平成24年6月26日 健康福祉委員会議事概要
【筒井委員】
今、県として、病院事業庁としてこの「50周年」の事業にどう取り組もうと検討しているか、伺う。
【病院事業庁長】
愛知県がんセンターは国立がんセンター設立の2年後の昭和39年に都道府県立としては始めて、病院と研究所を併せ持つがん医療の専門施設として設置された。以来、病院と研究所の連携により、がんの本態解明と予防方法、新しい診断・治療法の開発を進め、全国でも有数の癌の専門施設として現在に至っている。
その間、中央病院では高度先進医療施設、都道府県がん診療連携拠点病院、初期臨床研修医受入機関等の指定を受けるとともに、病院機能評価の認定も受けましてがん医療の中心的役割を担う病院として数多くの成果を挙げてきた。
また、研究所でも最先端の研究成果を世界に発信しているほか、名大、名市大の連携大学院として、大学院生を受入れ優秀な人材の育成にも努めてきた。
平成26年の愛知県がんセンター創立50周年事業であるが、現在、国ではこの6月に新たな「がん対策推進基本計画」が閣議決定された。現在行っている地域がん登録の精度を上げるなど国のがん対策事業に対応すると共に、登録事業の成果が新しいがんの予防や治療に結びつき、これが結果としてがん登録を行った患者の利益に結びつくということを周知し、啓蒙活動を行うことが必要かと考えている。
病院の方では、県内のがん診療連携拠点病院の診療実績が向上し、いわゆるがん医療の均てん化が進んでいる中で、がんセンターが尚も都道府県がん診療連携拠点病院として、名実共にリーダーシップを発揮できるような実績を積み上げて行かなければならない。
現在の診療実績を謙虚に反省すると共に、高度医療の実践はもちろんであるが、国の進めている緩和医療の推進、入院から外来へ、外来から在宅へと改革しないといけない診療内容を明確にして、これを実践して県のがん医療をリードして行きたいと考えている。
【筒井委員】
私ども議員も応援したいと思っているが、式典だ、発表だと言うことだけでなく、県財政当局にこれだけは求めていきたいという事項・検討中のものがあれば述べてほしい。
【病院事業庁長】
最近は、各地に都道府県立のがんセンターの建設が進んだほか、県内においても23の地域がん診療連携拠点病院が指定されており、がん医療の均てん化が進展している。
国においては、これまでの均てん化政策から高度先進医療を担う中核施設を整備する差別化の動きもあるが、最先端の医療レベルを維持し、優秀なスタッフを定着させるためにも、人と予算の投入が必要であると考えている。
当センターは、治療はもとより治験においても全国でトップクラスの水準にあるが、この4月に、国の臨床研究中核病院の申請をしたが、不採択となったところである。
これは、CRCと呼ばれる臨床試験コーディネーターの配置が国立がん研究センターはもちろんのこと、近隣の静岡県がんセンターなど類似施設と比較して極めて貧弱であることなどが不採択の大きな理由となっていると聞いている。こうした分野に常勤の専門職を配置することが必須となっているので、定数問題を見直すことが急務となっている。
研究所においては、第三次行革により、組織が大幅に縮小され、人員も削減されたので、今後の研究の活性化を図るためにもその増員が必要である。また、病院や研究所の連携機能の強化を図るためには、組織の改編も必要と考え、現在、今後の組織のあり様について検討に着手したところである。
がんに対する、研究、診断・治療が着実に進展していく中で、創設50周年を一つの節目として、これまでの愛知県がんセンターが県民のために担ってきた役割を再確認するとともに、今後、より高度で先進的な診断・治療・研究を進めるために、施設や設備そしてマンパワーの充実を含めて、検討を進めていきたいと考えているので、支援をお願いします。
【筒井委員】
毎日の闘病と将来への不安を持つ、がん患者にとって、患者と同じ経験を持ち、入院生活の支援、生活を含めたがん治療の相談など、がんとの闘いを総合的にサポートしている、「ピアサポーター」の方々は、大きな心の拠り所となっており、以前から敬意と尊敬を払っている。しかしながら、こうした「ピアサポーター」の方から、愛知県のがん対策について、ホームページを始めとする情報の提示、がん対策の県の条例、がん対策への有識者意見の採用などの大切な意見要望をいただいているので、4点ほど質問させていただく。
一点目は、愛知県のがん対策は、全国的には充実しているといえるのか伺う。
二点目は、愛知県のがん対策について、外部の有識者等の意見を聞く場はあるのか。
