の考え方について答弁を求めます。
(答弁)水資源課長
ダムの貯水状況について、豊川用水においては、施設の管理者である水資源機構中部支社及び豊川用水総合管理所が、ダム貯水量をウェブサイトへ掲載しており、常に最新のデータを確認することが可能となっております。
県としましては、県のウェブサイトにリンクを掲載するなどして、県民がダムの貯水状況を簡易に把握できるよう努めております。
次に、情報発信に関する県の考え方について、平常時は、水の作文コンクールや水道週間等を通じて、水が限られた貴重な資源であることの普及啓発に努めております。
節水の初期段階では、ウェブやポスター等による広報によって、利水者の自主的な取組を促しており、節水対策の強化に従い、広報車の巡回、減圧給水の実施、県渇水対策本部の設置や知事による節水の協力の呼びかけ等、段階的に対応を行い、社会的な混乱を招かないように努めております。