三点目は、がん対策はしっかりやっているということだが、愛知県庁のウェブサイトでは、トップページに「がん対策」の入り口がないため調べにくいとの声を聞いているが、現状はどうか。
四点目は、愛知県には、現在、がん対策推進のための条例がないが、県として、がん対策についてどのように取組んでいるのか。伺う。
【健康対策課主幹(健康長寿)】
まず、一点目の愛知県のがん対策は、全国的には充実しているといえるのか、という質問について、本県のがん対策については、「愛知県地域保健医療計画」及び平成19年度に策定した「愛知県がん対策推進計画」に基づいて取組んできており、とりわけがん診療連携拠点病院を中心とした医療提供体制の充実に力を入れてきた。
現状では、本県の拠点病院は国指定が15か所、県指定が8か所の合計23か所となっており、県内全域をカバーする全国的に非常に高い水準の体制となっている。
本県のがん対策や県内の拠点病院の取組みなどについて委員ご指摘のように、県民の方々が十分承知されていないということであれば、県としては一層の周知に努めていく。
二点目の、外部の有識者等の意見を聞いているのかという質問について、本県では、現行の「がん対策推進計画」策定の際には、がん医療に携わる医師や研究者、医師会等の関係団体、市町村職員及び患者団体の代表などがん対策に関わる様々な方により構成する会議を設け、ご意見を反映している。
また、策定後は、がん医療の専門家等により構成する「がん対策部会」を毎年度開催して、がん対策全般についての助言等をいただいており、そうした助言に基づいて個々のがん対策に取り組んでいる。
三点目の、県のホームページの質問について、県としては、県民の方々が県庁のウェブサイトで容易に「がん対策」について調べられるよう、健康対策課のトップページで「がん情報」の欄を設けてがん対策関連情報を一覧表示するとともに、別に「健康長寿ポータルサイト」の入り口を設けて、がん登録を始めとするがん対策関連の情報をお示ししている。
今後は、一層の見やすさ向上のため、県民の方々が見る機会が多い「愛知県がんセンター」のホームページから県の「がん対策」のページへリンクするようにもしたいと考えている。
四点目の条例のない中で、がん対策についてどのように取り組んでいるのか。という質問だが、本県では、平成18年に制定された「がん対策基本法」に基づいて、平成19年度に「愛知県がん対策推進計画」を策定している。
この計画は、「がんの罹患率の減少とがんの死亡率の減少」及び「がん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」を全体目標とするとともに、がんの予防、治療及び研究といったがん対策全般にわたって45の目標を定めており、本県は、この計画に基づいて、がん対策に総合的、かつ計画的に取組んできている。
なお、都道府県におけるがん対策に関する条例は、現在、19道府県で制定されており、このうち、北海道、京都府及び徳島県以外の16府県では議員提案により制定されている。
【筒井委員】
6月12日に野党4党で参議院に法案が提出された。
その法案とは、「移植に用いる造血幹細胞の提供の推進に関する法律案」である。白血病等血液難病の患者にとって、造血幹細胞移植にとって有用な治療方法として、「3種類」あると言われている。
@
「骨髄移植」
A
「末梢血幹細胞移植」
B
「さい帯血移植」である。
日本では年間約3,000体の移植が行われているとのデータもある。移植を希望している人は年間約5,000人とも言われている。そこで、愛知県内における「造血幹細胞移植」の実績はどうなっているのか。
【医薬安全課主幹(医薬)】
県では、移植件数のデータを直接把握していないため、「日本造血細胞移植学会」が平成23年度に取りまとめた全国調査報告書のデータを紹介したい。
これによると、平成22年における骨髄移植は241件、ちなみに21年は229件、20年が287件となっている。同じく、平成22年における末梢血幹細胞移植は25件で、21年は22件、20年は30件となっている。
さらに、平成22年におけるさい帯血移植は50件で、21年は64件、20年は35件であった。平成22年におけるこれらの合計数は316件であり、全国では4番目である。
【筒井委員】
愛知県内の造血幹細胞の斡旋や管理をしている「骨髄バンク」及び「さい帯血バンク」の登録状況の実態についてはどうか。
【医薬安全課主幹(医薬)】
「骨髄バンク」の登録については、平成24年5月末現在、愛知県では19,650人のドナー登録がされており、全国では4番目の登録数となっている。「さい帯血バンク」の登録については、平成24年6月21日現在、「東海臍帯血バンク」において3,206件のさい帯血が確保されている。
【筒井委員】
愛知県内における「骨髄バンク」・「さい帯血バンク」の活動状況はどのようになっているか。
【医薬安全課主幹(医薬)】
「骨髄バンク」は、平成3年から国の主導のもと設立された「骨髄移植推進財団」が日本赤十字社の協力を得て運営している。同財団では、骨髄提供希望者のドナー登録を行い、非血縁者間で患者へ骨髄を移植する際の調整を行っている。
愛知県では、平成23年に1,060名の方が新たに骨髄バンクに登録し、また、75名の方が骨髄移植を受けている。
また、「さい帯血バンク」は、平成10年に日本さい帯血バンクネットワークが設立し、国の補助を受けて運営されている。全国で8つのバンクが構成機関となっており、愛知県においては、愛知県赤十字血液センター内にある「東海臍帯血バンク」において業務が行われている。
同バンクでは、産科の医療機関で採取されたさい帯血の管理を行い、患者の病状に合わせて随時供給を行っている。日本さい帯血バンクネットワークの各バンクのさい帯血はそれぞれ全国に供給されるため、愛知県内に限った実績は公開されていないが、平成23年の全バンクの供給実績は1,116件、そのうち「東海臍帯血バンク」での供給実績は52件であった。
【筒井委員】
悪性リンパ腫や造血幹細胞の治療は一般では血液がん治療だとも言われているが、県がんセンターでは、どのように取り組んで治療してきたか。
【病院事業庁長】
専門的なことであるので、がんセンター中央病院の木下血液・細胞療法部長に確認した。木下部長によると、愛知県がんセンター中央病院では、これまで、難治性血液がんを中心に、造血幹細胞移植を積極的に行ってきた。特に、自分の細胞を使う、自家造血幹細胞移植の1991年から2010年の20年間の実施件数は256件で、愛知県下の病院で最多である。
大量の抗がん剤を組み合わせて投与した後、あらかじめ血液から採取し、冷凍保存していた患者さんの幹細胞を点滴で戻す、LEED(リード)療法という移植方法が、我が国で広く行われるようになっているが、これは、中央病院が開発したものである。多施設共同研究においても、悪性リンパ腫に対する造血幹細胞移植研究では、中央病院の医師が代表者を務め、全国の研究を先導している。
また、他人の細胞を使う、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植についても、積極的に取り組み、骨髄バンクやさい帯血バンクの登録医療機関として、引き続き活動していきたいと考えている。
【筒井委員】
県がこれら「骨髄バンク」及び「さい帯血バンク」の活動をどのように支援しているのか。
【医薬安全課主幹(医薬)】
県では、骨髄提供登録希望者登録推進事業として、県の5保健所で定期登録受付を行っている。またすべての保健所で献血会場などを利用した特別登録受付を実施している。
また、ホームページやリーフレット等による啓発、市町村・関係団体等を通じた広報を行い、提供希望者の拡大を図っている。
一方、さい帯血バンクについては、さい帯血の採取をバンクが選定した限られた医療機関で行う必要があり、県が受付業務を行うことができないため、広報啓発による支援を行っている。骨髄バンクにおいては、55才になると登録が自動的に抹消されることや、さい帯血バンクについても対応できる医療機関に高度な条件等が求められ、さい帯血を採取できる医療機関や移植できる医療機関が限られているので、その認知度もまだ十分ではないことが懸念されている。このため、県民への普及啓発が重要と考えており、今後とも、骨髄バンクやさい帯血バンクが充実していくよう、積極的に支援していきたいと考えている。
【筒井委員】
「骨髄バンク」と「さい帯血バンク」等についての活動支援を今後ともよろしくお願いする。
最近、違法ドラッグによる健康被害や違法ドラッグを原因とする事故の発生が相次いで報道されているが、大変憂慮すべき状況と考えている。県では、昨年度、違法ドラッグを販売する県内34店舗の立入調査を行い、販売店の実態把握を行ったと聞いているが、あらためて、違法ドラッグについて詳説に尋ねたい。
違法ドラッグ販売店のこれまでの検挙数はどれくらいであるか。また、最近の事例について教えて欲しい。
【医薬安全課主幹(監視・生産)】
違法ドラッグ販売店に対する検挙については県警が行っており、県としては、県警から情報を提供してもらう体制はないので正確な情報は把握していないが、新聞報道の内容を紹介すると、今月だけでも本年6月9日に、「合法ハーブ専門店」というチラシを電柱に貼ったとして名古屋市屋外広告物条例違反の疑いで、名古屋市名東区にある違法ドラッグ店の経営者を逮捕した事例がある。
また、本年6月14日には、違法ドラッグを吸引目的で販売したとして薬事法違反の疑いで、名古屋市緑区及び小牧市にある自動販売機を押収した事例があった。
県としては、昨年度実施した調査で違法ドラッグの自動販売機での販売を把握していたが、吸引目的かどうかについては、製品の形状、販売方法、広告、表示等から総合的に判断していることから、ただちに吸引目的にはあたらないとして注意喚起に留めたものであるが、県警においては、タバコの形状のみをもって吸引目的と判断し、検挙されたものと推測される。
【筒井委員】
現在問題となっている脱法ハーブはどのようなものか。
【医薬安全課主幹(監視・生産)】
現在問題となっている脱法ハーブは違法ドラッグの一つであるが、一部には天然の植物自体にあるものもあり、多くはハーブのような植物片に違法ドラッグ成分を後から添加したものが多いと聞いている。この違法ドラッグ成分が身体に有害な作用を及ぼす恐れが高く問題となっていると認識している。
【筒井委員】
違法ドラッグの害については、もっと広報啓発が必要と思われるが、どのように考えているか。
【医薬安全課主幹(監視・生産)】
本県においては、本年2月から違法ドラッグ販売店への立入調査を開始して、救急事例の把握を行うとともに、ホームページを活用して県民の皆様に広報啓発を行ってきたところである。
全国的にマスコミ報道が増えた月に最も救急事例が多かったことから、広報啓発を行うことが、若者の興味本位の使用へのきっかけづくりになってしまう感も否めない。
このため、今後は、広報啓発のあり方を十分検討したいと思っている。
【筒井委員】
訪問マッサージについて伺う。名東区でも、すぐ隣の千種区で評判の良いマッサージがあるとして有名なお店があると聞いていた。
それも深夜の午前2時まで訪問して治療をしてくれるとのことであった。私は名古屋市内でも数少ない「24時間訪問看護」の聞き間違えだろうと聞き流していた。
しかるに、先日の新聞報道によって、千種区の「訪問マッサージ報酬」をする接骨院が2億円もの所得隠しで国税局から告発を受けたとの報に接し驚いている。まさに、かつて私が聞いていた評判の接骨院は存在していたんだと知るに至った。
マッサージの治療は医師の同意があれば健康保険の適用が出来て患者の支払は3割の負担で済む。重い身体障害者や75歳以上は支払いがゼロである。即ち、無料である。
私の地元名東区で地下鉄駅の周辺、バス停でも厳しい経済状況で数多くの店舗が閉店しているが、最近、その閉店の店舗に「マッサージ」・「接骨院」・「整体」と称する開店が続いている。店の入り口の窓や、看板には「保険による値段」が大きく掲示されており、どの店もいつも大勢の高齢者で満員である。こうした店の経営者は笑顔で心優しい病院を紹介してくれる。医師の証明書が必要だからである。評判の良い医師の病院には、朝から順番待ちの高齢者が特別に用意されたベンチで開院を待っている光景が見られる。
そこで質問する。医師による証明書は、簡単に発行されているように思えるが、証明の基準について伺う。
【医務国保課主幹(保険・福祉医療)】
訪問マッサージ等の療養費に関する医師の証明についてのお尋ねだが、柔道整復やハリ灸あん摩マッサージで行う治療に関して、医療保険の適用が認められるためには、柔道整復師が行う打撲や捻挫の治療を除いては、医師の同意書が、証明として必要である。
この同意書は、患者の状態において、マッサージ等の治療の必要があるかどうかを、医師が、医学的見地から判断することになっているものであり、明確な基準は設けられていない。医学的見地からその治療が必要かどうかということになる
。
【筒井委員】
「整体」「マッサージ」「ハリ」等の店舗をどれだけ承知しているか。ここ10年間の開店数はいくつか。
【医務国保課主幹(医療体制)】
「あん摩マッサージ指圧」、「はり」、「きゅう」、「柔道整復」については、法律に基づき、これらの施術所を開設した場合は保健所等に届け出ることとなっている。県内における施術所数は、平成23年12月31日現在5,544施設であり、過去10年間の施術所開設数は3,246施設である。なお、「整体」などの法律に基づかない施術所数については把握していない。
【筒井委員】
「整体」「マッサージ」「ハリ」等の店舗をどれだけ承知しているのか。ここ10年間の開店数は。
【医務国保課主幹(保険・福祉医療)】
「あん摩マッサージ指圧」、「はり」、「きゅう」、「柔道整復」については、法律に基づき、これらの施術所を開設した場合は保健所等に届け出ることとなっている。
県内における施術所数は、平成23年12月31日現在5,544施設となっており、過去10年間の施術所開設数は3,246施設となっている。なお、「整体」などの法律に基づかない施術所数については把握していない。
【筒井委員】
訪問の対象となる「歩行困難」の対象は身障何級ぐらいの人か。その実数は何人か、分かれば教えてほしい。
【医務国保課主幹(保険・福祉医療)】
訪問マッサージにおいて、患者さんが歩行困難と判定される基準であるが、訪問マッサージとして往療料算定の対象となるためには、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により、通所して治療を受けることが困難な場合に認められるものである。
また、歩行困難等の状況については、その患者の施術についての同意を行った医師が、往療についても同意することが必要となっている。したがって、医師が、その患者の状態から通院治療が困難かどうかを判断するものであり、身体障害者の方に限っているのではなく、身体障害の何級程度という基準もない。
なお、訪問マッサージを受けている方の数については、各保険者が調査をしなくては分からないものであり、県としては把握できていない。
【筒井委員】
訪問マッサージについて、県として適正な運用を図るためにどのように対応していくのか。
【医務国保課主幹(保険・福祉医療)】
訪問マッサージに関する県の対応についてであるが、県としても、療養費の適正化は大きな問題と考えているが、一義的には、保険者において対応すべきことであると考えている。
したがって、市町村や後期高齢医療広域連合に対しまして、多受診の被保険者に対する適正受診の指導等、保険者としての取組みの強化や、不適正診療と思われる情報の把握と情報提供を働きかけてまいりたいと考えている。
また、国の機関である東海北陸厚生局とともに、施術所に対する指導・監督の強化を図ってまいりたいと考えている。鍼灸マッサージ師会等が開催している会員対象の研修会においても、会として、会員の指導を強化するよう申し入れてまいりたいと考えている。
【筒井委員】
6月22日の朝日新聞によると、大阪市では、本人確認なしで生活保護費を支給しているケースが「138人」もあった。
また、受給者が偽名を使って保護費を3年半も受給しているが、市側は身元確認を徹底せずに支給していたということも指摘されている。
愛知県の福祉事務所では生活保護を行う場合に、どのような方法で身元確認や本人確認を行っているのか。
【地域福祉課主幹(地域福祉)】
生活保護では、本人の申請に基づき支給要件を確認している。
まず、申請時に面接を行い、住所、氏名や育成歴、家族状況、就業歴などを聴取し、本人が特定できる情報を得ている。
次に、申請後に福祉事務所のケースワーカー等が、申請者の本人宅に訪問調査に出向き所在確認を行う。また、必要に応じ本人の陳述を基に、法29条による戸籍等調査を行う。
【筒井委員】
身元確認や本人確認ができないまま、生活保護を行う事例があるとすると具体的にどのようなケースなのか。
また、その場合、身元確認等をしないで、そのままにしておくことがあるのか。
【地域福祉課主幹(地域福祉)】
本人確認を待たず、保護を実施する例としては、生活保護法第19条に基づく「急迫保護」という市町村長による職権保護がある。
具体例としては、記憶喪失による保護や発病により生命に危険が及ぶような状況の場合であり、本人の意思が確認できないケースでの緊急の保護がこれに当たる。
基本的には、急迫性が消失した時点で、改めて本人に生活保護の支援に対する意思の確認を行う。なお、調査により本人が保護要件に該当しないような場合は、保護に要した経費は返還を求めることとなる。
また、記憶障害などで身元不明となっている者も、福祉事務所は県内外の福祉事務所に対して本人の写真や身体的な特徴等を記載した照会文書により身元確認調査を実施し、身元確認に努めている。
なお、県所管の各福祉事務所からは、身元確認や本人の確認に不適切な対応があり、不正受給につながったケースについては報告を受けていないが、今後とも毎年実施する生活保護法施行事務監査において、身元確認や本人確認について遺漏なく適切な処理が行われるよう指導していく。
【筒井委員】
生活保護が気楽に受けられているご時勢だけに大変な仕事と思うが、厳しい審査と同時に身元確認について、愛知県においては、生活保護についての審査は、厳正たるものであることを知らしめて信頼をいただくよう要望する。
がんの資料拠点病院及びがんの相談支援センター
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